2010年03月17日

アカデミー賞女優、マリオン・コティヤールの反セクハラ・キャンペーン

アカデミー賞を受賞した女優、マリオン・コティヤール Marion Cotillard がフランス芸術文化勲章の授章式でフレデリック・ミッテラン文化相に勲章をつけてもらったとき、針が胸にささって、痛ッ(aïe!)と叫ぶ一幕があり、その動画がフランスで話題を呼んでいる。マリオン・コティヤールと言ってもあまりピンとこない人のために一言付け加えると、マリオンは『TAXI』シリーズのダニエルの恋人役で知名度を上げ、2007年公開のフランス映画『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』でエディット・ピアフ役を熱演し、第80回アカデミー賞主演女優賞を受賞。アカデミー賞の演技部門ではシモーヌ・シニョレに続いて史上2人目、49年振りのフランス人女優の主演賞受賞者となった。そしてマリオンは今週末から封切られる話題の「NINE」にも出演している。二コール・キッドマン、ペネロペ・クルス、ソフィア・ローレンなどゴージャスな女優陣に混じって。


そのニュースのページで≪ses seins montent au front≫という別の記事のリンクを見つけた。タイトルの意味がわからず、何だろうと思ってリンク先に飛んでみると、マリオンが小さな作り物のオッパイを自分の額にのっけているではないか。この前のカーラ・サルコジ・ブルーニ大統領夫人の晩餐会といい、勲章の針がマリオンの胸に刺さってしまった授賞式といい、何だかひとつのテーマでつながってしまっているのだが、単なる偶然です(笑)。

先週、マリオンはクリスチャン・ディオールのために小さなフィルムに出演した。そのフィルムではシックなバンプ・ロッカーを演じていたが、問題のプロモーションビデオをではそれと全くノリが違っている。なぜなら彼女は額にニセモノのオッパイをつけているのだ。彼女の新しいアメリカの友人たちと一緒になって、なぜこんなことに一生懸命になっているのか。それは Funny or Die というサイトのために撮影されたニセの広告だ。それは化粧品の販促広告を真似ている。そこでマリオンがアメリカの女性たちに語りかけていることは…

「アメリカはすべてがかなう国です。チャンスの国です。夢が実現する国です。しかし、大きな問題があります。それはアメリカの女性たちはセクハラに直面していることです。その証拠にとなるいくつかのシーンがありますが、彼女たちの開いた胸元に向けられた視線に誰もが気がつくでしょう。アメリカの女性たちは性の対象にされています。特に職場においてそうです。一方、フランスの女性たちが何世紀も前から知っていることがあります。それは男性たちの尊敬を勝ち得るためには、彼らが胸ではなく目を見るようにしなければならないということです。これ(Forehead Tittaesという商品)を使ってみましょう。エレガントなデザインです。女性らしさを犠牲することなく、男性たちのリスペクトを得ることができます。簡単に装着できます。みんなあなたの目を見るようになりますよ」

このビデオは同サイトの BEST OF THE WEEK に輝いている。このサイトについて教えてくれた Gala.fr は、マリオンの胸が大きいことをクドクドと書いているが、マリオンがアメリカで仕事をするようになって、そういうシーンに出会うことが多かったのだろう。それを話題を集めるようなユーモアで反撃し、世の男性たちに忠告する。さすがである。それにフランス人女優という立場をうまく売りにして、差異化をはかる戦術も見事だ。





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posted by cyberbloom at 19:03 | パリ | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事+トレンド特集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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