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ボージョレ解禁と最近のワイン事情 ★フランスの1人当たりのワイン消費量はここ半世紀のあいだに半減している。さらに1991年のエバン法で、タバコとともにアルコールの広告が禁止された。2002年には飲酒運転の取締りが強化され、その成果によって交通事故が20%減ったと言う。実はフランスではタバコだけでなくアルコールへの圧力も強いのだ。 ★長いあいだフランスは最も良質なワインを生産する国として知られてきた。しかし、カリフォルニア、チリ、アルゼンチン、南アフリカというライバルが現れ、フランスの輸出量は減少している。これらの国々は何千ヘクタールものブドウ畑で、規格化されたワインを作っているが、品質も申し分ない。最新のワイン醸造学を駆使した味わいと工業化が可能にしたコストパフォーマンスは多くのワイン愛好家の支持を得ている。ゆえに普段使いに最適と言えるだろう。一方、フランスワインの売りは繊細さと多様さにあるが、初心者にとってそれが壁になるのかもしれない。 ★地球の温暖化もフランスワインに逆風となっている。例えば近い将来ブルゴーニュはピノ・ノワールを育てるには暑すぎる地域になる。気温が高くなるとブドウは簡単に熟し、アルコール度が高くなる。力強いが、繊細さにかけるワインになる。 ★今週の木曜はボージョレ・ヌーボー Beaujolais Nouveau の解禁日。2006年の数字だが、ボージョレ・ヌーボーの消費量(フランス以外)は日本がダントツの1位。日本1100万本、次がドイツで320万本、アメリカ280万本。新興国はロシア18万2000本、中国2万9000本。去年はユーロ高のせいで日本では例年よりも値段が5%ほど高く、前年から20%減の826万本だった。ボージョレの消費量はまだまだの中国であるが、中国は新しいワイン消費者として注目されている。中国の東海岸には3億人の潜在的なワイン消費者がいると言われているが、日本のワイン・マンガ『神の雫』(写真はフランス語版)がそれを掘り起こすのに一役買っている。 □関連エントリー「フランス版『神の雫』 Les gouttes de dieu」 □「ボジョレー間もなく解禁、2年連続売り上げ減の見通し」(※追加:11月18日、AFP) ★国産食品・飲料の輸出を促進する仏政府機関「フランス食品振興会(Sopexa)」によると、今年の1本あたりの値段は約3000円と、去年の2500円から値上がりしている。現在ユーロ安になっているが、今年の分の注文が行われたのが6月で、まだユーロ高が続いていたため。ユーロ安の恩恵は2009年発売分から反映される。Sopexaは、来年には売り上げが回復すると予想している。
「ドルはもはや基軸通貨ではない」と仏大統領 ■金融サミットの提唱国・フランスのサルコジ大統領は13日、「ドルはもはや基軸通貨ではない」と述べ、アメリカ主導の経済構造からの脱却を主張した。サルコジ大統領は「ドルは第2次世界大戦後、世界で唯一の(基軸)通貨だったが、もはや基軸通貨だとは言えない」と述べ、ドルだけが世界の基軸通貨であるとする考えを改める必要があると主張した。サルコジ大統領は金融サミットでもこの考えを表明するとしていて、「これは勇気ある決断ではなく、良識ある決断になる」と話している。 ■一方のアメリカ・ブッシュ大統領は13日、「この金融危機は自由市場制度の失敗ではない。経済成長、社会正義、人間の尊厳を求めるなら、自由市場制度が正しい道だ」と述べ、「一定の規制は必要」としつつも、アメリカがとってきた経済自由主義路線は正しいと強調した。 (11月13日、時事通信) ★今のアメリカの最大の懸案はGM(ゼネラル・モーターズ)をどう処理するかである。AIGと同じくGMもまた too big to fail な企業。GMは手元資金不足で政府の支援を求めているが、破たんした場合、政府のコストは最大2000億ドル(約19兆4300億円)に達するという。政府はアメリカの瀕死の自動車業界を助けるために救済策を模索しているが、どうみても将来性のない企業である。 ★住宅バブルが崩壊し、それを担保にした過剰消費がもたらしたサブプライム景気は終わってしまったし、アメリカでも脱石油を目指す環境意識の高まってきたことによって、排気量がバカでかく、ガソリンを大量に食う車が売れなくなったことがビックスリーの衰退につながっている。今はハイブリッドカーが主流になりつつあるし、トヨタですら大幅な減益を余儀なくされている状態である。世界がいくら結束しても、サブプライム景気は復活するわけはないし、ビックスリーも簡単に環境対応型に方向転換はできないだろう。
<仏ゴンクール賞>アティク・ライミ氏の「忍耐の石」 ■フランスで最高の文学賞とされるゴンクール賞Prix Goncourt 2008の選考委員会は10日、今年の受賞作をアティク・ライミ氏Atiq Rahimi (46)の「忍耐の石La pierre de patience」に決めたと発表した。ライミ氏はカブール生まれで、80年代に戦火の続くアフガンを逃れフランスに亡命した移民。第1作「大地と灰燼(かいじん)」(00年)を映画化し、自ら監督も務め、04年のカンヌ国際映画祭では「ある視点」部門の賞も受賞している。 ■受賞作は銃弾に倒れ重度障害を負う夫を看護しながら、結婚や宗教からの解放を伝統的な魔法の石に語り掛ける女性を描いており、仏語で書いた最初の小説。ライミ氏は「私はアフガン女性を他の国の女性と区別しているわけではない。どの女性も夢や希望と同時に、強さと弱さを持ち合わせている」と話している。 (11月11日、毎日新聞)
■定年退職前の厳しくも優しいロペス先生のもとで、勉強したり遊んだりする13人の子供たちの姿を追った、心温まるドキュメンタリー映画。Etre et Avoir―タイトルにもなっているこの二つの動詞から見ても、フランス人にとってのフランス語の始まりも、日本人がフランス語を始めるときと全く同じなんだな、と分かります。フランス語をやっている人なら、まるで自分も小学生になったような気分になり、子供たちと一緒に「うぃぃ〜!」「ぼんじゅ〜る、むっしゅ〜」と言ってしまいそう。