2008年09月27日

週刊フランス情報 22 - 28 SEPTEMBRE 前編 日仏交流150周年

セーヌ川で「日本の光のメッセージ」 日仏交流150周年記念
■パリ中心部を流れるセーヌ川に突如、円山応挙の傑作「遊虎図」から抜け出してきた虎が登場し、セーヌの水を飲み始めた−。25日夜(日本時間26日未明)、セーヌ川岸でこんな“光の芸術”が繰り広げられた。照明デザイナーの石井幹子さんが総合プロデュースした「ラ・セーヌ日本の光のメッセージ」。日仏交流150周年記念行事の一つだ。
■セーヌ川の岸辺に日仏両国の国旗をはじめ、円山応挙の「遊虎図」など日本文化や芸術作品の映像を遊覧船から映し出すという画期的な試み。27日まで3夜にわたって行われる予定で、パリっ子も突然の日本文化の出現に拍手を送っていた。
(9月26日、産経新聞)
★知らない人も多いだろうが、今年は日仏交流150周年。もちろん、交流の始まりとされるのは、日仏修好通商条約が締結された1858年。パリのアジア系の美術館、Musee Cernuschi セルニュッチ(チェルヌスキ)美術館で今、「浮世絵展」をやっていて、作品は東京の出光美術館から来ている。一方、出光美術館と言えば、ルオーの充実したコレクションで知られているが、それがフランスに里帰りしている。こちらは去年の6月に開館したばかりのピナコテーク・ド・パリPinacotheque de Paris での展示。美術作品の交流も活発だ。
チェルヌスキ美術館
出光美術館
ピナコテーク・ド・パリ

パリで「相国寺・金閣・銀閣名宝展」 プチパレ美術館
■京都市とフランス・パリ市との姉妹都市盟約締結50周年を記念し、10月からパリで開かれる「相国寺・金閣・銀閣名宝展」を前に26日、中京区の市役所で共同記者会見が開かれた。門川大作市長は「本当の京文化、禅の神髄を見てほしい」、臨済宗相国寺派の有馬頼底管長は「パリで禅への関心が高まっているらしい。大変なブームになるのでは」と期待を寄せた。
■同展は両市、相国寺承天閣美術館などの共催で、10月15日から2カ月間、パリ市立プチパレ美術館で開かれる。円山応挙の「牡丹(ぼたん)孔雀図」や伊藤若冲の「釈迦(しゃか)三尊像」など国宝1点、重要文化財6点を含む79作品を海外初公開。座禅や茶道、華道など禅文化の体験も行われる。
(9月26日、京都新聞)

「ベティの小さな秘密」、「千と千尋」から影響を受けた少女の成長物語
elisabeth01.jpg■ゴダールのミューズだったアンヌ・ヴィアゼムスキーの小説を映画化した「ベティの小さな秘密」が9月20日から東京・シネセゾン渋谷ほか全国で順次公開されている。想像力豊かな10歳の少女が、他人を守ることで、不安や孤独、恐怖と向かい合っていく成長物語。「アメリ」(フランスで国民的大ヒットを記録し、主演女優のオドレイ・トトゥを一躍有名にした映画)で知られるギョーム・ローランの脚本を、「デルフィーヌの場合」のジャン=ピエール・アメリス監督が映像化した。寓話(ぐうわ)的で美しい色彩設計の風景の中に、子どもの持つリアルな感情を刻み込んでいる。アメリス監督は「子どもの観客を念頭に置いて撮った」と語った。
■主人公は10歳の少女ベティ。姉は寄宿学校に入り、両親は離婚の危機。友達は、学校帰りに通りがかるおりの中にいる犬のナッツだけ。ベティは1人ぼっちだった。ある日、父親が院長を務める精神病院から、一人の患者が逃げ出した。患者の名はイヴォン。彼と偶然出会ったベティは自宅の小屋にかくまうことにする。ベティは次第にイヴォンと過ごすのが楽しみになっていくのだが。
■アメリス監督は「この映画は、1人の子どもの成長物語」で、宮崎駿監督のアニメ「千と千尋の神隠し」の映像とストーリーからインスピレーションを受けたと明かす。「千尋は怖がりだけど、冒険によってどんどん勇敢な女の子に成長していきます。その二面性が微笑ましくもあり、感動的な映画でした。ベティの性格にもそういった二面性を取り入れました。ビジュアル的には、1人の子どもが大きな風景の中にポツンとたたずんでいるというシーンに触発されました」と話した。
(9月22日、毎日新聞)
★原題は、”Je m'appelle Elisabeth”(私の名前はエリザベス)。「千と千尋」の主人公も10歳という設定だった。阿部芙蓉美が『ベティの小さな秘密』の日本のイメージ・ソングを担当している。でも、あんまりフレンチっぽくない。
「ベティの小さな秘密」公式サイト
「trip -うちへかえろ-」阿部芙蓉美

河瀬直美監督の最新作『七夜待』、長谷川京子主演で11月公開
■カンヌ国際映画祭のグランプリ受賞後、河瀬直美(Naomi Kawase)監督が長谷川京子(Kyoko Hasegawa)を主演に迎え、タイで撮影した最新作『七夜待(ななよまち)』が11月に公開される。河瀬が一貫して作品の舞台としてきた奈良を離れ、初めて自身以外の脚本家を起用し多国籍チームで臨んだ意欲作だ。
■彩子(長谷川京子)、30歳。人生をリセットしようとタイに降り立つが、タクシーで身の危険を感じ森の中へと逃げ込むことに。そこでグレッグというフランス人に出会い、アマリとトイというタイ人の母子が暮らす家へ案内される。
■言葉の通じないもどかしさに苛立つ彩子をアマリは優しく受け止め、タイ古式マッサージを教えながら、心と体の滞りを流していく。濃密な自然に包まれて、見知らぬ人々と過ごす七つの夜。そして出会った美しい僧侶。少しずつ周囲との調和を取り戻した彼女は、新しい自分を見つけ出すのだった。
■日本、タイ、フランスからキャストとスタッフが集まった現場では、脚本さながらに意思疎通の難しい場面もあったという。だが河瀬監督は、その空気感さえも糧にして、フィクションとドキュメンタリーの間を行き来するような秀作を生み出した。感情を爆発させたリアルな表情で、女優としての新境地を開いた長谷川の演技にも注目だ。
(9月24日、AFP)
□11月より、シネマライズ、新宿武蔵野館他にてロードショー

La Technoparade fête ses dix ans
Des dizaines de milliers de personnes ont défilé samedi à Paris à l'occasion du dixième anniversaire de la Technoparade. Tout au long de l'après-midi, l'ambiance était festive. Reportage.
□「テクノパレード10周年」(9月20日、TF1動画ニュース)
★去年はテクトニック(Tecktonik)・ブームに火をつけることになったテクノパレードも今年で10年目。
□関連エントリー「TECKTONIK

凱旋門賞出走馬サムソン、追い切りで軽快な動き
■本番直行は吉と出る。凱旋門賞(仏G1、芝2400メートル、10月5日=ロンシャン)出走のため、フランス遠征中のメイショウサムソン(牡5、栗東・高橋成)が現地時間24日、日本から駆けつけた武豊騎手を背に、シャンティー競馬場で1週前追い切りを行った。順調さを感じさせる動きに、高橋成忠師も手応え十分。狙いすました1本勝負で、上昇気流をつかみ始めた。
■あん上の伝えた好感触が陣営の決断が確かだったことを証明した。メイショウサムソンと久々にコンタクトを取った武豊から、期待の膨らむ言葉が届いた。「すごく元気で動きも良かった。この追い切りでさらに良くなると思います。フォワ賞をパスしたことが結果的に良い方向に向いていると思います」。
(9月25日、日刊スポーツ)




★commented by cyberbloom

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posted by cyberbloom at 15:17 | パリ | Comment(0) | TrackBack(0) | 週刊フランス情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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