2009年05月11日

週刊フランス情報 4 - 10 MAI

仏の漫画家・メビウスさん来日、かつて宮崎駿とパリでコラボ展
ユーロマンガ vol.2 (2)■京都精華大学(京都市左京区)と京都国際マンガミュージアム(中京区烏丸通御池上ル)は5月4日から、フランスの漫画家・メビウス(本名=ジャン・ジロー)さんの来日に合わせた講演会や企画展などのプログラム「メビウスの世界」を開催している。メビウスさんは70歳になる現在も現役で活躍を続け、世界中のクリエーターに影響を与えている。日本では、宮崎駿さん、大友克洋さん、谷口ジローさん、松本大洋さんなどのクリエーターが敬意を捧げているという。その活動はマンガにとどまらず、「ブレードランナー」「エイリアン」「トロン」「フィフス・エレメント」などの映画作品ではコンセプチュアルデザインなどを担当した。
■西洋美術史を専門とし、マンガや現代アート、フランス文化にも深い関心を持つ同校の島本浣学長が、フランス語圏を中心とするマンガの形式「バンド・デシネ」のフランス人編集者や原作者と交流を続ける中でメビウスさん招聘(しょうへい)の構想が生まれ、島本学長がフランスを訪れた際に直接メビウスさんに面会し、今回の来日が実現した。同校担当者の石田涼さんは「フランスのマンガ『バンド・デシネ』界を代表する作家であるメビウスさんの作品は、1コマだけを取り上げても1枚の独立した作品として鑑賞できるくらい細密な線描と独自の色彩感覚を有し、これまでの日本の漫画にはない技法を用いている」と話す。
■期間中、京都国際マンガミュージアムでは企画展「彼自身によるメビウス」を開催している。同展では、代表作「Arzach(アルザック)」を含むメビウスさん自ら選んだ複製原画64点を展示。さらに、メビウスさんがイラストレーター・村田蓮爾さんを相手に、作画を交えて「描くこと」について語るトーク・パフォーマンス「メビウス×村田蓮爾 線が語る」(同6日14時〜16時、聴講無料・ミュージアム入場料は別途必要)も開催する。京都精華大学では、メビウスさんに加えアニメーション監督・りんたろうさんやマンガ家・大友克洋さんらが出演する講演会「メビウスが語る、メビウスを語る」(同7日14時40分〜17時40分、聴講無料)を開催する。今回の企画について、「日本の漫画界、アニメーション界を代表する作家たちとメビウスさんが一堂に会して、公の場で話し合うかつてない機会」と石田さん。企画展開催時間は10時〜18時(最終入館は17時30分まで)。入場無料(ミュージアム入場料は別途必要)。水曜休館(6日開館、7日休館)。6月7日まで。
(5月4日、烏丸経済新聞)
★宮崎駿にとってサン=テグジュペリ(「星の王子様」の作者)と同じくらい重要なフランス人が、漫画家メビウスMœbius である。ふたりは相互に影響を与え合い、友人でもある。2004年12月から2005年4月にかけて「宮崎駿とメビウス Miyazaki et Mœbius 」展がパリで開かれ、開会式には揃って出席した。メビウスは自分の娘にナウシカという名前をつけている。
★ところで「ユーロマンガ」というヨーロッパのマンガ紹介をしているマンガ誌も出ているんですね。VOL.2(写真上)でメビウスの作品を紹介しています。
関連エントリー「宮崎駿とサン=テグジュペリ」

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フランスの貧困を描いた「ベルサイユの子」
■フランスのベルサイユ宮殿近くの森に住むホームレスの男と、母親に置き去りにされた幼い子の出会いとふれあいを描いた「ベルサイユの子」が公開されている。長編初監督となるピエール・ショレール監督は、路上生活者や母子家庭などフランス社会の抱える現実を、ギリギリまで省略したせりふで描いている。08年に肺炎のため37歳の若さで亡くなった主演のギョーム・ドパルデューさん演じる社会からドロップアウトした男の姿が、悲しく、美しい。天使のように愛らしい子役の演技も見どころだ。「フランスの現実社会を描いた」とショレール監督は語る。(続きはタイトルをクリック)
(5月10日、毎日新聞)



80年代NY「NO WAVE」ムーブメントに迫るドキュメンタリー公開
■80年代ニューヨークのカルチャームーブメント「NO WAVE(ノーウェイブ)」の実体を追うドキュメンタリー「NO NEW YORK 1984-91」が5月9日より、渋谷「アップリンクX」(渋谷区宇田川町、TEL 03-6825-5502)でレイトショー公開される。NO WAVEは、80年代NYで音楽シーンを中心に楽曲などの「商業化」が進んだことへの反発から、音楽、映画、写真、ファッションなど複数のジャンルを巻き込みながら発生したカルチャームーブメント。70年代に隆盛した「パンク」の精神を引き継ぐ一方で、「新たな表現」を模索。音楽ではバンド「SONIC YOUTH(ソニック・ユース)」の活躍でも知られる。
■同作は、NO WAVEの一環として1984〜1991年に映画界で発生した表現ジャンル「破戒映画」に着目。破戒映画は、社会への不満やハリウッド商業主義への嫌悪を、暴力、ドラッグ、性的倒錯など「悪趣味」な映像で率直に表現し、映画カルチャーのパンク・ムーブメントとも言われる。本編には、SONIC YOUTHのサーストン・ムーアさんや映像作家リチャード・カーンさんらが登場。当時を振り返るインタビューに、当時の記録映像や発表された映像作品を織り込みながら、同ムーブメントの輪郭と内実を明らかにする。メガホンを取ったのは、フランスの女性監督アンジェリーク・ボジオさん。
(5月4日、シブヤ経済新聞)

フランス人は先進国の中で睡眠と食事に最も多くの時間を費やす
■フランス人は、ほかの先進国の人々と比較して睡眠と食事に多くの時間を費やしているとの研究結果を、経済協力開発機構(Organisation for Economic Cooperation and Development、OECD)が4日、発表した。同研究によると、娯楽に最も多くの時間を費やしているのはノルウェー人だという。また、この研究によると、日本人の睡眠時間は、フランス人と比較して1日あたり1時間近く短い。また、日本人は、労働時間と通勤時間を合わせた時間の方が、遊びに費やす時間よりも長いのだという。
■フランス人は、昼食も長い。米国人や英国人、メキシコ人と比較して、2倍近くの時間を昼食に費やしている。平均では、フランス人は毎晩8.8時間の睡眠をとっている。これは米国人やスペイン人よりも長く、また、同報告書のリストの中で最も睡眠時間が短かった韓国の7.8時間と比較して1時間近く長い睡眠時間をとっている。
■また、娯楽面では、ノルウェーが最も費やしている時間が長く、全体の25%ほどに達しているのに対し、リスト中で最も時間の少ないメキシコは全時間の16%にとどまっている。
日本では、テレビを観る時間が全娯楽の半分以上の時間を占めるが、ニュージーランドではテレビ視聴はたった25%だった。また、運動をする時間が調査対象国の中で最も長いのはスペイン人で、娯楽時間のうち13%を運動に費やしていた。
■この報告書は、アジア、欧州、南北アメリカのうち18か国を対象にOECDがまとめた。
(5月5日、AFP)

フォーブス誌「世界最強ブランド価値」、第1位は今年もヴィトン
■2009年5月3日、世界的なリサーチ会社ミルウォード・ブラウンが行った世界100大ブランド価値調査の結果に基づいて、米経済誌フォーブスが発表した「世界最強ブランド価値トップ10」によると、フランスのルイ・ヴィトンが今年も第1位だった。香港紙「文匯報」の報道を中国新聞社が伝えた。今回のランキングでは、ルイ・ヴィトンはブランド価値を昨年より63億4000万ドル(約6258億円)下げて194億ドル(約1兆9151億円)となったもののトップを堅持、続いてエルメスの78億6000万ドル(約7759億円)、第3位はグッチの74億7000万ドル(約7374億円)で、トップ3の順位は昨年と同じだった。4位はシャネル、5位はロレックスで、いずれも昨年より順位を1ランクずつ上げた。
■トップ10の中で順位を最も落としたのは、超高級腕時計などの販売が停滞したカルティエで、4位から7位へと後退した。また、トップ10圏外へ姿を消したのは昨年8位だったジョルジオ・アルマーニで、ブランド価値を約40%、20億2000万ドル(約1994億円)も減少させた。
■業界アナリストは「有名ブランドが金融危機によって受ける影響は大きくない」とし、「特にルイ・ヴィトンとエルメスは、他の有名ブランドが続々と値引き戦略を採用する中で、高級百貨店内の専門店でのみ値引き販売を認めるなど、慎重な市場戦略と厳格なイメージ管理がブランド価値向上や維持の鍵となっている」と分析している。(翻訳・編集/HA)
(5月6日、Record China)




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posted by cyberbloom at 13:51 | パリ ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | 週刊フランス情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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