2008年10月19日

週刊フランス情報 13 - 19 OCTOBRE

サルコジ仏大統領の金融危機対応「評価」が6割に
■フランスでサルコジ大統領の金融危機への対応を評価する声が6割に上ることが17日付フィガロ紙などの世論調査で分かった。大統領は欧州連合(EU)議長国の元首として欧州を飛び回っており、“有事”の行動力が買われたようだ。もっとも、同じフランス人なら国際通貨基金(IMF)のストロスカーン専務理事の方がうまく対処するとの声も多く、政策面での評価は定まっていない。
■大統領の金融危機への取り組みについて12%が「とても良い」、48%が「良い」と答えた。一方、先に欧州各国が決めた金融安定化策に大統領がどれだけ貢献したかという問いには「中心的」との回答は32%にとどまり、「二次的」「中心的でない」が合わせて67%に達した。輪番制のEU議長国がほかの小国であれば欧州の危機対応が後手に回った可能性があるとの指摘は多い。同大統領は18日には米国でブッシュ大統領と会談する予定で、行動力をアピールし続けるようだ。

【画像】パンダがパリを占拠!? WWFが環境保護へ行動呼びかけ
■世界自然保護基金(WWF)は18日、パリのエッフェル塔前のトロカデロ庭園に、パンダの張り子1600個を並べた。これは現在生息するパンダの頭数と同じで、悪化した自然環境の改善に向け行動するよう人びとに訴えかけた。
(10月18日、AFP)

ギョーム・ドパルデュー、37歳で急逝
■フランスの名優ジェラール・ドパルデューの息子で俳優のギョーム・ドパルデューが10月13日、肺炎による合併症のため、パリ近郊の病院で亡くなった。37歳だった。ドパルデュー家の顧問弁護士によれば、ギョームはルーマニアで映画の撮影中にウィルス感染による肺炎を引き起こし、12日遅くにパリ近郊の病院に運び込まれたという。
■ギョームは1971年4月7日、フランスのパリ生まれ。母エリザベート、妹のジュリー(「ぜんぶ、フィデルのせい」)も女優というフランスの名門芸能一家に育った。91年、父親と共演したアラン・コルノー監督作「めぐり逢う朝」で俳優デビュー。96年には仏セザール賞の「最も将来が期待される若手俳優」に選ばれ、その後99年に鬼才レオス・カラックス監督の「ポーラX」で禁断の愛に溺れて破滅する青年役を熱演、鮮烈な印象を残した。
■その一方で、私生活では数々のトラブルに見舞われた。偉大すぎる父親に公然と反抗し続け、父子の関係はけっして良好なものではなかった。若い頃から薬物や飲酒がらみでたびたび問題を起こしてきたほか、03年には恐喝容疑で有罪判決を受けている。また、95年にはバイク事故で重傷を負い、手術の際の院内感染が原因で長年ひざの痛みと戦ったあげく、03年に右脚の切断を余儀なくされた。
■しかしその後もジャック・リベット監督の「ランジェ公爵夫人」(07)ほか多くの映画に出演、今後予定される作品も多数あっただけに、早すぎる死が惜しまれる。なお、99年に結婚した女優のエリーズ・バントル(06年に離婚)との間に娘が1人いる。
(10月15日、eiga.com)

日本旅行案内「青ガイド」復刊
■フランスの旅行案内書「ギドブルー(青ガイド)」の新装日本版。13年ぶりの復刊。640ページで背表紙にアニメの少女を入れ、「マンガの国」の章も設けるなど若者を意識した作り。28.9ユーロ(約4000円) 
(10月18日、時事通信社)

ひょっこりアラン・ドロン
■日仏交流150周年を祝う駐仏日本大使主催のパーティーが14日夜、パリの大使公邸で開かれた。来賓にはサルコジ大統領やクシュネル外相の姿はなく、大の日本びいきのシラク前大統領はあいにく訪日中。いささか華やかさに欠ける会場の雰囲気を一変させたのが、ひょっこりと現れたフランスの映画俳優アラン・ドロンさんだった。
■飯村豊大使にあいさつを済ませ、出席者の間をゆっくりと歩き始めると、会場に磁場が発生したように出席者の視線を一身に集めた。それまでしっとりと日仏文化談議を楽しんでいた女性陣がいそいそと集まり始め、記念撮影を次から次におねだり。彼は終始にこやかに過ごし、会場を去っていった。
■現在72歳。日本では映画以外にテレビCMにも出演し、「ハンサム」の代名詞的存在だった。8年ぶりの映画出演となったフランスのコミック「アステリック」実写版が今年1月に公開された際、テレビにもしばしば登場していたので健在ぶりは承知していたが…。握手しながらまじまじと眺めたその素顔は、映画「太陽がいっぱい」の陰りのある美男子とはかなり違ったが、やはりハンサムだった。
(10月16日、西日本新聞朝刊)
□関連エントリー「『太陽がいっぱい』とアラン・ドロン」

【動画】<09年春夏パリ・コレクション>マーク、ルイ・ヴィトン新作を語る
■フランス・パリ市内で10月5日、マーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)が手掛ける「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」が09年春夏コレクションを発表した。エディット・ピアフ(Edith Piaf)の歌声にのせて登場したのは、エキゾチックなアフリカンの要素を効かせたモダンなレディスタイル。かっちりとしたショルダージャケットに、フェザーやメタリックのミニスカートを合わせ、帯のようなベルトで仕上げる。グラフィカルな切り替えの80年代風ジャケットやハイウエストのワイドパンツ、気分を盛り上げるエスニックなアクセサリーとシューズ。色は暖かみのあるブロンズ、オレンジ、ブラウン、赤、紫。コレクションに際し、マークが新作について語った。
【10月13日 AFP】

今週の2冊
「フィンランド豊かさのメソッド」堀内都喜子(集英社新書)
フィンランド豊かさのメソッド (集英社新書 (0453)) (集英社新書 (0453))■フィンランドといえば、サウナ、サンタクロース、ムーミン、冬のスポーツ、福祉の国、オーロラ、森と湖、ノキア、IT産業、教育。1990年代の前半の大不況を銀行改革・再生、予算の切り詰めの一方、IT投資、人材投資で乗り切り、成長復活。むしろ今の課題は開発より世界に商品を売り込む力つくり。日本からの視察も大勢訪れる教育は、質の高い教師が授業時間の世界一少ないゆとり式で考える力をつけ、多言語を話せるように仕向ける。海外留学も当たり前。それらは大和魂に類する「シス(不屈の精神)」で支えられている。5年在住、職務経験をもとにその豊かさと学力世界1位、競争力1位の国情を活写。
(週刊東洋経済、8月9日)
「フランスに学ぶ国家ブランド」平林博(朝日新書)
■全駐仏大使でサルコジ大統領とも親交のあった著者が文化国家、観光大国、半数の閣僚が女性のフランスに見習う日本のあるべき姿を提言。人口6000万人強のフランスに毎年それを越える外国人が来る。ファッション、アート、街並み、豊かな田園風景など、文化と美を愛する心が人々をひきつける。同時に英米との関係悪化もいとわず、イラク戦争に反対し、核兵器も保有する。エイズ対策の大義を掲げた「国際連帯税」の提案は「国のかたち」の考え方と外交力を浮き彫りに。世界一の原発の一方で、産油国とは相互依存、さらに食料自給率は100%超を維持。文化国家としての誇りと独立自尊の精神を併せ持つ国に学ぶべきことは極めて多い。
(週刊東洋経済、8月9日)


フランスに学ぶ国家ブランド (朝日新書 111)
平林 博
朝日新聞出版
売り上げランキング: 16940
おすすめ度の平均: 4.5
4 意外な共通点
5 日本をもっと良い国にするために
4 フランスから見たこの国のかたちとは。
4 国家「フランス」の奥の院を描く
5 難解ではなく簡潔で明快。




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posted by cyberbloom at 10:57 | パリ | Comment(0) | TrackBack(1) | 週刊フランス情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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