2010年08月09日

週刊フランス情報 2 - 8 AOUT

育児休暇の法改正「日本のパパの革命となるか」
■父親の育児休暇の取得促進を目的として、育児・介護休業法が6月30日に改正された。仏リベラシオン紙も、この改正を「日本のパパにとっては革命的な出来事」として報じている。日本人は労働時間が長く、休日が少ないと見られることが多い。経済協力開発機構(OECD)による同機構加盟国の調査では、日本の例年労働時間 は1828時間で、韓国、ポーランド、メキシコ、チェコに続いて5位となっている。フランスの1346時間と比べて、かなり労働時間が長いといえる。また有給休暇日数も、日本は入社日から6カ月経過後に付与されるのは10日である一方、フランスは30日付与される。このため、フランス人は必然的に家族と一緒に過ごす時間が多くなる。逆に、労働時間が長い日本人の男性は、家庭で過ごす時間も短いのではないかとフランスでは考えられている。
■同紙は、日本では伝統的に「男性は外で働き、女性は家で育児・家事」という考え方があることを紹介。働く女性が多く、出産後も働きやすい環境が整っているフランスと比べて、日本では男女間での社会的地位が、いまだ不平等な側面があると指摘。今回の育児・介護休業法の改正により、女性の育児負担を減らし、少子化に歯止めがかけられることが期待できるとともに、これまで「働きバチ」 だった日本の父親も、育児に参加しやすくなるだろうとの見方を示している。場合によっては「女性が働き、男性が家で育児をする」といった逆転も考えられる とし、伝統的な「働く」日本人の男性にとって、大きな革命になると見ている。
■ただし、法が改正されても、実際に育児休暇取得を申し出る男性は少なく、広く普及するには時間がかかるかもしれないと指摘しながらも、日本での育児における男女の差が平等になったことを好意的に紹介している。
(8月6日、サーチナニュース)
★リベラシオンの原文を見るとかなりニュアンスが違う。元のタイトルは「日本の主夫革命」。まるで日本男性がみんな主夫になりたいと思っているような導入部。主夫願望のある人はいるだろうが、当面は普通は夫が育児休暇をとれるようになって夫婦で子育てをするか、交代でやれるようになって妻の負担が軽減されるという流れでは。
★このパパ主夫法案を通した立役者は菅首相で、彼をフェミニストと紹介。70年代にスウェーデンとフランスをモデルに男女同権を勝ち取るために戦ったと。市川房枝と一緒に活動していたからだろう。ル・モンドにも首相就任時に旧戦闘的左翼と紹介。
La révolution des papas «shufu» au Japon

移民にも厳しく 当局襲撃の罰則強化 人権団体が批判
■フランスのサルコジ大統領は30日、移民出身の仏市民が治安当局を襲撃した場合、仏国籍をはく奪するなど、移民に対し厳しい処置 で臨む方針を表明した。大統領は最近、国内を放浪するロマ族などへの規制強化も表明しており、人権団体は「外国人や移民の排斥だ」と批判している。
■きっかけは16、17の両日に仏東部・グルノーブル市で起きた暴動。若者たちが、警察官に発砲し、駐車中の車数十台を燃やした。その数日前、強盗容疑で逃走中のアラブ系男性(27)が警官に発砲して射殺される事件が近郊で起きており、暴動は警察への報復とされる。
■同市を30日に訪れたサルコジ大統領は「仏は過去50年、移民を安易に受け入れすぎた」と演説。移民出身の未成年者が非行を繰り返した場合、国籍 付与を安易に行わない▽治安当局者の殺害に対する刑罰を強化する▽不法移民の故国への強制送還を徹底する−−などの方針を表明した。
■サルコジ政権は28日、ロマなどの違法キャンプの強制撤去や、罪を犯したロマの強制送還などの方針を表明している。だが、相次ぐ強硬策に、人権団体などからは「12年の大統領選に向けた右派票獲得を狙った政策」などの批判が出ている。
(8月1日、毎日新聞)

フランス:ロマなどの違法キャンプ300カ所の撤去を開始
■フランスのサルコジ政権は6日、国内を放浪する外国籍のロマや仏国籍の非定住者が住む違法キャンプ300カ所の撤去を開始した。 この日は、中部サンテティエンヌ市の違法キャンプで撤去が行われ、滞在許可などを持たないロマ約50人に国外退去命令が出された。
■仏では7月、検問を突破した非定住者の男性(22)を警官が射殺したのを機に非定住者の暴動が発生。サルコジ政権はこれを受けて▽違法キャンプ撤去▽国外から来たロマが罪を犯したら即時強制送還▽非定住者の納税状況調査−−などを決めていた。仏の世論調査では8割がこの措置を認める一方で、人権団体は、「人権侵害」と批判している。
(毎日新聞、8月7日)

映画「シルビアのいる街で」、ホセ・ルイス・ゲリン監督インタビュー
■画家志望のイケメンが、かつて愛した女性の面影を求めて、跡をつける。スペイン・フランス合作映画「シルビアのいる街で」は、筋書きをなぞると一見ストーカー気味だが、ホセ・ルイス・ゲリン監督(50)の手にかかると、美しく幻想めいた映像に仕上がる。中でも路面電車のシーンでは「夢想する主人公と、日常を生きる周りの人々とのギャップを出したくて広角に撮った」とこだわりをみせる。
■舞台はフランス北東部のストラスブール。無国籍な雰囲気が決め手だった。「ドイツとの国境に近く、住人はフランスともドイツとも思っていない。誰にとっても異国という場所を選びたかったのです」。中世風の静かな街並みにモダンな装いの路面電車が溶け込んでいる。石畳があり、広告や看板が少なく、車の騒音がないところも気に入ったようだ。
(8月6日、産経新聞)

松井、リヨンやボルドーと交渉
■グルノーブル(フランス)に所属する松井大輔は現地時間5日、すでにリーグ1の複数のクラブと交渉に入っており、2部リーグへ降格した同クラブにとどまるつもりはないと語った。なお、イタリア・セリエAへの移籍については否定している。ロイター通信が報じた。
■先ごろの2010年W杯では日本のベスト16進出に大きく貢献した松井。同選手は仏『レキップ』紙に対し、「29歳の今、僕は2部リーグにとどまるつもりはない。これはごく普通の考えだ」とコメント。さらに松井は、「強豪クラブに移籍してリーグ1に残りたい。グルノーブル側が多額の移籍金を要求しないことを望んでいる」と語り、移籍成立を熱望した。
■そのうえで松井は、「自分はすでに、代理人とともにパリSG、リヨン、ボルドーと交渉に臨んだ。ただ、これらのクラブで自分の立場を確立することが難しいことは分かっている。競争が厳しいところだからね」と話している。また、他国のリーグについては、「イタリアは僕には合わない。スペクタクルに欠ける。旅行者として行くならいいけど」と、冗談を交えて答えている。
(8月6日、ISM)




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posted by cyberbloom at 11:07 | パリ ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 週刊フランス情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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