2009年11月18日

リマスター発売記念 私の好きなビートルズ U

「私の好きなビートルズ」の第2弾です。今回は不知火検校さんと exquise さんのをカップリング。

exquise 編
ラバー・ソウル80年代のUKロックシーンにどっぷり浸かっていた10代の頃、ビートルズは初期のアイドル時代のイメージと耳に馴染みすぎる名曲の数々が古臭く思えて自分から聴きたいと思うことはなかった(今となれば80年代の方がはるかに安っぽくて古臭く見える)。それが大学生になって、ビートルズ世代の先生からまとめてアルバムを聴かせていただく機会を得て、特に中〜後期の音の斬新さに驚いた。彼らを「発見」した当時はずいぶんと繰り返し聴いたもので、今ではヘビロテとはいかないけれど、定期的に無性に聴きたくなる。

ベストアルバム:RUBBER SOUL
いちばん好きなアルバムはどれか、と言われれば、THE BEATLES (通称WHITE ALBUM)も捨てがたいのだが、やはり RUBBER SOULだろうか。アイドルから本格的ミュージシャンへ脱皮しようと、新しい試みを次々盛り込んだ革新的アルバム、という位置づけもさることながら、かつてドライブ用ソングとして挙げた "Drive My Car"をはじめ、"Norwegian Wood", "Michelle","I'm Looking Through You" などポップでかつ旋律の美しい曲がずらりと揃っていることが、この作品の魅力である。

ベストソング:Lovely Rita 他
ザ・ビートルズそれではいちばん好きな曲は、と聞かれると名曲が山のようにある中から1曲だけ選ぶのは難しすぎるので、せめて3曲にさせてもらえるなら、名曲中の名曲、ももちろんいいのだけれど、今でもよく聴くのは、わりと小品、というか何でもない感じの曲が多い。

Lovely Rita (SGT.PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND)
サイケな香りがするイントロと終盤の「チク・チク」コーラスがとても好きな曲。この「可愛いリタ」とは駐車違反取締りの婦人警官のことである。

Rocky Raccoon (WHITE ALBUM)
アコースティック・ギターの美しい調べと古き時代のアメリカを思わせるようなホンキー・トンク・ピアノの間奏が印象的な曲。「ラクーン(アライグマ)」という言葉の響きとイメージも好きだ。

Mother Nature's Son (WHITE ALBUM)
これもアコースティック・ギターのシンプルな音色が美しい曲。ポール・マッカートニーのヴォーカルが優しく響く。

おまけ:山ほどあるビートルズのカヴァーで気に入っているのは、The Black Keys の "She Said, She Said"である。オリジナルのサイケな雰囲気も好きなのだけれど、このアメリカ出身の2人組によるカヴァーは、さらにブルージーなアレンジがされていて、クールで渋い音になっている。

不知火検校編
ビートルズを初めて聞いたのは1975年です。ポールが解散後に結成したWingsというバンドが全米ツァーを行い、その模様を収録した「USAライヴ」と呼ばれる三枚組のLPレコードが発売された頃です。当時、ポールの人気は最高潮に達していました。考えてみればビートルズが解散してまだ5年しか経っていない頃です。そんなわけで、ビートルズは子どもの頃の思い出と結びついています。当時、8歳だった自分がビートルズを理解できていたのか分かりませんが、とにかく250曲以上の作品をカタカナで歌えるようになりました(笑)。その後、15歳くらいで聴くのをパタリとやめてしまったのですが、街なかで時々流れてくるメロディーには今でも胸を熱くさせられることがあります。

ベストアルバム:BEATLES FOR SALE
Beatles for Sale 芸術的な完成度から言えば、『ラバーソウル』、『サージェント・ペパーズ』、『アビーロード』などが上位に来るものでしょう。これらの素晴らしさはもはやだれもが認めるものです。しかし、For Saleというこのアルバムも渋い出来の作品ではないでしょうか。チャック・ベリーやバディ・ホリーなど、収録曲の半分近くが他人の曲です。しかしこれらは、彼らがメジャーデビュー前にキャヴァーン・クラブで歌っていた曲目で、ビートルズ以前のビートルズを聴くことが出来るアルバムと言えます。キャヴァーン・クラブ時代のライヴ録音ではかなり下手(歌も演奏も)だった彼らが、メジャーデビューを果たした後には往年の名曲を完全に自家薬籠中のものにしている様がこのアルバムでは窺えます。ビートルズが初期から中期へと変貌していく最中に、過去と決別する瞬間を捉えた奇跡的なアルバムのような気がするのです。

ベストソング:Something
本当はA day in the lifeと言いたいところなのですが、既に選ばれてしまっているのでこれを選びました。ジョンとポールの影に隠れて才能を発揮できなかったジョージが、While my guitar gently weepsを経て、ついに自分自身の世界を確立した曲。その壮大な構成は一曲の交響曲にも匹敵するもので、ロック音楽がついにクラシック音楽に勝るとも劣らぬ世界を築くことができることを証明したと言えます。その意味ではYesterdayやLet It Be以上の完成度を持つ曲ではないでしょうか。しかし、この曲によってジョージがジョンやポールと並ぶ才能を開花させた結果、ビートルズはもはやこれまでの体制を維持できなくなり、解散することを余儀なくされたとも言えるのです。





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posted by cyberbloom at 10:15 | パリ ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | Musique pour…のための音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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