2008年05月20日

週刊フランス情報 13 - 18 MAI 後編

サルコジ大統領就任1年 支持率低迷40%台、内外に課題
■フランスのサルコジ大統領が16日、支持率低迷の中で就任1年を迎える。過去との「決別」を標榜(ひょうぼう)して矢継ぎ早に改革を打ち出し、内外を東奔西走中だが、内政面では経済改革が世界的物価高の影響もあり、遅滞中だ。外交面では米仏関係の改善は見られたものの7月からは欧州連合(EU)議長国として外交手腕の真価が問われることになろう。
■仏週刊誌「パリ・マッチ」の最新号の表紙は、エリゼ宮(大統領府)執務室での大統領夫妻のツーショット。大統領の髪には1年前には見られなかった白髪が目立つ。2度目の離婚に3度目の結婚と私生活も波乱に満ちているが、当選直後に60%を超えた支持率は急激に落下。10日発表の世論調査では42%と多少、盛り返したが一時は30%台に急降下した。歴代大統領の就任1年目の支持率としては異例の低さだ。
■4月末には、派手な私生活などによるイメージ悪化の回復を狙って主要テレビ局と合同会見を行った。しかし、ここでも改革路線の続行と重要性を強調し、世論調査によると「納得した」と答えた人は49%で過半数を割った。
■母体の右派政党、国民運動連合(UMP)は当選1周年に「改革55」の垂れ幕を掲げた。主要改革の「購買力向上」の基盤となる法案は近く国民議会(下院)で審議が開始されるが、統制型価格から自由競争型価格への改革には商店などの反対が根強い。
■15日には教育改革の一環である1万1200人の教員削減に反対し高校生や教員らが、22日には年金改革反対の労組が、それぞれの大規模デモを予定している。
■ユーロ加盟には財政赤字が国内総生産(GDP)の3%以下という条件があるが、フランスの財政赤字はそのレベルに迫っており、欧州委員会からは警告を受けている。7月からはEU議長国になるだけに、早急な改善が必至だ。
■一方、イラク戦争反対で冷却化した米仏関係は最初の夏の休暇を米国で過ごすなど「親米ぶり」をアピール。来年の創立60周年を機に北大西洋条約機構(NATO)軍事機構への復帰を表明するなど修復に向かっている。戦後の仏外交の基本である「良好な仏独関係」も堅持し、この1年間での首脳会談は12回と最多にのぼる。仏英関係も党派を超えて良好だ。
■外交の目玉にしたいのが地中海連合構想。アルジェリア、チュニジア、モロッコなど旧植民地をはじめエジプトなど中東の大国を訪問し、説得に努めているが、実現は未知数だ。
■3月の統一地方選では大統領の不人気も影響してUMPは大敗。ドラノエ・パリ市長をはじめ社会党が大半の大都市を制覇した。ただ、社会党がオランド第1書記の後任選びで難航するなど混乱していることを背景に、最新の世論調査では2012年の次期大統領選での右派候補に大統領を挙げる者が64%。国民の中に、大統領の改革に期待するものが少なくないことを示している。
(5月15日、産経新聞)

下院が遺伝子組み換え作物の解禁法案否決
■フランスの国民議会(下院)は13日、サルコジ大統領の与党・国民運動連合が提案した、遺伝子組み換え作物に関する法案を136対135の1票差で否決した。法案は01年に欧州連合(EU)が遺伝子組み換え作物の導入を解禁した法に、フランスも歩調を合わせることを意図した内容。
■法案は遺伝子組み換え作物の導入を認めると同時に、含有率が0.9%を超える製品はその情報を一般に通知、表示することを義務づけている。野党の大半は「在来作物への保護が不十分」といった理由で反対したが、与党の一部は「通知義務は反対派に譲歩しすぎ」として反対した。
(5月14日、毎日新聞)

四川大地震−政府、核施設「安全」強調
■中国・四川大地震で、震源地、四川省にある核兵器研究施設など核関連施設への影響を懸念する声が国内外に広がっている。国営新華社通信によると、中国政府は18日、各地の核関連施設の被害状況を調査した結果、放射能漏れなどの重大な影響はなく、安全が確認されたことを明らかにした。電力消費量が増加の一途をたどっている中国は、原子力発電への依存を年々高めている。世界原子力協会(WNA)によると、中国国内では2008年4月現在、11基の原子炉が稼働しており、建設中もしくは建設が予定されている原子炉は21基にのぼるという。
■実は、沿岸地域に集中しているこれら発電用の原子炉とは別に、約1万2000人の死者を出した四川省綿陽市には核兵器研究施設があるとされる。16日付の米紙ニューヨーク・タイムズによると、震源地の同省アバ・チベット族チャン族自治州ぶん川県の北東約270キロにある広元市には、プルトニウム製造用の原子炉を備えた「プラント821」と称する核兵器製造施設があるという。18日付の英紙タイムズ(電子版)は、「四川省内に複数の原子炉と2つのプルトニウム製造施設がある」としている。
■ニューヨーク・タイムズ紙は、地震発生後、米国がスパイ衛星を使って放射能漏れの兆候の有無を監視しているとし、「懸念される兆候はない」との米政府当局者のコメントを掲載した。タイムズ紙も、フランスの原子力監視機関関係者の話として、中国の核関連施設が地震で損傷を受けたが、閉鎖措置が取られている老朽化したものだったとしている。
■1000万人以上の被災者が生活する被災地にも、放射能漏れに対する懸念が広がっていた。香港や台湾のメディアが報じた「放射能漏れの可能性がある」とのニュースを、インターネットなどを通じて知った被災者は、政府の対応に疑念を膨らませていたという。
■地震発生後、被災地には立ち入り禁止区域が設けられた。被災者の一部は別の場所に移送された。「これらの措置はすべて、放射能漏れを隠すためのもの」「消毒は感染症防止のためではなく、放射能漏れのため」などの“うわさ”が流れ始めていた。
■これ以上“うわさ”が一人歩きした場合、地震をきっかけに高まっている国民の一体感が崩れかねない。中国政府が18日、核関連施設の安全をアピールした背景には、こういった“うわさ”をきっぱりと否定する狙いも含まれていたとみられる。
(5月19日、産経新聞)
★フランスのテレビでも核施設の問題を指摘していたが、地震+原発はまさに日本の問題でもある。天災はつねに想定外のことが起こるのだ。

小泉今日子カンヌデビュー、『トウキョウソナタ』のフォトコールに登場
■現在開催中の第61回カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)で18日、「ある視点」部門出品作『トウキョウソナタ(Tokyo Sonata)』のフォトコールが開催され、小泉今日子(Kyoko Koizumi)ら出演者が登場した。
(5月20日 、AFP)

【動画】コンペ部門出品作『Le Silence de Lorna』記者会見、ダルデンヌ兄弟語る
■第61回カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)で19日、ベルギー人のジャン・ピエールとリュックのダルデンヌ(Jean-Pierre&Luc Dardenne)兄弟監督作『Le Silence de Lorna(Lorna's Silence)』がコンペティション部門出品作品として上映された。ベルギーの市民権を獲得するために結婚を承諾するアルバニア難民の姿を描いた作品。(記者会見の動画はタイトルをクリック)
(5月20日、AFP)
★難民問題は日本に決してないわけではない。注目されないだけだ。今、密かに話題を呼んでいる作品がある。日本のクルド人難民を扱ったドキュメンタリー「バックドロップ・クルディスタン」だ。タイトルのインパクトもさることながら、まずは予告編を見ていただきたい。公開は7月5日から。
□「バックドロップ・クルディスタン」(予告編あり)




★commented by cyberbloom

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posted by cyberbloom at 20:59| パリ | Comment(0) | TrackBack(0) | 週刊フランス情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする