2008年12月22日

週刊フランス情報 8 - 14 DECEMBRE 後編

パリのデパートに爆発物5個、威嚇の可能性
■パリ中心部にあるデパート「プランタン」内の男性用トイレなどで16日午前、ダイナマイトとみられる爆発物5個がみつかり、パリ警視庁は店内から客を退去させ、周辺に一時非常線を張った。
■仏内務省の調べによると、爆発物には発火装置はなく、威嚇の可能性が強いとみて調べている。爆発物のわきには、「アフガニスタン革命戦線」と名乗る組織による「仏部隊は来年2月までにアフガンから撤退せよ。さもなければ次は警告なしで爆破する」との主張が書かれた紙が置かれていた。また、AFP通信も同日、同組織から「数個の爆発物を仕掛けた。仏部隊はアフガンから撤退せよ」とする手紙を受け取ったと発表した。
■フランスは今春アフガンへの増派を決め、現在約3000人の部隊を派遣している。プランタンはオペラ座の近くにあるパリの4大デパートの一つで、日本人観光客も多い。爆発物発見当時、周囲はクリスマス前の買い物客でにぎわっていた。
(12月16日、毎日新聞)

「ルイ・ヴィトン」のLVJ、銀座の旗艦店出店計画を撤回
■仏高級ブランド「ルイ・ヴィトン」商品を扱うLVJグループ(東京・港)が東京・銀座で計画していた世界最大級の店舗計画を撤回したことが15日、わかった。高額消費不振が深刻なため。積極出店を続けてきたヴィトンが計画を修正したことで、他の海外高級ブランドも日本戦略の見直しを迫られそうだ。
■銀座の数寄屋橋交差点近くに2010年に完成する「ヒューリック数寄屋橋ビル」(地下4階・地上12階建て)をほぼ1棟を借り受け、パリ店に匹敵する旗艦店を造る構想だった。 (NIKKEI、16日)

三菱重工、原発燃料を仏大手と生産
■三菱重工業は仏原子力大手のアレバと原子力発電所用燃料を共同生産する。アレバが燃料加工会社、三菱原子燃料(茨城県東海村)に約3割出資し、原発燃料関連の技術も供与する。両社は原発開発でも提携している。世界規模で原発建設が急増するなか、機器の開発から燃料供給まで一貫した提携関係を築き、東芝グループや日立製作所―米ゼネラル・エレクトリック(GE)連合に対抗する。
■三菱重工と三菱マテリアルが出資する三菱原子燃料が、アレバに対して第三者割当増資を実施する。また三菱マテが保有株式の一部を譲渡する。アレバの出資比率は株主総会で重要事項への拒否権を持つ33.4%を下回る水準にとどめる。現在は三菱マテが66%、三菱重工が34%出資しているが、アレバの資本参加に併せて、三菱重工が筆頭株主となる。
(12月21日、NIKKET)
★日本で浜岡原発2基(静岡県)が廃炉になったというニュースがあったが、日仏共同の原発の開発は続いている。もうひとつ日仏で開発している技術がある。次世代の超音速旅客機だ。超音速旅客機は03年に運用を終えた英仏共同開発のコンコルドで知られるが、騒音がひどく排出ガスが多いのが難点とされた。石川島播磨重工業と川崎重工業、三菱重工業の3社と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)がすでに旅客機向けのマッハ5.5を出せるエンジンを2003年に開発していたが、そのエンジンを含めた日本の高い技術力を狙ってフランスが共同開発の打診をしてきた。マッハ5.5というレベルは世界最速の戦闘機MIG-25(マッハ3.4)より速いらしい。開発の進捗具合はどうなているのだろう。

GMとクライスラーに134億ドル、米政府が緊急融資
■米政府は19日、米経済全体に大打撃を与えかねない自動車産業の崩壊を回避するため、経営危機に陥っている米自動車大手ゼネラル・モーターズ(General Motors、GM)とクライスラー(Chrysler)に134億ドル(約1兆2000億円)の緊急融資を実施することで合意した。GMとクライスラーは、破たんを回避するため、ただちに緊急融資を利用するとみられている。両社は、融資の見返りとして緊縮経営を実施し、来年3月末までに長期的な再建計画を示すことが求められている。
■緊急融資を発表したジョージ・W・ブッシュ大統領は、「これは普通の状況ではない。危機と景気後退の真っただ中で、自動車産業を崩壊させることは責任のある行動方針ではない」と語った。また、ブッシュ大統領は、「自動車メーカーと労働組合は、どういう状況かを理解し、再建のために厳しい判断を下す必要がある」と語った。緊急融資は、7000億ドル(約62兆円)規模の不良資産救済プログラムから拠出される。
(12月20日、AFP)

NY原油、4年ぶり安値 一時1バレル=35ドル台
■18日の原油先物相場は、石油輸出国機構(OPEC)の記録的な減産の決定も原油価格の下落に歯止めをかけるには不十分との見方から、約4年ぶりの安値となった。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(New York Mercantile Exchange、NYMEX)では、指標となる米国産標準油種の軽質スイート原油(1月渡し)が、一時1バレル=35.98ドルまで下落し、2004年6月30日以来の安値をつけた。終値は前日比3.84ドル安の1バレル=36.22ドルで、04年7月以来の安値となった。
(12月19日、AFP)
★原油価格が147ドルをつけたとき、200ドルまで上がると言われ(ゴールドマンの予測だったはず)、それはないだろうと思った。100ドルを切ったとき、30ドルまで下がると言われ、それもないだろうと思っていたら、先週末WTIは期近で一瞬だが32ドル台をつけた。しかし2月限が42ドル、3月限は45ドル、4月限は47ドル。投資家はそのうち原油は上がると思っている表れである(今日月曜は43ドル台)。

イタリアの「月収1000ユーロ世代」とギリシャの「月収700ユーロ世代」
★金融危機を受けた景気の悪化が顕在化してきた。そのあおりを最も受けているのが若い世代。ヨーロッパでは平均失業率が7〜8%なのに対し、若年層失業率に限ると20%以上に跳ね上がる。さらに若者のワーキング・プアは今や万国共通の問題になっている。イタリアでは高学歴でも不安定な非正規職しか得られず、月収1000ユーロ(約16万円)以下の労働者の割合は25〜40歳で6割を超えるとの調査もある。ぎりぎりの収入で生活をかろうじて支える彼らは「1000ユーロ世代」と呼ばれている。イタリア政府が「若者自立減税」を打ち出したが、「スネかじり」の背景には、親の支援なしでは暮らせない現実がある。
★ギリシャでは17歳の少年が警察に射殺されたことを契機に、連日数千人規模のデモが続き、デモの域を超えた若者の暴動も頻発している。抵抗は警察から権力と既得権益全体に向かっているようだ。メディアは「理由なき暴動」と報道するが、「1日9時間働いて月700ユーロ(約8万5000円)」という「700ユーロ世代」の怒りと将来不安が背景にあると言われている。関連があるかどうか不明だが、スウェーデンでも2夜連続で若者の暴動があったと報じられていた。
★来年にかけて日本経済はさらに悪化していくだろうが、官僚や国家公務員の権益は無傷のままだろう。若い派遣社員が切り捨てられている中で、変わらない給料と退職金をもらう。性懲りもなく増税が目論まれているようだが、派遣社員を助けるような社会福祉=セーフティネットには使われず、上記の人々のやりくりに使われるだけである。とにかく税金の使い道が明らかにされないのが最大の問題。
★「働かない中高年リッチ解雇せよ、正社員保護しすぎ論が台頭」という日本の記事を読んだが、非正規社員のクビ切りが社会問題化している中、正社員の過剰な保護はやめるべきだという意見も出てきている。この記事に出てくる城繁幸氏は若い世代で雇用を流動化しておきながら、上の世代では年功序列が維持されているという不平等を指摘している。高給取りのイメージのあるテレビ局の社員や銀行員でも、若い世代からは別の給料体系になっているのだという。
★「おひとり様」で知られる社会学者の上野千鶴子が対談本「ポスト消費社会のゆくえ」の中で次のように言っていた。「私たち団塊世代は、自分の成長期と日本社会の成長期が歴史的に重なった世代です。それは歴史の偶然にすぎませんが、幸運だったと思います。私たちの世代は、時間が経てば事態は今よりも良くなるだろうという、身体化された根拠なき身体化された根拠なき楽観をもっていました。ところが今の若者は、91年からの長きにわたる不況のもとで、思春期を過ごしてきて、時間が経てば現状よりも悪くなると感じながら大人になってきた世代です。生命体として成長するさなかに、そういう後退の感覚を身体化していきます」…こういう発言は自慢話に聞こえてしまうし、恵まれた世代が若い世代の現状を理解するのは非常に難しいことなのかもしれない。一方で、「身体化」だなんて救いようのないことを他人事のように言ってないで、これから日本の将来を支える人たちのために何とかしてくださいよっていう話でもある。




★commented by cyberbloom

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posted by cyberbloom at 17:45 | パリ ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 週刊フランス情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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