2008年11月20日

「河童が覗いたヨーロッパ」

数年前に「少年H」が大ベストセラーとなった妹尾河童の処女作である.

タイトルが示す通り,著者によるヨーロッパ見聞録.
昭和51年(1976年)の出版ながら,本質的なところは30年を経た今日でも充分に説得力のある内容になっているところはなかなかのもの.
ヨーロッパ各国の窓の大きさや形,さらにそれぞれの国で宿泊したホテルでのビデの有無など,普通の旅人であったならば完全に無視してしまうような生活のディティールに著者はこだわる.
そしてイラストを描き,コメントを付ける.

それをパラパラと眺めていると,自分も旅行をしているような気分になってくるのは,著者の楽しそうな語り口についついのせられてしまうからだろうか.
些細なことを楽しめてしまうということは,才能の一部であることを確信させてくれる1冊.


河童が覗いたヨーロッパ (新潮文庫)
妹尾 河童
新潮社
売り上げランキング: 41942
おすすめ度の平均: 4.5
5 緻密で好奇心だらけの欧州見聞録
5 愛してやまない
4 河童の本にしては下、ヨーロッパ本にしては上
5 ヨーロッパに行かれる方に限らず,お勧め
5 「粛正」生き残る1冊




キャベツ頭の男

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posted by cyberbloom at 23:42 | パリ ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 書評−その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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