2009年11月12日

カナダ、ケベック州東部、ガスぺジー地方

2009年夏のケベック市滞在も残りわずかになった8月14日。最後の小旅行で北へ。VIA鉄道が7月の終わりの3日間のストのお詫びに40%オフで年内有効の切符を発売し、友人の助けで運良く買うことが出来たゆえの夜行列車の旅。ガスぺジーは、大西洋岸のセントローレンス湾に突き出た半島で、1534年フランソワ一世の命を受けた探検家ジャック・カルチエが上陸し、フランスの国旗を立ててこの地の領有を示した歴史的場所である。山と森に被われているが、荒々しい断崖の海岸線の入り江に昔ながらの町や村がある。
 
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VIAのペルセ駅からは車で15分、高速バスのバス停からはペルセ海岸がすぐ目の前。ここは東端にある“ペルセ岩”でカナダでは有名な観光地。高さ88メートル、長さ430メートル余りの巨大な長方形の岩で、一部に穴があいている。朝日、夕日に輝くその姿は崇高で、思わず何枚も写真を撮ってしまう。断崖ギリギリのところに畑や古い建築様式の民家が点在し、白壁に赤や黄、青の屋根や窓枠の家々が美しい。

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夕方、ペルセ岩を望む突堤では、人々が並んで釣り糸を垂れる。擬餌でサバが次々と釣れるが、観光客以外でも持ち帰る人は少なくリリースしている。サバを食べる人は少なく、燻製が売られている程度。聞くと「アジアの食材だから…」との返事だった。沖合ではタラが釣れる。かつてはタラ漁で栄えた場所である。宿のご主人の船で朝5時からタラを釣りに出て、庭で一緒に三枚に下ろした。頭や内臓は食べないらしい。すべてを食べる日本のタラ鍋を自慢した。舌の煮込み料理があると聞いていたが、レストランのメニューでは見つけられなかった。代表的なものはシンプルなタラのムニエル。フランスのノルマンディー風にクリームソースがかかっているものが多い。川しかないケベック市やモントリオールと違って海に面していても、同様にタラ、鮭、鱒、カレイなど、食材とする魚種は少ないようだ。

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オマール(英語:ロブスター)やカニはケベック市やモントリオールでは高い食材だが、付近のキャンプ場のキャンピングカーの人達が買い物しているペルセのコープでは、大きなものがひとつ8.00カナダドルだった。宿のキッチンで、持参のお米を炊き、お味噌汁を作って、オマールにかぶりつく。次の日の夕食は地元の人のお勧めのレストラン「メゾン・ド・ペッシェ」(漁師の家)で。メインは鮭かタラを選べたが、タラのレモンソースのコース(37.00カナダドル)を。最初に出たポタージュには珍しく海藻が入っていた。帰りのVIA鉄道の車内レストランでもタラのバターソテーのコースを食べた(15.00カナダドル)。表面がカリカリでおいしかった。VIAの乗務員の人たち、同席の人たちとの会話が楽しかった。魚の加工工場を訪ねたが、会話を交わしたペルセの町の人々は温かく気さくで、また訪れたい場所。




Sophie

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posted by cyberbloom at 19:14 | パリ 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | フランスの外のフランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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