2008年12月01日

週刊フランス情報 24 - 30 NOVEMBRE 後編 レヴィ=ストロースが100歳

生きたフランスの知性、レヴィ=ストロース氏が100歳の誕生日
levistrauss01.jpg■構造主義人類学の創始者クロード・レヴィ=ストロースが28日、100回目の誕生日を迎えた。アカデミー・フランスは前日の27日、祝賀声明を発表し、アカデミー・フランス384年の歴史上、生きて100回目の誕生日は迎えた会員は、レヴィ=ストロースが初めてだと明らかにした。哲学から人類学まで、音楽・美術から料理まで、様々な関心を学問に盛り込んだレヴィ=ストロースは、フランス知性史でルソー以来最も博識な学者に挙げられる。原始人の神話的思考も西欧人の科学的思考と同様、論理的な構造を持っていると明らかにし、西欧優越主義に歯止めをかけた人類学者としても有名だ。
■フランス政府は28日、原始芸術博物館「ケ・ブランリ」で、レヴィ=ストロース館の開館式を行ない、誕生100周年記念展示会と学術発表会を行なった。特にケ・ブランリは、レヴィ=ストロースが寄贈したコレクション1478点を展示した。彼が1930年代、ブラジル・サンパウロ大学の招聘教授時代、2度にわたってアマゾンの密林の原始部族を研究した時に直接集めた品物だ。彼は、この時の経験をもとに、文明批判書『悲しき熱帯』を書き、名声を得た。 フランスとドイツ合作テレビのアルテは、27日12時から午前0時までの12時間にわたって、レヴィ=ストロースを回顧する番組を放映した。1960年代以来、レヴィ=ストロースが行ったインタビューの内容を集めて製作した「レヴィ=ストロース自身が説明するレヴィ=ストロース」などを放送した。
■レヴィ=ストロースは93年、『みる・きく・よむ』の発表を最後に、事実上著述活動をやめた。音楽好きで、特にラモーとヴァーグナーの音楽が好きな彼は、パリの自宅でオペラを見て過ごしたという。彼は自叙伝は書かなかったが、知性史の専門家である哲学者ディディエ・エリボンが、彼とのインタビューを通じて、『遠近の回想』という一種の決算書を88年に出版した。同書は、20年後の今年、再出版された。レヴィ=ストロースは今年、ラ・プレイアード叢書 la pléiade に名前を載せた(写真上)。ラ・プレイアード版で自分の主要著作を出すことは、すべてのフランス文人の夢だ。特に、「生きて」この夢をつかむことは珍しい。晩年にアジア文化に関心を持つようになったレヴィ=ストロースは、05年の最後になったインタビューで、仏教への関心を表明した。
★レヴィ=ストロースの追加のニュース:28日、100歳の誕生日を記念してクロード・レヴィ=ストロース賞が制定され、パリのケ・ブランリー美術館では記念碑の除幕式が行われた。除幕式ではペクレス高等教育研究相が「クロード・レヴィ=ストロース賞」の創設を発表。社会人類学の分野で「最高の研究者」に毎年、同賞を授与すると述べた。賞金は10万ユーロ(約1210万円)。仏内での活動が条件だが国籍は問わない。サルコジ大統領は同夜、パリ市内の自宅にレヴィ=ストロース氏を訪ねて祝辞を述べた。
□関連エントリー「ケ・ブランリー美術館
レヴィ=ストロースって誰?

<ルイ・ヴィトン>ほぼ全商品7%値下げ 29日から
Louis Vuitton: The Birth of Modern Luxury■フランスの高級ブランド「ルイ・ヴィトン」は28日、日本で販売する革製バッグや腕時計、靴などほぼ全商品を29日から平均7%値下げすると発表した。円高・ユーロ安を受けた措置で、同社の値下げは04年以来約4年ぶり。景気悪化でブランド品など高額品の販売不振が続く中、大幅な価格見直しで売り上げ増を目指す。
(11月28日、毎日新聞)

<EU>減税など景気対策24.7兆円
■欧州連合(EU)の欧州委員会は26日、域内総生産(GDP)の1.5%にあたる総額2000億ユーロ(約24兆7000億円)の財政出動を柱にした景気対策案を発表した。金融危機に端を発した深刻な景気後退に歯止めをかけるため、各国に協調した対応を求める。日本や米国も巨額の景気刺激策を打ち出しており、日米欧が一斉に世界同時不況回避に動くことになる。09年からの2年間の時限措置で、来月のEU首脳会議で承認を求める。
■総額は当初案の1300億ユーロから引き上げたが、バローゾ委員長は「協調行動が不可欠」と説明した。各国に求める財政刺激策は、GDPの1.2%に当たる1700億ユーロ。またEU予算で144億ユーロを賄うほか、欧州投資銀行(EIB)が貸付枠を156億ユーロ拡大する。公共投資や日本の消費税に当たる付加価値税(VAT)の引き下げのほか、環境・エネルギー分野などの投資減税を示した。企業への低利融資や失業者の就業支援なども求めた。開発の遅れた地域に使う補助金の前倒し使用も明記した。
■欧州委は、財政赤字をGDPの3%以下と義務付けている財政安定協定を事実上棚上げして、景気刺激を優先する。また欧州中央銀行(ECB)に対しては、一層の利下げを求める姿勢をにじませた。欧州委は世界的な保護主義を避けるため、世界貿易機関(WTO)の多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の早期終結も明記した。景気対策をめぐっては、英国、フランス、ドイツ、イタリアなどが2兆〜10兆円規模の刺激策を相次いで公表している。
(11月26日、毎日新聞)

仏国営放送のCM廃止案めぐりストぼっ発、強気サルコジ大統領に反旗
■仏国営放送フランス・テレビジョンの社員たちが24日(月)、ストライキを開始した。テレビとラジオ放送での広告を廃止するという、ニコラ・サルコジ大統領の法案に抗議したもの。今年初めにサルコジ大統領が取りまとめた国営放送の改革案によると、2009年1月から午後8時以降のコマーシャルが禁止される。2011年からはコマーシャルを全廃し、英国営放送のBBCと同じスタイルにするという。広告収入の不足分に関しては、民放局やインターネットプロバイダーからの課税分や政府の予算が充てられる予定。クリスティーヌ・アルバネル文化相によれば、削られた広告収入の補てん分として、すでに4億5000万ユーロ(約551億円)を確保してあるという。
■24日に国民議会が審議を開始したのに合わせて、従業員1万1000人を擁する労働組合はストライキを開始。国営放送5局の従業員の4割余りが職場放棄を行ったため、報道番組や放送スケジュールに影響が出た。国営放送でコマーシャルを廃止することによって、経済的利益にとらわれない質の高い番組作りができるとサルコジ大統領は訴えているが、フランス社会党や労働組合は、別のもくろみがあるとして反対している。国営放送で禁止すれば広告料が民放に流れる形となり、サルコジ大統領はメディア界で強力な権力を握ることになるからだ。法案の投票は12月9日(火)に行われる。
(11月27日、VARIETY)

パリの「ベリブ」京都に導入できる?
velib01.jpg■京都市が自転車政策を市民とともに考える「第6回自転車・京都街角セッション」が25日、中京区のゼスト御池で開かれ、フランス・パリの自転車共有システム「ベリブ」の導入について、研究テーマとして現地を調査した立命館大・政策科学部2年の森広さんと丸山誠吾さんが報告した。
■ベリブは昨年7月、渋滞対策としてパリで導入されたレンタル自転車で、駅や観光地など1500カ所のステーションに自転車2万台を常備する。京都市は自動車に代わる交通手段の一つとして検討中で10月末に門川大作市長が現地を視察した。
■2人は「パリでは人口の1割が利用し、普及しつつある。京都でも自動車の減少や商店街の発展などが期待できる」と報告。「京都では個人が自転車を多く保有し、狭い道が多くステーションの設置が難しいのが課題」とし、空き家やコンビニエンスストアの駐輪場、コインパークの利用を提言、専用レーンなど環境整備の必要も訴えた。
■まちづくりや自転車活用に取り組む民間団体の関係者らがコメントした。「共有システムは自転車が利用者に盗まれるなどの理由で失敗するケースがほとんど。ベリブがクレジット決済を取り入れたことは注目される」「自転車共有が京都人になじむかという問題もある。駐輪場の整備を優先し、部分的に導入したらどうか」などの意見が出された。
(11月25日、京都新聞)
★ガソリン価格の高騰は一服したが、脱石油の世界的な流れは変わらないだろう。マイカー通勤を差し控えて電車を使うよう社員に推奨する企業も出てきている。今後ますます自動車離れが進むのはまちがいない。そこでクルマに代わる移動手段として注目されているのが自転車だ。渋滞知らずで、地球環境に優しく、健康促進にもつながるとなれば、近距離を移動することの多い都会のビジネスマンにはうってつけで、実際、都会での自転車利用が増えているという。フランス・パリでは市民や観光客、そしてビジネスマンを対象にしたレンタサイクル事業「ベリブ(Velib)」が去年の7月15日から始まった。市内各所に設けられたサイクルポートで料金を支払い、自転車を借りるシステムだ。これまでヨーロッパの大都市における主な移動手段といえば自動車か地下鉄だったが、すでにバルセロナ(スペイン)、ジュネーブ(スイス)、ウィーン(オーストリア)などの各都市がレンタサイクル制度を導入している。パリ市当局は年末までにサイクルポートをさらに増やし、レンタサイクルの台数も拡大するという。
★国内でも、ユニークなレンタサイクルの制度が始まっている。バイクオフコーポレーション(福島県いわき市)が2007年9月から運営している「エコチャリ」は、大学キャンパス内の駐輪場や各種商業施設、駅前や公共施設等の駐輪場から引き揚げた放置自転車を再生して、大学生に卒業まで無料でレンタルするサービスだ。
□関連エントリー「自転車でパリはより美しくなる!-La ville est plus belle à vélo!





★commented by cyberbloom

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posted by cyberbloom at 11:16 | パリ ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 週刊フランス情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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