2010年03月05日

オランダのワークシェアリング 働くことと幸福の関係

最近、就活中の学生と話す機会が多いが、やはり就職状況は厳しいようだ。よりによって何で就活がこんな不況時にあたってしまったのか、何で相変わらず採用が新卒に限定されるのか(つまりチャンスは1回切り)、不条理に感じているようだ。後者に関して言えば、それは終身雇用と年功序列の形骸のようなものだ。その根本がとっくに崩れているというのに。



上の動画はテレビで特集されていたオランダのワークシェアリングである。ワークシェアリングのベースには「同一労働同一賃金」があるが、ILOでは、それを最も重要な原則の一つとしてILO憲章の前文に挙げており、基本的人権のひとつとさえ考えている。

もちろん、オランダと日本では国の置かれた状況が違う。国の規模も違うし、日本は産業立国なのでワークシェアリングが技術力の低下を伴う恐れがあると指摘されたりする。そんなやり方で「責任」が取れるのかという声も上がりそうだ。それでも日本でもすでに3人に1人は非正規雇用になっている。また日本の労働生産性の低さは先進国で最低である。だから国際競争力に勝つためにさらなる流動化を、という議論になったりするが、一方では天下りや渡り、あるいは企業に居座る高齢のお偉いさんに象徴されるように、ほとんど働かずに高額な給料をもらっている人々もいるわけだ。

テレビ番組というものは予定調和に作られているので多少割り引く必要はあるだろうが、オランダではパートタイムの方が人は集中的に働き、それなりに効率が上がっていると言う。経営側にとっては最終的に払う人件費が変わらなければ、むしろ雇用問題への取り組みをアピールするためにワークシェアリングを選択するモチベーションは十分にあるだろう(もちろん年金と保険の負担の問題はある)。むしろワークシェアリングの抵抗勢力は正社員の既得権益を守ろうとする一部の労働組合かもしれない。

オランダのケースはヨーロッパ的な合理性の徹底と言えるだろう。それを政府と企業と国民が協力して実行できたことが驚きですらある。さらにそれが新しい幸福のあり方の発見につながっていることも忘れてはいけない。ヨーロッパにこういう国が存在することを知っておくだけでも無駄ではないだろう。




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posted by cyberbloom at 23:00 | パリ | Comment(0) | TrackBack(0) | グローバリゼーションを考える | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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