2009年03月28日

週刊フランス情報 23 - 29 MARS 前編

Rap : les paroles qui choquent
Le texte d'une chanson du rappeur Orelsan décrit en termes crus divers actes de violences physiques dont l'auteur menace une femme.
■あるラッパーの歌詞が問題になっている。その内容は、離婚された男が女性を罵倒し、肉体的な暴力行為を表現している(お前が火で焼かれるのか見たいとか…)。そのビデオクリップがネットで配信され、反響を呼んでいる。こういう表現を放置すると、フランスで特に多いDVがさらに助長されかねないと危惧する団体もある。ニュースで流れているDV防止キャンペーンのCMも衝撃的だ。Je t'aime, un peu, beaucoup, a la folie…と、愛情の表現の度合いが高まるにつれて、顔の傷が深くなっていき、最後に pas du tout (全然愛していない)と言って、死んでしまうというもの。一方で、別のラッパーは歌っている本人の個別的な責任であり、一様に規制をかけるべきではない。表現の自由に関わる問題だからと。
■日本でも「デートDV」のニュースがあったが、男性には加害者意識がない場合も多い。最近、「壊れる男たち−セクハラはなぜ繰り返されるのか」という本も話題になっているが、セクハラに関しても本人に加害者意識のないことが問題になっている。例えば、上司と部下という権力関係を傘に着ているにもかかわらず、本当に愛してくれていると思い込み、訴えられてびっくりするんだそうだ。で、「あんた奥さんいるでしょ」って言われても、それとこれは別と開き直るらしい。

「デートDV」被害絶えず、監視や束縛(産経新聞、3月28日)

''A corps ouvert'', l'expo qui fait polémique
L'exposition très controversée ''A corps ouvert'' se tient en ce moment à Paris. L'occasion de découvrir les secrets de l'anatomie grâce aux vrais corps humains exposés. De quoi en refroidir plus d'un.
■日本でも全国を巡回している「人体の不思議展」の話題。私も数年前子供を連れて見に行こうとしたが、入り口にあった標本があまりにも気持ち悪かったので、教育というよりはトラウマになりそうだったので取りやめた覚えがある。しかし、背後にこういう問題があったとは。
■「人体の不思議展」には15体あまりの死体が解剖され、細かく切り分けられている。これらはプラストミック標本という新技術で作られ、匂いが出ない。また弾力性に富み、直に触れて観察でき、常温で半永久的に保存できる画期的な人体標本のようだ。
■しかし、展示されている死体の由来が問題になっている。死刑反対協会の人は、ちゃんと同意を得て死体が送られてきている証拠、死体の不正取引によるものではない証拠を求めている。囚人だった人たち、死刑になった人たちの死体じゃないのかという疑念があるようだ。
■これらの標本を提供しているのは、死体保存の特別なノウハウを持つ香港の財団で、一体を処理するに3000から5000ユーロ(40万から65万円)かかるという。一種の特殊な商売になっているようだ。中国側から出している証明書もあるし、家族の同意も得ていると確約してもらっている。それ以上何が必要なんだ、と主催者側は主張している。一方で、教育の一環というのなら、こういう問題にきちんと答えるべきだと。考えてみれば、これもチベット問題と同じように、人権をめぐる中国とフランスの軋轢である。
■日本のサイトを見ると、「本展で展示されているすべての人体プラストミック標本は、生前からの意志に基づく献体によって提供されたものです」と書かれている。展示の主旨も「健康の大切さと生命の尊厳の再確認」とある。ふつう、あれを見てそんなこと考えるかな。死体の物質性がリアルに強調されると逆効果になるのでは。

□「人体の不思議展」http://www.jintai.co.jp/exhibition.html

80s志向のエレクトロ集団、日本上陸
The French Machine■ダフト・パンクやジャスティスなどから始まり、KITSUNE、ED BANGER、MODULARといったレーベルによって、現在最高潮に達しているエレクトロ・ムーブメント。そんな中、ナイトライダー、MTV、ロマンティック、ディスコ、ニュー・ウェイブと言ったキーワードが聞こえてきそうな、80s志向が海の向こうで新たなムーブメントになっている。その代表がVALERIE(ヴァレリー)と呼ばれる集団だ。
■VALERIEは2007年にイベントとして発生。ANORAAK、MINITEL ROSE、COLLEGE、THE OUTRUNNERS、MAETHEVLIN、RUSS CHEMESらのアーティストと、アートワーク担当のTHE ZONDERSで構成された80sリヴァイヴァル・カルチャー集団だ。THE ZONDERSの80sレトロフューチャーを突き詰めたアート・ワークがデジタリズムやヴァン・シーらにも採用されるなど注目を集めている。
■そんな中、THISTIME RECORDSからVALERIE作品の連続国内リリースが決定した。まずは3月18日にメイン・アクトに当たるANORAAKのナンバリング付の1,000枚限定2枚組プロモーション・アルバム『Nightdrive With You』がリリース。4月にMINITEL ROSE『The French Machine』、5月にVALERIEのコンピレーション、6月にCOLLEGE『Secret Diary』と発売が予定されている。これからの新しい潮流となるであろう80s、エレクトロ好きは、必ずチェックしよう!
(MySpaceニュース、3月10日)

MINITEL ROSE – ELETATOR




★commented by cyberbloom

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posted by cyberbloom at 22:04 | パリ ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 週刊フランス情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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