2009年08月29日

週刊フランス情報 24 - 30 AOUT 前編

★フランスのニュースでも日本の総選挙のことを伝えている。まずは、政権交代もなく半世紀続いた自民党政権の息の根がようやく止まりそうだということ。それは「ベルリンの壁の崩壊」に匹敵することだと。今回の総選挙を「ベルリンの壁の崩壊」になぞらえる表現が多く、つまり日本の時代遅れの官僚的な政治体制はかつての共産主義国家、東ドイツと同じというわけだ。日本の官僚は去勢された宦官 mandarin という言い方もされている。自民党は世襲的な特権階級に堕落し、国民の血税を勝手に山分けしてきた高級官僚たちの下請けと化してきた。全く透明性のない政府のシステムは国民総生産の2倍の借金を抱え、国家を短期間で破綻させようとしている。民主党はヨーロッパ式のモデルを参考にして、官僚の影響力を弱め、公的な借金を減らすことを公約に掲げている。だいたいこのような争点が指摘されている。
関連エントリー「沈みゆく日本(だと?)――いったんマニフェストと距離をおいて選挙を眺めてみる」

『パリ症候群』って知ってる?
■パリに憧れて渡仏した20〜30代の日本人女性が発症することが多い『パリ症候群』。思い描いていた理想の街とは異なる実際のパリを体験し、また異文化に馴染めないことが原因で鬱病に近い状態に陥ることをいう。フランスのメディアでも『パリ症候群』が時々取り上げられることあるが、フランス人はどう受け止めているのだろうか。
■ブログFaust in Parisでは「先日『パリ症候群』についてのルポルタージュで、この症候がパリ在住の日本人だけに発症する病気として扱われており、驚いた」と第一印象を記している。「日本の旅行業者や留学斡旋業者はパリを美しい都の象徴として扱っているようだ。豪華なパンフレットにモノトーンのパリの写真を載せ、洗練された都を演出している。近隣のブリュッセルやロンドンも同様になってきているようだが、パリが一番この演出をされているようだ」と、日本のメディアや業者による美しいパリの演出が過剰気味であることにふれている。
■パリの生活の不便さについては、パリ市民及び地方在住のフランス人にも認識がある。「在住にあたり保険や住宅の手続きが一筋縄ではいかなかったり、愛想の悪いタクシーを利用したり、美しいだけではないパリを実感していくのだろう」とフランス人にとってもこれらが快適でないことを指摘している。また「礼儀正しく、他者に対して敬意を払う日本からの滞在者にだけ『パリ症候群』が発症するのは不思議ではないと思う。このような文化を持つ人々が、自分の考えを理解してもらえないと感じることは、個人の主張が強いパリでは当然と言えるのかもしれない」と綴っている。
Le syndrome de Paris(lundi 24 août 2009)←原文で読みたい方は
★「パリ症候群」は1991年に出た本だが、フランスは未だに遠い国だということなのだろうか。この本には、パリに住み、モードの勉強をすることを夢見てフランスに渡った女性が分裂症的な症状に陥ったケースが紹介されている。著者はその原因を日本の以心伝心型と欧米の議論説得型というコミュニケーションの差異が生んだカルチャーショックだとしている。議論説得型が言葉を論理的に尽くして相手に説明するコミュニケーションであるのに対し、以心伝心型は共同体の内部が透明で「自分が思っているように相手もまた思うだろう」という関係が成立しているので、言葉が要らないコミュニケーションである。
★以心伝心型のまま、それが通用しない異質なコミュニケーション空間に入ると、そのあいだの文化的な差異が全く見えない。彼女は会話能力がおぼつかなかったようだが、単に会話能力の問題だけではない。しかし、彼女はどんな悲惨な目にあってもフランスが自分を裏切らないと信じ、パリの生活にしがみつづけた。こうしてフランス人とのコミュニケーションは挫折するが、それでもフランスへの憧れを失わない「フランス好きのフランス人嫌い」がパリで未だに生産され続けている。その場合のフランスとは他者が不在の、モノや風景としてのフランスなのだ。イメージが先行しがちなフランスはこういうケースが起こりやすい場所なのだろう。

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「スピードの仏」対「技術の日本」巨額資金を動く新幹線ビジネス
■日本が誇る新幹線システムが、海を向こう側で欧州を中心としたライバル諸国と激しい競争を繰り広げている。国土交通省は今月初旬、高速鉄道構想が進む米国やブラジルで、日本の新幹線システムの売り込みを本格化する方針を固めた。米国やブラジルにとっては高速鉄道プロジェクトは初めての経験で、日本から専門知識を持った職員を派遣するほか、現地での調査やPR活動を強化し、日本企業の受注を後押しする。
■日本の鉄道会社や関連メーカーにとっては受注が勝ち取れるかどうかが経営にも大きなかかわってくる。すでに国内市場が飽和状態にあることから、鉄道業界は新幹線システムの輸出に活路を見い出す方針を打ち出しているのだ。すでにJR東日本・東海は、海外鉄道事業の専門組織を発足させるなど、参入に向けた動きを加速させている。
■新幹線システムの輸出事業が魅力的なのは、巨額の資金が動くだけでなく、世界市場で需要が高まっている点にある。高速鉄道は安全でエネルギー効率が高いと評価が高まっており、建設計画は米国やブラジル両国だけではなく、台湾・韓国・ベトナム・インド・中国・ロシアなどでも立ち上がっている。
■ただし実入りの大きい事業だけに、高速鉄道ビジネスを展開しているのは日本だけではない。最大のライバルは欧州勢で、フランスやスペイン、ドイツなど高速鉄道技術を持つ先進各国が受注をめぐってひしめき合う。川崎重工など日本勢はベトナム・台湾では欧州勢に競り勝ったが、韓国ではフランスに敗れた。鉄道先進国を自負するフランスは昨年1月にアルゼンチンでも受注に成功しており、米国やブラジルにおけるプロジェクトでも日本と激しい競争を演じている。
■フランスの超高速列車「TGV」はスピードでは日本の新幹線を上回るが、安全性や技術力では日本が一歩リードしているとされている。国家絡みの壮大なプロジェクトだけに、国交省も受注競争では「得意分野を持つ日本企業が連合を組み、新幹線で培った鉄道システムの安全性をアピールする必要がある」と一丸となって取り組む構えだ。
(8月29日、MONEYzine)
★ベトナムは日本の新幹線を採用することになりそうだ。日本は資金調達まで打診されているため、計画通り進むかは不透明。ハノイとホーチミンの1600キロを6時間で結ぶ計画(今だと30時間かかる)。6時間というと東京−博多間って感じだろうか。ちなみに英語で新幹線のことを bullet train (弾丸列車)という。
関連エントリー「TGV」(TGVが最高時速574キロを記録した際の動画あり。本当に弾丸のよう。TGVのテーマ曲も)




★commented by cyberbloom

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posted by cyberbloom at 22:47 | パリ ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 週刊フランス情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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