2006年03月21日

「ミシュランガイド仏国内編」06年版

Michelin Red Guide 2006 France (Michelin Red Guide: France)フランスのグルメ案内書「ミシュランガイド仏国内編」06年版が3月1日に発売(写真は英語版)。かつては三つ星の代名詞で、96年から二つ星に降格していたパリの有名店「トゥール・ダルジャン」の星がついに一つになった。 ワインなしで1人平均300ユーロのディナーを提供するトゥール・ダルジャンを「質がちぐはぐ」とバッサリ。三つ星に昇格したのは北西部カンカルの「メゾン・ド・ブリクール」だけ。

「サンドランス」(旧ルカ・カルトン)は今回二つ星を獲得。昨年夏、シェフのアラン・サンドランは三ツ星を自ら返上し、今よりも庶民的なレストランに全面改装すると宣言した。エゴと贅沢にとらわれすぎていたことを反省し、400ユーロ(5万6千円)なんていうバカ高いコースは排して、若い人たちも気軽に食べれるようにと、100ユーロ(1万4千円)前後に値段を設定。アジアの食材やダイエットメニューを取り入れるとも言ってた。

このように最近、ミシュラン離れの動きが出ているが、その先頭に立って公然とミシュラン批判を繰り広げているのがジョエル・ロブション。「わたしはミシュランのアンケートに答えない。載せてもらおうとは思わない。判定基準があまりに時代遅れで、新しさを求めるレストランは評価してもらえない」との主張。ロブションは前菜、メイン、デザートという伝統的なスタイルにとらわれない、カジュアルなカウンターのレストラン「ラトリエ・ドゥ・ジョエル・ロブション」を2003年にパリと六本木ヒルズに開いた。こういうレストランはミシュランに評価されないと言う。

100ユーロでも十分高いと思うけど。気軽というなら、2000円くらいでランチを食べさせて欲しいなあ。ロブションのカウンターの店は一杯600円のグラスワインでもOKなようだ。フランス料理も伝統的な重々しさから逃れて、カジュアルで、自由なスタイルを目指しているということか。こういう流れは個人的には大歓迎。しかし、こういうフレンチの話が、ネオリベラリズムの勝ち組、ヒルズ族なんかと容易にシンクロしてしまうのが面白くない。ITの若い実業家たちは自宅に有名フレンチシェフを呼んで料理を作らせてるらしいしね。フレンチを気取って嗜むなんて、ブルジョワ文化の最たるものだが、ロブションさんには、FUJIROCKフェスとかに出店するような、さらなる心意気が欲しいな。貧乏な若者にもフレンチを!

ところで、日本人シェフ吉野建さんが経営するパリの「ステラ・マリス」、松嶋啓介さんが経営するニースの「ケイズ・パッション」がそれぞれ初の一つ星を獲得し、日本人経営の星付き店はパリの「ヒラマツ」に続き3店となった。「ケイズ・パッション」はテレビでレポートしてたのを見たが、ほとんどアドリブで作る、かなり独創的な料理に見えた。ニースの有閑マダムたちにウケているようだ。重ねた薄切りの牛肉のあいだに山葵を練りこんで、焼いた「牛肉のミルフィーユ」が美味しそうだった。

Michelin Red Guide 2006 France (Michelin Red Guide: France)

cyberbloom

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posted by cyberbloom at 14:52 | パリ ☔ | Comment(0) | TrackBack(1) | CAFE+WINE+GOURMET | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Tracked: 2006-03-24 17:02