2008年12月16日

Musique Pour l'Hiver 冬のための音楽

クリスマス向けの音楽について私も考えてみたのですが、適当なものを思いつかず、範囲を広げて冬に聴きたい音楽を選んでみました。


Melody A.Mでもご紹介したノルウェー出身の2人組ロイクソップ Röyksopp 。ホコリタケというキノコの名前をユニット名にした彼らの音楽は、寒さと暖かさ、無機的なものと有機的なものといった、相反する要素を同時に感じさせる、不思議なエレクトロ・ポップです。デビュー・アルバム「メロディーA.M. Melody A.M」は言うなれば厳寒の外の風景を眺めながら、暖かい部屋で聴いていたい音楽とでもいいましょうか(この表現前に使ったな・・)。同郷アーティスト、ベル・カント Bel Canto のアンネリ・ドレッカーや、キングス・オブ・コンヴィニエンス Kings of Convenience のアーランド・オイエなどゲスト・ヴォーカルの入った曲が特におすすめです。

ROYKSOPP / REMIND ME


Up All Night次におすすめしたいのは、ガラッと変わってアメリカはコロラド出身のヒップホップ・グループ、ザ・プロカッションズ The Procussions の2004年のアルバム「アップ・オール・ナイト Up All Night」。ラップというと、「ヨー、メーン!」というのをすぐイメージしてしまいますが、このアルバムは、即興的なジャズの生演奏に合わせて語る、というタイプのもので、非常に渋い音です(何と演奏も自分たちでしており、一夜のセッションをそのまま録音したようです)。ジャズの作品としてもじゅうぶん通用しそうな、シンプルでタイトな音もすばらしく、プライベートな夜のパーティーなどで流したら似合うであろう、クールでシックな作品となっています。


North Marine Drive最後にこの時期一人でしみじみしたいときに聴きたくなるのがベン・ワット Ben Watt の1983年作「ノース・マリン・ドライヴ North Marine Drive 」です。彼は夫婦でのユニット、エヴリシング・バット・ザ・ガール Everything But The Girl での活動のほうが有名ですが、ソロ・アーティストとして(おそらく)独身時代に発表したこの作品は、アコースティック・サウンドの名盤です。奥方トレイシー・ソーンの生命力あふれる低音とは対照的な、頼りなげで繊細な彼の声とアコースティック・ギターのみで成り立つシンプルな音は、なぜか寒い季節になると懐かしくなってよく聴いています。冬枯れの景色に似合う物悲しい音なのだけれど、一方で 温かみも感じられるのは、やはりベンの声のもつ優しさゆえなのでしょうか。昔、このアルバムタイトルと同じ名前のファッション・ブランドがあったのだけど、たぶんデザイナーの人が彼のファンだったんだろうな・・

NORTH MARINE DRIVE / BEN WATT



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posted by cyberbloom at 21:09 | パリ 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | Musique pour…のための音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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