2008年06月22日

週刊フランス情報 16 - 22 JUIN 後編

フランスの成長率、原油高で08年は減速の見通し
■フランス国立統計経済研究所(INSEE)は20日に発表した四半期報告で、エネルギーや生活必需品の価格上昇、世界経済の減速やユーロ高によって、2008年の仏経済成長が減速するとの見方を示した。 同報告によると、第2・四半期の仏国内総生産(GDP)伸び率は前期比0.2%、第3・四半期には同0%に減速し、第4・四半期に0.2%に回復する見通し。
■また、08年のGDP伸び率は1.6%と予想。これは経済協力開発機構(OECD)が今月初めに示した予想1.8%を下回っている。INSEEは、仏経済を圧迫する主な要因として原油高を挙げた。欧州連合(EU)基準の消費者物価指数(CPI)については、6月が前年比3.9%上昇、08年平均は3.6%上昇になるとしている。
(6月20日、ロイター)
★ヨーロッパは物価高で苦しんでいる。CPIが3.6%だ。友だちは、スーパーで特売品(promotion)しか買わないようにしているが、それでもレジで請求される金額にびっくりすると言っていた。パンも高いので買わないようにしているとか。パリジェンヌもパンを買わないのか。
★うちの近くのスーパー(もちろん日本の話)ではパンの賞味期限が近づくと、-30%、-50%と値引きされるのだが、小麦が高騰してからそのコーナーは盛況である。以前は廃棄されるパンも多かったのだろうから、小麦の有り難味を知る意味でも良いことではある。それでも、小売業界には値上げに対するアレルギーがあり、品質を落として価格を維持するという考えが根強いようだ。豆腐なんてずいぶん水っぽくなりました(私が加入している生協では大豆の量を減らしたと説明があった)。
★今週の日本の株式市場ではフランスからの情報で環境関連が賑わった。まず、三菱自動車が仏プジョーと電気自動車分野で提携合意を受けてリチウムイオン電池関連銘柄が上昇。もうひとつ、フランス政府が、温暖化ガス排出削減政策として2020年末以降に建設する住宅や建物に太陽光発電装置の設置義務付けを発表し(ニュースは↓)、それが太陽電池関連銘柄に波及。原子力発電に大きく依存しているフランスだが、新しい方向をひとつ打ち出した。
★エネルギーを電力会社から一方的に供給してもらうのではなく(依存することは、言いなりになる、コントロールされるということでもあるから)、ある程度エネルギーを自活し、自分でコントロールできるにこしたことはない。太陽光発電も燃料電池も代替エネルギーというだけでなく、エネルギーの自立=自律という観点からも注目されるべきだろう。電力会社は電力供給を独占したいから原発のような大規模な発電施設を作りたいのだろうが、これからの技術次第では個人がエネルギーについて自律的に考え、エネルギーの自立を図るという方向もありえるのだ。
★ついでにこれも日本の話だが、健康保険に「後期支援分」というのが今年から加算されている。「後期高齢者医療制度」をめぐって、世論が紛糾していたが、これは75歳以上だけの話ではなく、「支援金」という名目で「現役世代」も負担することになっているとは知らなかった。またもや政府の「だまし討ち」かと思ったが、実際、負担が増える世帯もあるようだ。
健康保険料アップは後期高齢者だけじゃない(4月27日、all about)
★また「税源委譲によって所得税と住民税の比率が変わるが、全体としては変わらない」と言ってたはずだが、これもよく見ると所得税の控除額より、住民税の控除額が少ないので、住民税の比率が上がったら増税になるではないか。大した金額じゃないと高を括っているのかもしれないが、とにかく何のコンセンサスもアナウンスもなしに、真綿で首を絞めるように既成事実を積み上げていくやり方がせこいのだ。それも庶民にはインフレと一緒にボディーブローのように効いてくるだろう。さらにこの景気後退局面で消費税も上げるわけ?
★「天木直人のブログ」に今の気持ちを代弁してくるタイムリーな記事が載っていた。

■「…スウェーデンにみられる『(生活)標準を保障する国家』。所得税も消費税も社会保障負担率も大きいが、『税を払っていれば生きていける社会』…日本はどうか。どういう社会をつくろうとしているのかが無い『無責任国家』。スウェーデン政府は『強い福祉を打ち出すために財政再建をする』という。日本は福祉を切り捨てて財政再建しようとする・・・しかし(そもそも)財政は人々の生活を守るためにあるのではないか・・・」
■これは21日の毎日新聞「医療クライシス」Dに出ていた神野直彦東大教授(財政学)の言葉である。納得する言葉だ。消費税引き上げ議論の際に、政府や財務官僚から決まって出てくるせりふがある。日本の税率は、あるいは国民の負担率は、欧米諸国のそれにくらべてまだまだ低い、というやつである。
■だまされてはいけない。税負担とは、おさめる税金の額とその見返りに還元される政府のサービスの総合で考えなくてはならない。税金の見返りに国が何をしてくれたのか。スウェーデンのように、税金を払えば、誰でも生きていける社会になっていれば、これほど国民は苦しむことは無いはずだ。税金が政府の財布がわりにとられているから怒るのだ。浪費、横領されているから増税はびた一文払いたくないと思うのだ。
(6月22日、天木直人のブログ)

フランス政府、CO2削減で包括策
■フランス政府は温暖化ガス排出を大幅に削減するための包括対策に乗り出す。2020年末以降に建設する一般住宅を含むすべての建物に太陽光発電など再生可能エネルギーによる発電装置の設置を義務付けるほか、同年をメドに石油、石炭など化石燃料の発電所での使用を事実上ゼロにする。7月の主要国首脳会議(洞爺湖サミット)を前に踏み込んだ対策を打ち出し地球温暖化の国際交渉で主導権を握る考えだ。
■包括案は電気事業者が展開する大規模発電については風力発電など再生可能エネルギーの比率を20年までに全体の20%に引き上げるよう規定。フランスでは現在、原子力発電が発電量の80%近くを占めている。再生可能エネルギーで20%を賄えば20年には事実上、化石燃料による発電がほとんどなくなり、大規模発電による二酸化炭素(CO2)の排出量がほぼゼロに近づく見込みだ。
(6月20日、日経ネット)
★これも環境関連ニュースだが、フランスのニュース(TF1)によると、「牛のおならとげっぷが世界のメタンガスの排出量の18%を占めている」んだそうだ。牛の多いフランスでは大問題。

中国人旅行客、7割減、聖火妨害の意趣返し
■フランスを訪れる中国人観光客が激減し、仏政府が「中国当局の指示によるものだ」として抗議する騒ぎに発展している。パリでの北京五輪の聖火リレー妨害や、パリ市長がチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世に名誉市民の称号を贈ったことの余波とみられ、中国側も暗に指示を認めている。
■仏外務省のアンドレアーニ報道官は「フランスを目的地から外すよう北京の旅行会社に市当局から指示が出ていると聞いている。事実なら憂慮すべき事態で中国当局に再考を求めている」と指摘した。これに対し、中国外務省の秦剛副報道局長は会見で「フランスが(対中関係改善に)役立つことをして多くの中国の観光客を引きつけるよう希望する」と述べ、仏旅行の見合わせ指示を示唆した。
■フランスは中国人にとって欧州で最も人気のある旅行先で、昨年は計70万人が訪問。しかし、仏国内の中国系旅行代理店関係者によると、パリでの聖火リレー妨害があった4月以降、中国人観光客は前年比で7割減という。
(6月22日、毎日新聞)

原爆展:広島・長崎市長、洞爺湖サミットG8など24カ国・機関に見学を要請
■7月の北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議7月7~9日)に合わせて開催される「ヒロシマ・ナガサキ原爆展」について、広島市はサミットに参加する各国首脳に原爆展を見てもらうよう文書で要請した。前回日本が議長国を務めた00年の九州・沖縄サミットでは、原爆展を開催したが各国首脳は訪れなかった。秋葉忠利市長は「原爆展を見て、被爆の実相への理解を深めてもらい、核兵器廃絶の機運が高まることを期待したい」と話している。
■原爆展は、長崎市や札幌市らと共催。G8大学サミット(30日〜7月1日)の開催にも合わせて、札幌市役所のロビーで29日〜7月10日に開かれる。写真ポスター30枚と、原爆投下時刻で止まった腕時計や被爆した弁当箱のレプリカなど33点を展示する予定。
■文書は、G8サミットに参加する主要7カ国と欧州連合、また同時期に開かれるアフリカ開発や気候変動の会合に参加する中国やインドなども含めて計24カ国・機関に出した。主要7カ国は核を保有している米国、英国、フランス、ロシアを含む。文書は広島市長と長崎市長の連名で、来日した際に広島・長崎両市を訪れることも同時に要請している。
(6月18日、毎日新聞)



★commented by cyberbloom

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posted by cyberbloom at 22:46 | パリ ☀ | Comment(2) | TrackBack(0) | 週刊フランス情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めてコメントします!!

以前から、時々訪問させて頂いています。
(読み逃げでしたが・・・)
今日の更新を見てめちゃめちゃ応援したくなりました!!
がんばってください!!!!


Posted by ルカ at 2008年06月23日 23:52
ルカさん、コメントありがとうございます。応援、本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いします。また気軽に書きこんでください!
Posted by cyberbloom at 2008年06月24日 18:43
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