2009年08月07日

ロック温故知新−英仏プログレ対決(1) ジェネシスVSアンジュ

こういう記事を書くときはネタが煮詰まったときかなと、このブログをはじめたときに漠然と思っていたが、とうとう切り札を出すべきときが来たようだ。しかし、ネタが煮詰まったというわけではなく、10本くらい同時並行で記事を書いているが、どれもあと一歩のところで仕上がらない。こういう記事ならば、手軽にかける。というわけで、70年代のフランスのロックを発掘してみよう。どれもブリティッシュロックの二番煎じという印象を拭えないが、それなりのオリジナリティーもある。

Guet Apens
Guet Apens
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Ange
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おすすめ度の平均: 5.0
5ドラマチックな楽曲を、
演劇的ボーカル&プレイで楽しめる
5フレンチプログレの傑作

私がこのアルバム GUET-APENS(邦題:「異次元への罠」、原義は「急襲」、ジャケットでは棍棒を持った原始人が酔っ払ったオッサンを待ち構えている)を聴いていたのは中3か高1のときだった。当時キングレコードが「ユーロロック・スーパーコレクション」というアルバム・シリーズを出していて、その中の一枚だった気がする。



バンドの名前はANGE アンジュ。天使という意味。フランシス&クリスチャン・デカン兄弟を中心に70年代に結成され、現在はクリスチャンの息子が加わり、親子でやっているらしい。当初は「フランスのジェネシス」と言われていたが、音よりもボーカルのスタイルによるのだろう。初期のジェネシスはピーター・ガブリエルの演劇的なパフォーマンスで知られているが、アンジュのボーカルはより激しく、ドラマティックである(JE T'AAAIIIME!!!と絶叫している)。こうして20年ぶりに聴いてみるとそれなりにかっこいいではないか。フランス語の歌詞が吹き出しで画面に出てくるので、それを目で追いながら聴くとヒアリングや綴りと発音の勉強にもなるだろう。

一方、イギリスのジェネシス(Genesis)と言えば、ピンク・フロイド、キング・クリムゾン、イエス、エマーソン・レイク&パーマーとともに、プログレッシブ・ロックの5大バンドのひとつ。まずは「プログレッシブ・ロックって何?」って話からはじめなくてはならないが、それは次回以降に譲ることにして、ただひとつ言えるのは曲がやたらと長いことだ。アンジュの曲は5分少々だが、下のジェネシスの Musical Box は10分近くある。若い人たちにとっては曲の長いロックは逆に新鮮ではないだろうか。



ビデオクリップでは若い頃のピーター・ガブリエルやフィル・コリンズの姿が拝める。ピタガブはかつてこんなに神経質そうな雰囲気を醸していたとは。途中で、人間の首でクリケットをしている少女のジャケットが映るが、この曲が入っているアルバムのタイトルは Nursery Rhyme(複数形で「マザー・グース」の別名) をもじった NURSERY CRYME(邦題は「怪奇骨董音楽箱」)。子供の歌をホラーに反転させているわけだ。もっとも、子供の歌や童話はつねにそういうスプラッターな要素を含んでいるのだが。このように、プログレッシブ・ロックは文学とも親和性が高く、アルバムがひとつの文学作品のように統一されたコンセプトで作られることが多い。

Play me, Old King Cole…とピタガブは歌い始めるが、Old King Cole はマザー・グーズでお馴染みの人物である(♪Old King Cole was a merry old soul and a merry old soul was he...♪)。波間を漂うような12弦ギターのアルペジオと浮遊感のあるフルートの組み合わせが幻想の世界へといざなう。桜はとっくに散ってしまったが、春霞の向こうから聞こえてきそうな音だ。後半のドラマティックな展開も聴き逃さぬよう。はやり、軍配はこちらにあがりますな。

Musical Box を気に入っていただいた方には、次作の FOXTROT もオススメ。このアルバムにはLPの片面を使った23分の名曲、Supper's Ready (youtubeの動画はフランスのテレビで1973年に放映されたライブ、10分の短縮バージョン)が収録。

英仏プログレ対決の第2弾は、イエスVSアトール。乞うご期待!

Nursery Cryme
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cyberbloom

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posted by cyberbloom at 23:34 | パリ ☁ | Comment(0) | TrackBack(1) | JAZZ+ROCK+CLASSIC | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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