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管理人:cyberbloom
★FRENCH BLOOM NET は「フランス」の情報化のプロジェクトです。具体的には、フランス語を学ぶ人やフランスに関心のある人のために、フランス関連情報を記事にして、カテゴリー別に蓄積しています。週末には「週刊フランス情報」と題して1週間のフランス関連ニュースをピックアップしています。この他にもサイトを運営しています。
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RECOMMENDED CD
■ザーズの2枚目のオリジナルアルバム。タイトルの Recto Verso (レクト・ヴェルソ)は一枚の紙の表と裏の意。「マヌーシュ・ジャズ+シャンソン」に重心を置いた相変わらずの音楽性。
■世界中を踊らせるフランスの二人組、ダフト・パンクの新曲。おやおや、ディスコ・ミュージックではありませんか!しかもディスコ風味とか「もどき」ではなくて、直球勝負。なんせナイル・ロジャースを引っ張り出してきたんですから。
■マレーヴァ・ギャランテール。タヒチ生まれ。彼女の名前は「流れ星」を意味するらしい。1998年、ミス・タヒチ。1999年、ミス・フランス。1m78の長身とエキゾチックな美貌で、14歳からモデルとして仕事を始め、テレビのバラエティー番組の司会者なども努める。2006年に発表された彼女のデビュー・アルバム「ukuyéyé」はイエイエのリバイヴァル。フランス・ギャル「娘たちにかまわないで」、ジャクリーヌ・タイエブ「朝の7時」などをカバー。
■スーパーモデルにして女優が、2002年、本アルバムで歌手デビュー。ヨーロッパで100万枚を売り上げるヒットとなった。このアルバムはプロデューサーのお膳立によるものではない。自分で詞を書き、曲を作り、ギターまで弾く。さらにはハスキーで落ち着いた魅惑的な声の持ち主ときている。「ポンヌフの恋人」のカラックス監督のクリップ付。
■思い出したようにCMで使われ、プチブームが来る。最近では「シェリーに口づけ」がホンダのゼストのCMに使われていた。今の学生は「ウォーターボーイズ」を思い出すらしい。このベスト盤は「愛の願い」「愛の休日」「愛のシンフォニー」「渚の思い出」「哀しみの終わるとき」など、ポルナレフの名曲をほぼ網羅。私も買い直そうかな。
■アコースティックなフレンチ・ロック。女性ボーカル、ギター&ベースの構成。フランス語は淡々と囁くように歌うのがいい。90年代の前半によく聴いていたブリティッシュ系のギターバンドの音。系統としては80年代のネオアコにまでさかのぼる。最近はいろいろ試行錯誤してます。
■フレンチボサノバの名盤。かなりジャズも入ってます。ベルギー発。名曲「南の海の魚」のフランス語がとても心地良い。夏が近づくと聴きたくなる。
■ダフト・パンクのベスト・アルバム。今年のサマーソニックで来日していましたね。日本絡みで話題の多いダフト。2nd、Discovery では日本の伝説的なアニメーター、松本零士とコラボレーション。クリップ集は映画化されカンヌで上映。ダフトの2人は松本零士の「宇宙海賊キャプテンハーロック」を見て育ち、「日本は第2の故郷だ」とまで断言する。
■日本でも人気が出てきたフランスのバンド。日本のCMにも曲が使用。ヒップホップとロックのミクスチャーだが、この3rdアルバムはロック色が全面に。初回限定盤は秘蔵ライブ映像付(マーケットプレイスでget!)。メンバーはライブで客にナウシカを歌わせるほどの日本アニメおたく。
■2000年にアルバム「パズル」で衝撃的なデビューを飾ったフランスの男性4人組バンド、タヒチ・エイティの2nd。前作のポップセンスを維持したまま、ストリングス&ホーンを導入。懐かしい感じのするメロディが抜群にいい。英語で歌っています。
■exquiseさんもイチオシ。フレンチ・エレクトロの代表格、AIR(エール)による「ヴァージン・スーサイズ」のサウンド・トラック。レトロさと未来っぽさが同居しているるのがエールの味わい。独特のトリップ感覚に浸れるが、私にはどうしてもピンク・フロイドにしか聞えない。
■コートをまとったポール・ウェラーとミック・タルボット。カッコ良すぎる。二人のファッション、イギリス人が意識したフレンチ・カジュアルなのかもしれないが、パンツはくるぶしの上5センチでカットされており実にイギリス的。録音も当然ロンドン。写真をパリに、アルバム・タイトルをフランス語にしてもイギリス人がパリなんかでロックのレコードを録音できるはずがない。80年代の名盤。ジャケ買いOK。
■DJ CAM−フランスで最高のDJ。オシャレ&クールなジャズ・ヒップホップ。soulshine というだけあって、ソウルフルな女性ボーカルをフィーチャー。洗練されつつ、遊び心もふんだんに盛り込まれた1枚。大推薦!
■Mad Blunted Jazzなんて、タイトルがすでにカッコいい。内容は「Underground Vibes」と同時期のライブ(1995年レンヌ)のカップリング。タイトルの示す通り、地下室の闇を置く深くまで振るわせるようなヴァイブラフォンの響き。DJ CAMはMJQの現代版か。クール&タイトなインスト・ヒップホップ。10年経っても全く色あせず。
■フレンチロリータにしてコギャル系。今はJ・デップの奥さんだが、このアルバムは元カレのL・クラヴィッツのプロデュース。クラヴィッツのポップセンスがキラキラ輝く。BE MY BABYのクリップを改めて見たが、ファッションが著しくイマ風。ギャル系の学生も見入っていた。
■シャルロット・ゲーンズブールの久しぶりの新アルバム。映画とのタイアップではないオリジナルアルバム。バックにフランスの2人組エールが、さらにプロデュースにレディオヘッドも手がけるナイジェル・ゴドリッチ。
■ブランシェなパリを演出するコスト兄弟がプロデュースしたホテル・コスト。このホテルのラウンジ&レストランをイメージしたコンピレーションCD。今や9集目を数えるラウンジ系の人気シリーズだが、これは記念すべき第1弾。ベスト盤もあり。
■フランスで最も有名なラッパーの1st。フレンチラップの金字塔的な作品。音もジャズっぽく、スタイルもクール。MCソラーは移民の置かれた現実の告発よりも、純粋に言葉による表現を志向している。ことわざやクリシェで遊び、シラブルと韻を自在にあやつる。
■セーヌ河のジャズ。青い頃のバルネ・ウィラン。初っぱなの"SWING 39"がいい。口につけるリードがこなれず、青臭く乾いたところ、パーカッションの勢いにまかせて、伸びる伸びるテナーの音粒…
■ペトルチーアーニは繊細な演奏をするフランス生まれのピアニスト。なかでもオープニングチューン"THE PRAYER"と2曲目"OUR TUNE"は、たまに無性に聴きたくなるんよね。
■泣く子も黙る、モダン・ジャズ・カルテット。パリを舞台にしたジャズの名盤のひとつ。ヴァイブラフォンの響きが何ともクール。「Django」と併せて聴きたい。
■フランスといえばダバダバダバ。ダバダバ・スキャットの名盤。Swingle SingersがMJQと華麗なバロック・ジャズをやっている。「G線上のアリア」など。バロックもジャズもフランス発じゃないが、2つが組み合わされるとそれっぽく聞こえるのが不思議。MJQがコンコルド広場で、こちらはヴァンドーム広場。
■「枯葉」「マイ・ウエイ」(=コム・ダビチュード)、「男と女」など、誰もが知っているシャンソンの名曲をボサノバ・アレンジで歌う。ジュリエット・グレコはダメでも、このアレンジだったら今の学生も聴けるみたい。イントロに本場のボサノバのサビを忍びこませている。
■フランスのプログレといえば外せないのがこれ。不思議な響きを放つマグマの歌は、彼らが考案したコバイア語によって歌われている。彼らはコバイア星からやってきたコバイア星人で、このバンドによってコバイア神話を語り継ぐ。これも70年代のサイケカルチャーの産物だが、ここまで変さを徹底できるのはフランスならではか。リーダーのドラマー、クリスチャン・ヴァンデールはコルトレーンの影響下にあると言っているが、プッチーニのオリエンタル・オペラ(「トゥーラン・ドット」とか)にも似ている。
■フランス語圏のベルギーのグループ。室内楽風の構成なのでチェンバー・ロックと呼ばれる。バスーン(ファゴット)のこもった低音や、地の底から響いてくるようなハーモニュームの音が特徴的。夏の肝試しにも使えそうな、呪術的でフリーキーな音作りだが、リーダー、ダニエル・ドゥニのドラムに導かれるアンサンブルも凄い。このLP盤を手に入れるのにどんなに苦労したことか。今やアマゾンで簡単に買える。
■ライ(アルジェリア起源のポピュラー音楽)で注目すべき傾向のひとつは、フランスにおけるライとr'n'b の融合。2004年に Kore & Skalp というコンビが多くのアーチストを集めて製作したRai'n'b Fever 。このコンピレーションは大セールスを記録し、フランス全体のチャートでも2位に。なかでも収録曲のひとつで 113, Magic System, Mohamed LamineによるGaou a Oranはその年の「フランスのクラブで最も頻繁にかけられた曲」となった。
■パトリシア・プティボンは、近年、ヨーロッパ各地の大劇場のオペラ公演に重要な役どころで出演し、高い評価を得ているフランス人ソプラノ歌手。このプティボン、たんに歌や演技がうまいオペラ歌手というのとはわけが違い、チャーミングなキャラを生かした、かなり規格外のパフォーマー。最大の魅力は、天上の聖性と地上の下世話さのあいだを一瞬にして往還する表現の自在さであろう。
■エレーヌ・グリモーはいまや飛ぶ鳥を落とす勢いのピアニスト。エクサン・プロヴァンス生まれのフランス人であるが、ドイツ音楽を好み、ベートーヴェンやブラームスの協奏曲をプログラムに選ぶことが多い。グリモーは幼い頃から周囲と溶け込めず、自閉症に近い性格を持っていた。彼女を変えたのが狼との出会い。20歳からアメリカに移り住んで動物生態学を学び始めた彼女は、狼との交流を通して世界に向かって心を開き始める。と同時に、彼女の音楽家としての魂は目覚しく成長を遂げた。
RECOMMENDED BOOKS
■映画やミュージカルもいいが、レミゼを原文で親しむ入門書にうってつけ!19世紀の挿絵をふんだんに収録し、付属のCDを聞き、ユゴーの専門の第1人者の解説に導かれて原文を味読すれば、『レ・ミゼラブル』の世界がまったく違った相貌でよみがえる。
■なぜジャン・ヴァルジャンは、パリのその街区に身を隠したのか?里親から虐待を受けるコゼットが、夜店で見ていた人形はどこ製か?19世紀の美麗な木版画230葉を106シーンに分け、骨太なストーリーラインと、微に入り細を穿った解説で、“みじめな人々”の物語をあざやかに甦らす。長大な傑作の全貌がこれ一冊でわかる。
■NHKのドキュメンタリー「世界わが心の旅・宮崎駿 ― サン=テグジュペリ紀行 〜南仏からサハラ」で、宮崎駿はサン=テグジュペリが通った郵便航路、トゥールーズ〜ブエノスアイレス間のうち、モロッコのキャップジュビー飛行場までの行程をたどっている。宮崎駿はこの取材旅行にひどく感銘を受け、帰ってからスケッチをかき、それがサン=テグジュペリの『人間の土地』『夜間飛行』(新潮文庫)のカバーに使われている。『人間の土地』には取材旅行のあいだに記した文章「空のいけにえ」があとがきとして収載されている。
■デパートの黎明期を活写したエミール・ゾラの『ボヌール・デ・ダム百貨店』。物語の主軸は、パリのデパート「ボヌール・デ・ダム百貨店」の貧しい女店員である主人公ドゥニーズ・ボーデュと、このデパートの経営者、青年実業家オクターヴ・ムーレとの身分違いの恋愛。しかし読み進めるにしたがって、ドゥニーズのシンデレラ・ストーリーよりも、消費社会の権化とも呼ぶべきデパートの実態に興味がひきつけられる。
■モノが氾濫するなかで育った日本の少女たちは世界の消費文化の中でも特異な存在である。彼女たちは階層的なアイテムだったヴィトンやエルメスを日常的に使いまわす。ブランド世代の母親たちが「上がり」として手に入れたブランドと、その過程で獲得した鑑識眼は彼女たちにとっては出発点に過ぎない。もはや憧れではなく、彼女たちはモノとしての機能性やデザイン、イメージに徹底的にこだわる。そういう新しいコンテクストにエルメスも捉えなおされる。
■ユベール・マンガレリ『おわりの雪』:フランスの「今」を感じる現代小説のひとつ。原文はフランス語文法を一通り終えた人ならじゅうぶん読める平易なことばで書かれている。オリジナルの文章を味わってみるのも楽しい。
■2002年,東京でミュージシャンとして活躍していた著者はパリに移住する.そして,このお洒落の代名詞ともいえるフランスの首都にて予期せぬ事態に次々と遭遇することになる.念願のプジョー・ヴォーグ(ペダルのついたスクーター)に乗ればガス欠となり,ガソリンスタンドを求め街を彷徨う.アパートでは何の予兆なく唐突に天井が落下する.当たり前といえば当たり前だが,花の都での生活は,バラ色ばかりというわけではない.著者の記述が数ある著名人/芸能人のパリ滞在記と異なるのは,そのユーモラスな筆致にある.
■祐天寺りえ『フランスだったら産めると思った』:日本の少子化が問題になっているが、フランスは積極的な政策で少子化に歯止めをかけている。本書はフランスに住むことになった日本人の女性の視点から、フランスの子育て事情について書いている。これからはどんな家族のあり方が望ましいのか、具体的にイメージできる本。
■これまでの「西洋音楽史」と銘打った本の多くは例外なく、各時代の専門家による分担執筆だった。これらは専門家に対して正しい専門的な知識を万遍なく提供するだろう。しかし、様々な関心やつながりからクラシックについて知りたいと思っている普通の人、例えば、「のだめカンタービレ」を読んでクラシックに興味を持った人が、それを理解できるだろうか。理解できる、できない以前の問題として、そういう「使えない」音楽史に意味があるのだろうか。ある種の正しさはあるかもしれないが、ナンセンスな専門知識ではないのか。そういう問いが著者をしてこの本を書かせたようだ。
■本書はコロンブスのアメリカ大陸発見から現在に至るフランスとアメリカの関係を綿密に検証している労作だが、とりわけ第2次世界大戦後の米仏関係を描いた箇所が興味深い。フランスの知識人たちのあいだで「フランス精神はアメリカに占領され、植民地化されつつある」という危機意識が生まれたのは、フランスが経済的に衰退し、外交の舞台でも脇役に追いやられ、自らのアイデンティティーの最後の砦を自国の文化に求めるしかなかったからである。そして、津波のように押し寄せたアメリカの大衆文化をフランスの知識人の理解を超えていた。ブルジョワ的な教養という枠組みしか知らなかった彼らは、それが俗悪なサーカスか、あるいは帝国主義的なプロパガンダにしか見えなかったのである。
■『中村屋のボース』:インド独立運動家にしてアジア主義者、ボースの波乱万丈の生涯。急進的な反英抵抗運動の過程で、日本に逃亡し、そのまま日本に帰化する。潜伏先の相馬家の人々に本場インドのカレーを伝授し、それがレトルト化までされている「中村屋のカリー」に結実する。
2008年07月13日
「ボイコットは過ち、対話が必要」、開会式参加の理解求める ■2008年7月10日、欧州議会に出席したフランスのサルコジ大統領は北京五輪開会式への参加を決めたことについて触れ、五輪ボイコットは過ちだと主張。一方で8月中旬に訪仏予定のダライ・ラマ14世と面会する意向を示した。再び仏中関係が緊張することが予想される。環球時報が伝えた。
■9日、洞爺湖サミットに参加したサルコジ大統領は胡錦濤(フー・ジンタオ)国家主席と会談、北京五輪開会式に参加することを表明した。サルコジ大統領の決定は欧州議会で反発を呼んでいる。欧州議会のダニエル・コーン=ベンディット議員は「フランス製品を売るために開会式に参加するなど、赤っ恥だ」と批判した。サルコジ大統領は「五輪ボイコットという形で中国を侮辱することが人権尊重の最善の道だとは思わない」と反論、直接対話を重ねるべきだと強調した。
■一方で8月中旬にも訪仏予定のダライ・ラマ14世とは会談する意向を示した。孔泉(コン・チュエン)駐仏中国大使は「ダライ・ラマ14世との会談はフランスの対中投資、輸出に影響を与え、最悪の結果をもたらす」と警告しており、開会式参加表明で回復軌道に乗るかと見られた仏中関係が再び緊張する可能性が高まっている。
(7月12日、Record China)
日仏関係が冷却化? サルコジ外交、日本に関心薄 ■フランスのサルコジ大統領が昨年5月の就任以来、主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)に出席するため初訪日するが、どうやらサルコジ外交にとって日本は残念ながら、関心薄といえそうだ。日本政府は当初、サミットと、日仏交流150周年の国賓としての2度の訪日を要請していたが、フランスが7月から欧州連合(EU)の議長国となり多忙を極めるとの理由で断られた。次いで日本側は、サミットにあわせ150周年の国賓としても訪問するよう要請したが、これも日程的に無理という理由で「ノン」。しかも、カーラ夫人の訪日もなしと決まった。
■大統領は「日本嫌い?」の観測が日仏関係者の間に流れて久しい。例の内相時代の「相撲は醜い」「東京より香港」の発言(大統領は否定)が根拠の一つだが、今回の“150周年不在”もこの観測に輪をかける結果となっている。シラク前大統領の相撲好きや親日家ぶりが知られているだけに、サルコジ大統領は反目が伝えられるシラク氏が「好きなものは全部嫌い」(仏記者)とのうがった見方もされているほどだ。
■「日仏関係の冷却化」が確認されそうなのが7月中旬発表の「フランス外交白書」だ。3月に関係者に配布された「白書予測書」には「日本」への言及が1行もなかったからだ。大統領は昨夏、白書作成委員会の共同委員長にジュペ元首相と、自動車大手ルノーのシュバイツァー前最高経営責任者(CEO)を任命したが、両人とも日本とは浅からぬ縁がある。ジュペ氏はシラク前政権時代に日仏対話フォーラムの仏側座長で、シュバイツァー氏は日産との業務提携の立役者だ。それだけに、日本側には「なぜだ」の疑問や不信、危惧(きぐ)の念がわいている。
■白書の関係筋は「われわれの任務は地理・分野別に問題を取り上げたり、特に過熱状態の危機などを個々に取り上げたりすることではない。一般的な指針や優先課題を取り上げることが任務で、個々の外交に関しては大統領、首相、外相に譲る」と述べ、日本への言及がないのは当然だとの見方を示した。白書に「数行掲載される可能性もある」(外交筋)との見方もあるが、フランスの日本への関心が薄いことは明白だ。約100ページ(関係筋)の「白書」は、(1)グローバル化時代の対応(2)グローバル化の一方で、各国家の存在の不滅性と欧州連合(EU)との関連(3)多極化時代−の3点を踏まえ、仏外交の最優先事項「フランスの治安防衛と国民の利益」(関係筋)のために何をしたら良いか、などについて指摘している。大統領は1月の内外記者団との会見でもグローバル化時代を踏まえてG8(主要8カ国)からG13への拡大を主張。中国、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカの参加を要請した。サミットでも拡大問題に言及するとみられるが、日本としては、国連安全保障理事会の常任理事国の中国に国際舞台で水をあけられているだけに、アジアで唯一のG8参加国の立場を堅持したいところだ。
■日本側にはシラク時代を懐かしむ声もあるが、シラク氏にとって、日本はあくまでも「趣味」。対アジア外交の中心は中国だったと思われる。シラク氏の中国訪問の回数は2期目は特に増えていた。EU内でも対中武器禁輸の解除を強硬に主張し、大使会議での外交演説でも「日本」に言及しないことがあった。サミットが誕生したのは日本が経済大国の地位を確保した30年以上も前だ。フランスの「日本軽視」「中国重視」を批判するのは簡単だが、フランスはもとより外国にとって「日本」が経済的、政治的、文化的に魅力ある何かを今、探り出す時期が来ているのではなかろうか。「MANGA」に代表される「クール・ジャパン」とやらに、うつつを抜かしているときではない。
(7月7日、産経新聞)
★産経さんのおっしゃる通り。だんだんと日本が蚊帳の外に追いやられているのがよくわかる。今回、G8議長国でありながら、税金をふんだんに使って、見栄えとか警備(過剰な警備は逆に民主国家として印象が悪い)ばかり気にかけ、肝心な外交的な力は発揮できずじまい。
洞爺湖サミットはKYサミット! ■新興国との足並みも予想通り揃わず。新興国側の言い分のほうが筆者とすれば分かりやすい。「今まで散々温室効果ガスを排出してきたのは先進国。まずは先進国が中期目標を定めないとダメ。新興国側とすれば経済成長を優先させたい」言いたいことが分かりやすいし、G8側への要求も分かる。
■無論新興国だからといって経済最優先で環境のことを考えなくて良いというわけではない。だが先進国が数値目標を出さないで、一緒に2050年まで50%削減しましょうといっても説得力はない。また、サミットの裏側では、アメリカ、フランス、日本は原子力のセールスにご執心のようであった。
■食糧危機が叫ばれているのに、豪華な昼食会・夕食会。各国のトップが集まっているのだから、粗末な食事をしろとは言わないが欧州の新聞にはたたかれ放題であるし、議長国である日本がその点に関して無神経であったことは否定はできない。
■また原油高についても、監視体制を強化することを歓迎という意味不明な文言のみ。サミット前から具体策はないだろうといわれてきたが、いざ現実をつきつけられると悲しいものがある。ブッシュ大統領と石油メジャーとの蜜月ぶりは有名であり、自分で自分の首を絞めるようなことはしないだろうとは予想はしていた。EU勢が一矢を報いてくれるのでは?という淡い期待はもろくも崩れた。
■洞爺湖サミットで分かったことはこのメンバーでは何もできないということだけだ。サミットにかかった費用は設備費、警備費、輸送費など含めると億を下ることはまずない。当然我々が支払った税金が使われている。これを税金の無駄遣いといわずして何を無駄遣いというのだろうか?
■これだけ通信が発達している現代にあって、わざわざテロの危険があるのにも関わらず集まる必要があるのか?とさえ思えてくる。極めつけは町村官房長官の「議長国として責任を果たしたのだから、支持率は上がってもよいのでは?」という超KY発言だ。
(7月11日、ツカサネット新聞)
★週末11日のニューヨークの原油先物相場は大幅続伸。イランの核問題をめぐる緊張の高まりやナイジェリアでの原油供給懸念を背景にあるということだが、WTIの中心限月8月物は一時1バレル=147.27ドルを付け、約1週間ぶりに取引途中の最高値を更新。引け値は145.08ドル。原油価格に対してG8は何の影響力もなかったということですね。
★世界の原油価格の指標になっているのが、今書いたWTI(=ウェスト・テキサス・インターミディエイト)。テキサス州で産出される軽質油だが、世界で一番有力な指標になっている。産出量は世界全体の1-2%に過ぎないが、他の原油とブレンドしたものが、WTIとみなされて、1日1億バレルも先物で取引されている。これは、実際の世界の原油供給量である1日の生産量8000万バレルを超え、価格影響力も大きなものになっている。日本が主に使っている中東の重質油は、ドバイ産が指標になっているが、これもWTIに連動している。
★記事の中で「ブッシュ大統領と石油メジャーとの蜜月ぶりは有名」と書かれているが、ブッシュ大統領の選挙資金のかなりの部分はテキサスの石油業者から提供されている。チェイニー副大統領の前職は、大手石油掘削機メーカーのハリバートンのCEO。ライス国務長官の前職は、石油メジャーのシェブロンの取締役。そしてボールソン財務長官の前職は、原油価格に関してポジショントーク(夏には150ドル、今後2年以内に200ドルまで上がるんだそうだ)を繰り返すゴールトマン・サックスの会長兼CEOだ。政権の顔ぶれそのものが、原油価格は下がりませんよ、と言っているようなものですね。
【動画】
洞爺湖サミット、いとうせいこう氏インタビュー ★洞爺湖の近くにある豊浦キャンプ場を訪れた、いとうせいこう氏のインタビューを動画で。洞爺湖サミットを裏側から語る。
(7月8日、G8 MEDIA NETWORK)
信じられないメチャクチャ逮捕の巻き ★反G8のデモに参加した雨宮処凛のレポート
(7月9日、マガジン9条)
バイオ燃料 食料価格75%押し上げ、米政権試算と大差 ■世界銀行のエコノミストが、食糧を原料にしたバイオ燃料生産によって世界の食糧価格が75%上昇したという報告書を作成していたことが分かった。草案で未公表だが、バイオ燃料の増産目標を掲げ、影響は少ないと主張する米政府の推計をはるかに上回るだけに、波紋を広げている。農業エコノミスト、ドン・ミッチェル氏が、バイオ燃料の影響について2002年1月から今年2月までの食糧価格の上昇幅140%のうち、75%分を占めると試算。穀物在庫低下や投機拡大などと結びついて影響力が増幅したとしている。
■一方、米ブッシュ政権は2、3%と主張、国連の食糧農業機関は最大30%と試算。従来の推計をはるかに上回る結果となった。
■英紙ガーディアンが今月4日、このリポートの中身とともに、ブッシュ政権に配慮して公表が見送られたとの見方を報じた。しかし、世銀はこれを否定。報告書は草案で、4月に世銀が公表した食糧危機とバイオ燃料に関する報告書の参考となった研究結果の一つで、世銀公認の数値でもないと説明している。
■ただし、「世銀内部で唯一の推計」(関係者)で、バイオ燃料は食糧価格に「重大な影響を与えている」とする世銀の見解を決定づけたとみられる。世銀のゼーリック総裁は食糧危機を「人災」と強調、主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)でも、輸出規制と並んで、米政府などが導入するバイオ燃料向け補助金の撤廃を強く求めた。
(7月11日、産経新聞)
「ニートはどうして男だけなの?」 そんな疑問が正しくないワケ ■「ニートはどうして男だけなの?」。そんな疑問でネットが盛り上がっている。確かにテレビ、雑誌などが報じるニートは男性ばかりだ。「男は女を見習うべきだ」といった意見も出ているが、実際は男女半々なのだそうだ。とすると、なぜ、男性ニートばかりがクローズアップされるのか(…続きはタイトルをクリック)
(7月12日、J-CASTニュース)
凱旋門賞決定!サムソン今年こそ行くぞ! ■メイショウサムソン(牡5=高橋成)が仏G1凱旋門賞(10月5日、ロンシャン芝2400メートル)に遠征することが正式に決まった。12日、阪神競馬場で松本好雄オーナーが「調教師と電話で協議した結果、フランスへ行くことを決めた。凱旋門賞は僕にとって生涯の夢。みんなで協力して挑みたい」と表明した。今後は滞在先(仏国か英国)やステップレースについて検討していく。昨年は馬インフルエンザを発症して渡仏を断念しており、2年越しで世界最高峰のレースに挑むことになる。同馬は宝塚記念2着後、栗東トレセンで調整を進めている。
(7月13日、スポーツニッポン)
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排出量取引を考える -削減効果はいかほどに-
Excerpt: 最近、いろいろなところで、環境問題の話を目や耳にします。
特に、その中でも、「CO2」や「地球温暖化」の話をよく耳にします。
そんな中...
Weblog: 1歩ずつお勉強、政治経済
Tracked: 2008-07-13 23:16
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■「レ・ミゼラブル」…数ある同名作品の中でも最高傑作と称される2000年フランス製作超大作TVシリーズ、ついにノーカット完全版(DVD-BOX)で登場。ジャン・ヴァルジャンにジェラール・ドパルデュー、ジャヴェール警部にジョン・マルコヴィッチ、ファンティーヌにシャルロット・ゲンスブールという豪華キャスト。買うべし!
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■パリ、ジュテーム。18人の気鋭の監督たちによる、パリを舞台にした持ち時間5分の「愛」の物語。「愛」は恋愛に限らず、親子の愛であったり、さらには街そのものへの愛であったり、いろいろな「愛」のかたちが描かれる。登場する人々もそこに暮らす人々だけでなく、旅行者、移民、留学生などさまざま。日本からは諏訪敦彦監督が参加。
■未だに根強い「アメリ」人気。もう見た人も、これから見る人も。ジュネ監督は「エイリアン4」を撮っているが、「アメリ」で彼のSFXの技術は現実の異化にいかんなく発揮。美しくもグロい。
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■今日、最も有名なフランス映画と言えばこれ。今やパリ以上に注目されているマルセイユを舞台にしたカーアクション映画。4作目まで出ています。ヒップホップやライを取り入れた音楽にも注目。
■ジャームッシュによる5つの都市を舞台にしたオムニバス作品。笑いを誘いつつも、差別問題がさりげなく扱われいてるパリ編が秀逸。ウィノナのLA編、ベニーニのローマ編、ヘルムートさんに癒されるNY編。トム・ウエイツの音楽も印象的。
■ソフィア・コッポラ監督の「ヴァージン・スーサイズ」。ソフィア・コッポラはアメリカの巨匠フランシス・コッポラの娘で、これは初監督作品にして、衝撃的なgirly映画。サントラを担当しているのは、彼女自ら依頼したというフランスの2人組Air(エール)。
■ベトナム出身のトラン・アン・ユン監督の「夏至」。少年時に家族と共にフランスへ移住し、フランスで映画について学ぶ。濡れれたような深みのあるその色彩は、官能的とも言えるほど。ウォン・カーウァイ監督の「花様年華」を撮影したリー・ピンビンを迎え、さらにその繊細さに磨きをかける。他に「青いパパイヤの香り」「シクロ」。現在、松山ケンイチを起用した村上春樹の「ノルウェイの森」を撮影中。
■「ぼくが街でアントワーヌ・ドワネル(=主人公)風の若者を見つけるたびにいつも思い出すのは『大人は判ってくれない』の中で通りを駆け抜ける、あの飢えたようなアントワーヌの最初の姿である。彼は世界と折り合いを付けることが出来ずに終始スクリーンをうろつき、楽しもうとしてみたはいいが大きすぎる代償を払い続ける。それは全く持って人生そのもののようで、アントワーヌ・ドワネルはやはり生まれたときから人生の本質の中にいたのである」(曾我部恵一)
■定年退職前の厳しくも優しいロペス先生のもとで、勉強したり遊んだりする13人の子供たちの姿を追った、心温まるドキュメンタリー映画。Etre et Avoir―タイトルにもなっているこの二つの動詞から見ても、フランス人にとってのフランス語の始まりも、日本人がフランス語を始めるときと全く同じなんだな、と分かります。フランス語をやっている人なら、まるで自分も小学生になったような気分になり、子供たちと一緒に「うぃぃ〜!」「ぼんじゅ〜る、むっしゅ〜」と言ってしまいそう。
■原題は L’auberge espagnol−訳すと「スペインの宿」。これは今のヨーロッパを象徴するような文化的な混沌状態を指し、そんな中でどんなアイデンティティが可能なのかを問うている。主人公はパリ大の学生だが、ヨーロッパの交換留学システム「エラスムス計画」を使って、バルセロナへ留学し、ヨーロッパ各国から集まった学生たちと共同生活を始める。それぞれの国のタイプが典型的に描かれいているのが面白い。映画の公開後、エラスムスの利用者が倍増したという、留学したくなる映画。ラストシーンも清々しく、続編「ロシアン・ドールズ」へと続く。
■ゴダールとストーンズの奇跡的な出会い。ジャケットのデザインがすでに買いだ。ミック・ジャガーのまさに悪魔的な、シャープなシルエットを見よ。オヤジバンドには用はない。このDVDによって自らとどめを刺されるがよい。「悪魔を哀れむ歌」が完成していく過程がスリリング。
■ヌベル・ヴァーグ期の未だに色褪せないオシャレ映画。犯罪に手を染めるスタイリッシュな若者とジャズの組み合わせ。シーンにカッコよく色を添えると思えば、唐突にシーンを切り裂くジャズのフレーズ。主人公のミシェルは、ジーン・セバーグ扮するヤンキー娘、パトリシアをひたすら口説く。主人公たちが頻繁に口にする当時の流行り言葉、dégueulasse(最低)!がキーワードになっている。
■フランソワ・オゾン監督、「8人の女たち」。ドヌーブ、ベアール、ユペール、アルダン、ルドワイヤン、フランスの大御所女優たちが勢揃い。優雅なミュージカル映画かと思いきやけっこうえげつない毒のある幕切れ。
■「ベルリン・天使の詩」。ロックな映画監督、ヴェンダースならではの映画。そしてエトランゼ(流れ者)の映画。流れ者の天使、ピーター・フォークの演技が渋く、流れのシンガー、ニック・ケイブのライブシーンがカッコよすぎる。タキシード・ムーンを始めとする、サントラもパーフェクト。流れの空中ブランコ乗りのお姉さんがフランス語を話している。
■パララパララ…とアンニュイな感じで聴こえてくるトランペットの音。マイルスのクールなトランペットが映画を先導する(彼は画面を見ながら即興で音楽をつけた)。完全犯罪の計画を立てるが、一つのミスがもとで事態が急変し、会社のエレベーターに閉じ込められてしまう…ルイ・マル監督による上質のサスペンス映画。
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