2010年04月06日

週刊フランス情報 29 MAI - 4 AVRIL

ベルギー 「ブルカ」禁止 欧州初、法案成立へ
■イスラム教徒の女性が顔を覆う衣装「ブルカ」や「ニカブ」を公共の場で着用することを禁じる法案が先月31日、ベルギー下院内務委員会で可決された。22 日にも開かれる本会議で可決、成立すれば、ベルギーは欧州で初の着用禁止国となる。欧州では「女性隷属の象徴」としてフランスなどでも禁止法案提出の動き がある。背景には、中東からのイスラム原理主義の浸食への危機感があるが、「個人の自由」とどう折り合うのか、欧州は解答を迫られている。
■法案はブルカやニカブを名指しはしていないが、路上や公園、文化施設や公共機関などの「公共の場」で「顔をすべて、または、ほとんど隠す衣装」の着用を 禁じている。違反者には15〜25ユーロ(約1900〜3200円)の罰金または禁固1〜7日の刑罰を定めている。顔の見えるイスラムのスカーフ(ヘジャブ)などは対象外。
■禁止派のジョルジュ・ダルマーニュ議員は毎日新聞の取材に「自動車は右側通行と定めた交通規則と同じで、往来の自由には制限がある」と説明。ブルカなど 顔を隠す行為は「公共の場で誰か分からなければならないという共生の考えとの断絶を生み、社会不安を呼んでいる」として禁止の正当性を強調する。
■禁止法制化の背景にはブルカなどで顔を隠すイスラム教徒女性が欧州で目につき始めた事情がある。約40万〜50万人とされるベルギー在住イスラム教徒の うち、ブルカやニカブの着用者は推定数百人。既に首長権限で着用を禁じている自治体もある。
■ヘジャブ姿の女性の中にも「ブルカはイスラムとは関係がない」(マリカ・ハミディ欧州ムスリム・ネットワーク事務局長)とのブルカ反対論がある。一方、 「ベルギー・イスラム教徒執行機関」副議長はAFP通信に「着用は個人の自由」と主張、「明日はヘジャブ、あさってはシーク教徒のターバンとなり、いずれ ミニスカートも禁止されかねない」と警鐘を鳴らす。
■政教分離を国是とする仏でのブルカ禁止の動きが「イスラム教対国家」の構図を浮かび上がらせているのに対して、ベルギーでの議論は公共秩序・安全の維持 や、女性の権利保護に集中している。
■ベルギー国会では着用禁止が多数派のため本会議で可決、成立の公算が大きいが、行政裁判所にあたる国務院が留保を付ける可能性もある。フランスでは国務 院が先月30日、ブルカ着用の全面禁止は憲法違反の危険性があると判断した。
(4月1日、毎日新聞)
★ブルカの着用はいくら本人の意思だとしても、une prison ambulante(=移動する牢獄)であり、lancer de nainsに匹敵するとある議員が言っていた。凄い比喩だ。女性の尊厳のためって言っているが、一方ではテロ対策でもあるのだろう。実際、他の議員がブルカを着ていると身元の確認ができないと言っていた。モスクワの地下鉄のテロリストもイスラム系女性だったわけだし。

シェークスピアはフランス人?世界のエープリルフール
■英文学の巨匠ウィリアム・シェークスピア(William Shakespeare)は実は フランス人だった?――エープリルフールの1日、世界各国のメディアはこぞって「偽ニュース」を報じた。そのほとんどはユーモアあふれた内容で、読者や視 聴者を楽しませた。英BBCは最も有名な英国人作家、シェークスピアが実はフランス人だったというウソの 報道を仕立て上げた。シェークスピアの母親メリー・アーデン(Mary Arden)の本名は、マリー・アルデンヌ(Mary Ardennes)というフランス名だったという 「真実を暴露」し、さらにはこの「新発見」のスクープに永遠の宿敵たるフランスの元文化相、ジャック・ラング(Jack Lang)氏まで担ぎ出した。
■同じ巨匠でも、インターネット界の巨匠グーグル(Google)は、社名をカンザス州の州都名に取り替えたと「発表」した。 エープリルフール限定のグーグルの新社名はトピカ(Topeka)。グーグルが進める超高速ブロードバンド事業の試験サービスを 誘致しようと、3月の1か月間、「グーグル市」を名乗ったトピカ市に敬意を表した。
■負傷のためサッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)への出場が絶望的となったイ ングランド代表のデビッド・ベッカム(David Beckham)選手をだしに、新聞とラジオが結 託して手の込んだ「でっちあげ報道」を展開したのはオーストラリアだ。シドニー・モーニング・ヘラルド(Sydney Morning Herald) 紙と豪ABCテレビは、豪サッカー協会がベッカム選手にお見舞いとして果物のかごとカード を贈ったところ、W杯では豪陣営でアシスタントコーチを務めてくれるという確約を取り付けた、と報じた。
■宗教系報道サイトI-mediasは、ローマ法王庁が航空会社の立ち上げを準備していると 伝えた。最終的に決定した社名は「バチカンエアー(Vatican Air)」。検討の過程では、「エンジェル・エ アー」や現ローマ法王ベネディクト16世(Pope Benedict XVI)の枢機卿時代の 名前ヨーゼフ・ラッツィンガー(Joseph Ratzinger)にちなんだ「ラッ ツィング・エアー」なども挙がったというストーリーだった。一方、インドネシア紙バリ・タイムズ(Bali Times)には、医療保険制度改革法の採決のため前月に 同国訪問をキャンセルしたバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領が、謝意としてワシントンか らバリ島のレストランにインドネシアの伝統料理を注文したという「ローカルニュース」が掲載された。
■おおかたのエープリルフール報道はこうしたほほえましいものだったが、ブルガリアのラジオ局のネタは度を超してしまったようだ。偽のラジオインタビューに登場した偽の国際通貨基金(IMF)の専門家が、ブルガリアは通貨レブを廃止してさっさとユーロに切り替えるべ きだと提言すると、ラジオ局に苦情が殺到。IMFの地域事務所の所長やブルガリア国立銀行(Bulgarian National Bank) が、国が経済的苦境にある時期にIMFの名を「かたる」こうした冗談は「危険」で「しゃれにならない」と厳しくいさめる事態となった。
(4月2日、AFP)

英語からの借用語をフランス人の日常会話から撲滅!
■ヨーロッパでも英語が通じない国として知られる誇り高き国フランスですが、新しい技術や文化とともに日夜襲来する新しい英単語の侵攻にはなかなか対抗しき れないようで、「エアバッグ」や「ハッカー」「チャット」などといった英単語は、日本でも外来語として使われているのと同じように、フランス人の日常会話 の中で「les air bags」などとフランス語に溶け込んで借用語として使われています。そこで、近年新たにフランスに侵入した英語からの借用語をフランス語っぽい響きの単語で置き換えようと、フランス政府がフランス語圏の児童や学生に募集し た候補の中から新たにフランスの辞書に載せるべくして選ばれた「新単語」が発表されました。なんだか戦時下の日本の敵性語排斥を思わせますが、かなり本気の取り組みのようです。
■児童や学生から「言い換え候補」が募集されたのは21世紀に登場したインターネット世代に広く使われる5つの借用語で、2月に募集が開始され、アカデミー・フランセーズ会員や政治家、ラッパー(フランス語では「rapper」でなく 「rappeur」)のMCソラーなどを含む審査委員会によって先日最終候補が選考され、発表されました。これらの最終候補 は、新語を造りその普及を促進することを目的とした政府の「術語学・新造語委員会」によって審議される予定で、正式に承認されればJournal Officiel(フランス政府公報)で新語として発表され、辞書に載るようになるほか、公務員はそれらの新語の使用を義務付けられると のことです。
■今回「言い換え候補」が募集されたのは「Tuning」(チューニング:車の改造についての用法)、「Chat」(会話するという意味ではなくインターネットでのチャットとしての用法)、「Newsletter」(ニュー スレター:日本で言うリリースやメールマガジン)、「Buzz」(うわさ、騒ぎという意でインターネット上の大流行、社会現象を指す際の用法)、「Talk」(こ れもChatと同様「話す」という意味の動詞としてではなく、トークショーなどの「トーク」という名詞として)の5つの借用語。
■これらの借用語に対し、「Tuning」の言い換え候補にはリヨン在住のジャーナリズム専攻の学生Charles Fontaineさんが提案した「Bolidage」(「火 球」という意味で、高出力な車を指すスラングとしても使われる単語「Bolide」 から)、「Chat」には「Éblabla」と「Tchatche」、「Newsletter」には 「Niouzlettre」「Inforiel」「Journiel」などの有力候補を抑えて「Infolettre」が、「Talk」に は「Cacoforum」や「Debatel」といった候補を抑え、新語ではないがふさわしい単語として「Débat」が、「Buzz」にはエクス・マル セイユ大学のElodie Dufour-Merleさんが提案した「Ramdam」(ラマダーンで日没とともに断食が明ける際の騒ぎを表すアラビア語)が選ばれました。英語でさえなければ外国語由来でもOKのようです。
■フランス政府はこれまでにもさまざまな英語からの借用語をフランス語っぽい響きの新語に置き換えてきたのですが、今回のように新語候補をコンテストで公募 するのは初めての取り組みとのこと。なお、最終候補に選ばれた新語の提案者の学生らには、フランスの文化使節団の一員として海外で活動する機会が与えられ るそうです。
■フランス外務省のアラン・ジョワイヤンデ対外協力・フランコフォニー担当大臣は「10年前にはみんながみんな『ウォークマン』や『ソフトウェア』につい て話していましたが、今では『ウォークマン』は『Baladeur』、『ソフトウェア』は『Logiciel』というフランス語が広く使われるようになっ ています」と語っています。ほかにも「Globalisation」(グローバリゼーション)に代わる「Voyagiste」や「Bug」(昆虫ではなくコンピュータなどのバグ)に 代わる「Bogue」、「Venture capital」(ベンチャー・キャピタル)に代わる「Capital risque」などでは借用語の置き換えに成功したそうですが、「Air bags」(エアバッグ)に代わる「Sacs gonflables」、「Hacker」(ハッカー)に代わる「Fouineur」、「Smiley」(顔文字)に代わる「Frimousse」、「Start-up」(スタートアップ:パソコンなどの起動)に代わる「Jeune pousse」、「Post-it」(ポストイット:付せん紙)に代わる「Papillon」、「Sitcoms」(シットコム)に代わる「comédies de situations pour la télévision」などは定着しなかったようです。ちなみに日本でも「外来語」言い換え提案という言い換え語のリストが発表されていますが、「ナノテクノロジー」の代わりに「超微細技術」や「オンデマンド」の代わりに「注文対応」など、あまり定着していない気がします。
★このニュースは France2 でも見たが、新しい言葉の街角の若者の反応を聞いていた。「Tuning」=「Bolidage」には一瞬シーンとして、そのあと爆笑。「Bolidage」だって、ギャハハハって感じ。「Ramdam」には肩をすくめて「意味わかんない」っていう反応。




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posted by cyberbloom at 23:42 | パリ | Comment(0) | TrackBack(0) | 週刊フランス情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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