2010年03月07日

フランスとアメリカのマカロンの違いとは!?

ピエール・エルメ マカロン■ラデュレLadurée 、ピエール・エルメ Pierre Hermé(写真) …高級品のイメージが強いマカロンだが、米国ではホール・フーズ、トレーダージョーといったスーパーやスターバックスでお目にかかることもある。マクドナルドは、本場フランスのマックカフェ(マクドナルドに併設されたコーヒーやパンのコーナー)でミニサイズを販売。広告では、左右の手がハンバーガーの代わりに小さなマカロンを持っている。
■しかし、マカロンファンはブームを喜ぶどころか怒っている。6年前からワシントンでフランス文化に関するブログを書いているパリジェンヌのレティシア・ブロックさんは「マカロンは主流になるためのお菓子ではない」"Macarons are not meant to be mainstream," と一蹴した。スターバックスが休暇シーズンにマカロンを販売していると聞き1箱買ったが、かじってみると、柔らかすぎだったという。ラ・マムことアリソン・ライトワインさんはこのブログへのコメントで、「ラデュレの目と鼻の先にあるシャンゼリゼのマックカフェでマカロンを発見。世も末だ」"I saw them at the McCafé on the Champs-Élysées—just down the street from Ladurée! What is the world coming to?!?" と嘆き、インタビューで、「野球の試合にタキシードで行くような感じ」"It's kind of like if you showed up in a tuxedo to a baseball game, it was so out of place. " と語っている。
■マンハッタンでパティスリーを経営するフランス系パティシエのフランソワ・パイヤールさんはマカロンについて、「クッキーのように思われがちだが、クッキーよりずっとデリケートでエキサイティング。外側はサクサクで真ん中は本当に柔らか。小さなペストリーのようだ」"People think of them like cookies, but they are much more delicate and exciting than a cookie—so crunchy on the outside and so soft in the center, like a little pastry." と語る。完璧なマカロンを作るには時間がかかるが、日持ちしない。泡立て、焼き、クリームをはさんでから冷蔵庫で24時間冷やして味をなじませる。クリームが冷たすぎないよう、取り出してから最低1時間おく。2、3日で売れないものは捨てる。パリで広報責任者を務めるクレメンス・トランカールさんは、友人とのティータイム用に、ロワイヤル通りのラデュレ1号店でバラ、シトロン、ショコラの風味のマカロンを1箱買った。マカロンは「とても洗練されていてエレガント。だから、マクドナルドには買いに行かない」と語る。
■フランスのマックカフェがマカロン販売を始めたのは2007年。マカロンは、ラデュレの親会社グループ・オルデールの子会社シャトーブランから冷凍した状態で出荷される。親会社は同じでも、レシピはラデュレのマカロンとは違う。フランス人セールスマンのオリビエ・カルティエさんは最近、パリのマクドナルドでピスタチオ風味のマカロンとカプチーノを注文した。「それがトレンドだ」と言うカルティエさんは、大手スーパーやパン屋で買ったマカロンを試したこともあるが、マクドナルドのものは割においしいという。
■カルティエさんは高級マカロンには冷たく、「大きな違いがあるかどうかわからない。それに、フォアグラのような変なフレーバーもある」と語っている。マクドナルドによると、マカロンの売れ行きは良好だ。商品は約1.25ドル(約110円)で、同じサイズの高級品の約半額。狙う層が違うという。同社スポークスマンは「マックカフェの商品は、毎日の小さな休憩のためのものだ」"Our McCafé offer is made for everyday small breaks," と述べた。
■一方、フランスが誇るマカロンの巨匠ピエール・エルメ氏は新たな形でのブーム再燃について、賛成でも反対でもないが、マクドナルド版を試したことはないと語る。オンライン雑誌で食の流行に関する記事を書いているスザンナ・チェンさんは「米国でマカロンが人気なのは、カップケーキの要素がすべて詰まっているから。色やフレーバーはさまざまで、甘いが、1日のカロリー制限に大きく影響することはない」"Macarons are gaining traction in the States because they possess all the attributes of a cupcake: They come in different colors and flavors, and they're indulgent, but they won't wreck your calorie count for the day."と分析した。
■ただ、チェンさんは正しいやり方でないなら、大量生産品は見たくないと説明。12月にスターバックスで売られていた箱入りマカロンには、賞味期限が入っていなかった。ぱさぱさしていたし、ピスタチオ風味のものは、フルート・ループス(毒々しい色をした子供向けドーナツ型シリアル)の味がしたという。スターバックスのスポークスマンは「デリケートすぎて大量生産品としての扱いが難しい」"It's hard to do something mass-produced because they're so delicate," と述べた。シャトーブラン社の商品の販売を再開するかどうかは未定としている。
(3月3日、ウォール・ストリート・ジャーナル、日本語版)

★上の動画ではパリの街で道行く人にラデュレとマクドのマカロンを試食してもらっている。パリの人々にとってはマカロンはアッパークラスのお菓子で、マクドやスタバと結びつかないようだ。中には怪しい舌の人もいるし、マクドのマカロンの方があっさりとしていて美味しいと、恥じずにいう人もいる。
★日本でも女性のあいだのちょっと気の利いた贈り物として定着した感のあるマカロン。ラデュレはとっくに日本にも進出している。ラデュレのマカロンはソフィア・コッポラの映画『マリー・アントワネット』のスイーツの洪水の中にも動員されていた。
★WSJは経済金融系のメディアだが、こういうフランスVSアメリカというテーマもよく扱われている。英語とフランス語を分けるのではなく、こうやって複数の言語が混在した形で学び、ベーシックな言語能力を高めるのがこれからのやり方と言えるだろう。

□LADUREE http://www.laduree.fr/
LADUREE GINZA MITSUKOSHI 
□PIERRE HERME http://www.pierreherme.co.jp/


★commented by cyberbloom

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posted by cyberbloom at 16:00 | パリ | Comment(0) | TrackBack(0) | CAFE+WINE+GOURMET | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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