2010年05月08日

週刊フランス情報 26 AVRIL- 9 MAI 前編 ギリシャにはレジがない!?

金融危機をもたらしたギリシャの驚くべき現実
★5月7日20時の France 2 より。驚くべき事実が紹介されていた。世界金融を混乱させているギリシャでは、お店にはレジが置かれていない。買物をするときもカードは使われず、現金でやりとりされる。お金のやり取りの記録を残すという習慣がなく、税金の申告が適当なのだ。そして今回の混乱を受けて、ギリシャではようやくレシートを出すことが義務付けられた(笑)。観光客向けのキオスクや小売店だけなく、医者や弁護士のような高額所得者も同じく過少申告することが横行している。計算によると政府の税金の取り損ねは年間200億ユーロにのぼる。これが15年分で3000億ユーロ。それが現在の赤字に匹敵するというのだ。
★国が弱体化すればするほど人々は少なく申告するだろうから、国は脱税の監視を急務としている。しかし長年続いた習慣を変えるには時間がかかるだろうとニュースは締めくくっていた。つまりギリシャ政府の怠慢に世界経済が振り回されることになったわけだ。こういう事実は日本のニュースでもう紹介済み?ギリシャのことは所詮対岸の火事だからあまりニュースバリューはないのか。それに比べわが国の源泉徴収というシステムは良くも悪くも優れたシステムだ。日本人の高い「お上意識」のなせる技でもある。
★ちなみに今週の France 2 のネット世論調査は Approuvez-vous l'aide française et européenne à la Grèce ?(ギリシャに対するフランスとヨーロッパの財政支援に賛同するか?)だった。Oui 54%、Non 41%と微妙な結果。しかし、CAC 40(フランスの株価指数)はNYの大暴落の影響もあって金曜1日で4,6%も下落、1週間では11,12% 下落。ユーロは一挙に110円台まで突っ込んだ。最終的には1ユーロ=116.5円、1ユーロ=1.27ドル。

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サルコジ大統領の業績「評価しない」7割
■フランスのサルコジ大統領について、約7割の国民がその業績を評価しておらず、3分の2が次期大統領選(12年)への出馬を棒んでいないことが、6日までの仏の世論調査で分かった。6日で4年目を迎えた大統領にとって、不況に加え、自らのスキャンダルなどが災いした形だ。
■仏の世論調査機関BVAが4、5日に約1050人に聞いた結果では、大統領の政策を33%が「非常に悪い」、36%が「悪い」と回答。特に10%を超えた失業率のほか、購買力低下、財政赤字などの対策では、8割以上が不満を示した。また同機関の4月中旬の調査では、国民の65%が次期大統領選への出馬を望まなかった。
■大統領は昨年、まだ23歳の次男が、パリ・ビジネス誘致地区の監督庁の長官候補となるのを応援、「身内びいき」と批判された。また、最近では自身と夫人のダブル不倫のうわさに関し、その発信源の捜査が行われたことも発覚、失望を買った。仏の世論調査の専門家は「歴代大統領に比べ、国民の失望度はかなり大きい」と話している。

「フランス人は文句が多い」、9割が自ら同意=調査
■フランス人は、短気なウエーターや政府が何か新しいことをするたびに街頭で始まるデモなどから、不平不満が多いというイメージを持たれがちだが、フランス人自身もそう思っていることが最新の調査で分かった。この調査は、保険会社Maafが市場調査会社オピニオンウエーに委託し、18歳以上のフランス人1000人超を対象に実施。それによると、「フランス人はよく文句を言う」と思っている人が93%に上った。ただ、自分自身がそうだと認める人は37%にとどまった。文句を言う主な理由については、約6人に1人が「そうしなければ踏みにじられる」から回答。また、4人に1人が、文句を言うことはリラックスするための一方法だと答えた。
( 5月7日、ロイター)

上海万博、各国パビリオンによる閉幕後の「生存競争」も開幕か
■上海万博ではこのほど、閉幕後の外国パビリオンの「行方」が早くも話題になっている。万博サイドも、期間中に人気投票などを行い、人気の上位5カ所を永 久保存する方針を打ち出すなど、参加国の間での「生き残り」をかけたアピール合戦に拍車をかける。新浪網が伝えた。
■洪浩上海万博事務協調局長によると、万博サイドでは当初、中国館を除くすべての施設を開幕後に撤去する方針だった。しかし、環境保全や省エネなど、環境にやさしい設計コンセプトを持つパビリオンなどは残すべきとの観点から、人気投票などで選ばれたパビリオンの上位5カ所は保存する方向で検討していること を明らかにした。洪局長は、保存できるパビリオンはごくわずか、としながらも、移転なども視野に入れ、対策を練っているという。パビリオン存続を求める外国館は、今後さらに増える可能性がある。
■「パビリオン存続」に名乗りを上げた、として紹介されたのは、ルクセンブルク館、サウジアラビア館、フランス館だ。ルクセンブルク館では、外壁や床板にルクセンブルク産のもみの木を用いた2重構造を採用したことで、天然の温度調節機能を実現。「空調いらず」を強調したほか、館内の畑で収穫したぶどうを 「ルクセンブルク上海ワイン」にする構想で、「今ある資源の保存」といった視点を打ち出し、同館を存続すべき、と“情”に訴えた。
■サウジアラビア館も、パビリオン存続に手を挙げる国のひとつだ。同館は、空に浮かぶ大きな船を想起させる外観や、世界最大級のIMAX 3D映画館を備え、中国館に次ぐ人気を誇る。同館の保存には、サウジアラビアの王族の意向も強く働いており、「良好な両国関係の象徴」の存続を求める声が高まっているという。このほか、フランス館も、自国館を「世界各国の芸術品を展示する貴重なパビリオン」と位置づけ、保存に向け積極的な姿勢を見せている。
(5月6日、サーチナ)
【動画】上海万博、パビリオンの一部をご紹介・前半フランス館 (afpbbニュース)

仏で熱核融合炉が本格着工へ 日本も積極関与と文科相
■未来のエネルギー源として核融合が有望かどうかを検証する国際熱核融合実験炉(ITER)のフランス南部での建設工事で、中核となるトカマク装置など主要施設の建設が今夏本格化する。ITER機構は6月に基本計画の見直し会議を開催、設計や研究日程、コス トを再検討、2019年にもプラズマ点火へ至る運びだ。
■ITER計画は建設地の誘致合戦で青森県六ケ所村が最終候補地に残るなど、日本も深くかかわっている。カダラッ シュの建設地を5日視察した川端達夫文部科学相は、同計画が「エネルギー政策の根本にかかわるもの」として「着実にしっかりやっていきたい」と述べ、日本としても積極的に支える姿勢を強調した。ITER担当者によると、07年に始まった建設サイトの整地や用水路、資材搬入用道路の建設作業はほぼ終了し、縦500メートル、横1キロの広大な用地が整備された。
(5月6日、共同通信)






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posted by cyberbloom at 22:52 | パリ ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 週刊フランス情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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