2008年05月11日

FRANCE 2 がL'arc-en-ciel のパリ公演をレポート(動画)

L'arc~en~ciel concert zenith paris reportage France 2
フランスのテレビ、FRANCE2がラルク・アン・シエルのパリ公演をレポートしていた。貴重な現地情報。内容はこんな感じ(ニュースはフランス語のタイトルをクリック)。

Je suis content de rencontrer les parisiennes.(パリジェンヌたちに会えて嬉しいです)

昨夜、日本からやってきたラルク・アン・シエルというバンドが、ゼニットを一杯にし、それは日本にも中継された。コンサートをひとつたりとも見逃さないように、日本からも何百人もの日本の女の子たちが来ていたようだ。フランスのファンの少女たちは、日本のテレビゲームとマンガで育った世代だ。「ずっと前から見たかったの。夢のようだわ」。彼女たちは歌を全部暗記していて、意味がわからないけれど、みんなで一緒に歌っている。それを日本人の女の子たちが微笑ましく見ている。ヨーロッパで初めてのコンサートにパリを選んだことは偶然ではない。バンドのメンバーたちが知っているフランス語は少ないけれど、彼らはフランスの若者たちの日本文化への夢中な気持ちの目に見える証なのである。

最初の方で、「彼ら(=ラルク)はTOKYO HOTELの名声を夢見ている」と言っている。TOKYO HOTEL はフランスで人気のドイツのパンクバンド(このバンドのおかげでフランスでは学生のドイツ語履修者が増えている)。他の新聞でもそうだったが、フランスで人気がある外国のバンドということと、東京つながりで引き合いに出されているのだろう。こういうふうに日本とフランスの若者が文化を共有することは素晴らしいことだし、かつてありえなかったことだ。これはコミュニケーションを載せる重要な媒体になりえるはずだ。これが日本の若い人たちがフランス語を始める強力なモチベーションになれば嬉しい。

youtubeにはいくつかの動画がアップされている。

hyde のフランス語MC
「私たちはラルク・アン・シエルと言いますが、(フランス語のバンド名にもかかわらず)フランスに来たことがありませんでした」最後何て言ったんだろ?
ライブの様子

□左派系の「リベラシオン」にライブ当日に紹介記事が載った。「日本現象が今夜ゼニットをいっぱいにする」
L’Arc-en-Ciel étend son spectre sur Paris
Pop. Le phénomène japonais fait salle comble ce soir au Zénith.
GILLES RENAULT
QUOTIDIEN : vendredi 9 mai 2008

□ついでにフランスのテレビ、M6で紹介された、パリの日本マニアの少女たちのレポートも。これも面白い。日本語の字幕付き。
フランスのジャパン・マニア1
フランスのジャパン・マニア2

□関連エントリー
新しいゴシック世代
フランスのオタク文化-子供の発見



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2008年05月09日

松井大輔情報 年棒3億円とファイン・ゴールがノミネート

松井来季移籍サンテティエンヌ年俸3億円
■ルマンMF松井大輔が、来季からサンテティエンヌに移籍することが7日、決定的となった。現在、契約の細部を詰めている段階だが、年俸は94万ユーロ(約1億5000万円、推定)で2〜3年の複数年契約を結ぶ見込み。さらに出場給や勝利給のほか、優勝した場合はタイトル獲得料が加算され、それらすべてを合わせると総額188万ユーロ(約3億100万円)に上る、超破格の契約となる。
■これまで欧州リーグで活躍した日本人の年俸は、引退した中田英寿氏がローマ時代に手にした2億4000万円と、06年6月にセルティックと契約を更新したMF中村俊輔の2億円が群を抜いていた。松井は2人に肩を並べる格好だ。04年9月にルマンに移籍した当初は、2部ということもあり日が当たらなかったが、卓越した個人技で昇格に導くと、1部でも実力を存分に発揮。フランス国内でも注目される存在となった。
■今季で契約が切れることを受け、サンテティエンヌのほかリール、シュツットガルトなど各国のクラブから関心を寄せられた。松井は今週に入り、その中から正式オファーのあったサンテティエンヌを選び、他クラブには断りを入れたという。フランスで4季プレーし、言葉を含めた生活習慣に慣れたこと、そしてサンテティエンヌが同国内でも上位を狙える、名門だったことが決め手となった。
■さらなる飛躍へ一歩進んだ松井。今度は6月のW杯アジア3次予選で、日本代表を救うキーマンとなる。
(5月8日、日刊スポーツ)

松井「最も美しいゴール」ノミネート、昨年8月の超絶ヒールボレー!
□まずはそのゴールシーンから。こちらをクリック。
■来季、サンテティエンヌへの移籍が決定的となっているルマンのMF松井大輔が3日、フランスリーグの年間最優秀ゴールにノミネートされた。モナコ戦(2007年8月25日)での右かかとで決めたジャンピングヒールボレー弾で候補者5人の中に入ったもの。3日のロリアン戦(アウェー)では左MFで先発出場。積極的にゴールを狙ったが、0-0で引き分けた。
■松井の右ヒールが「美しさ」で評価された。今季のリーグ戦総ゴール数は36節終了時点で797本。その中で最も美しい5本に選ばれた。ノミネートされたのはモナコ戦前半31分の先制点。右からの低いクロスを正面で待ち、ボールをまたの下から通し、右かかとで蹴ったものだった。
■年間最優秀ゴール賞はUNPF(フランスプロ選手連盟)とテレビ局「CANAL+」が主催する年間表彰の一つ。最も権威ある表彰で、そのほか最優秀選手賞、最優秀監督賞などがある。年間最優秀ゴールは「今年最も美しいゴールを決めた選手」に贈られるもの。視聴者の投票によって選ばれる。最終発表・表彰式は11日に行われる。
(5月5日、スポーツ報知)

□関連エントリー「松井大輔のインタビュー
フランスにいる日本人は旅行者たちだけじゃない!(フランスにきてから)二年以上経ち、まだ流暢に言葉を話すわけではないけれど、松井大輔はすっかりフランスの生活と彼にとって貴重な習慣に溶けこんでいる。前途有望なルマンの攻撃的MFとの風変わりな会見のおかげで、FOOT-INTERVIEWは日本人のことが好きになった。(続きはタイトルをクリック)



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2008年05月07日

カンヌ映画祭(1) FESTIVAL DE CANNES 2008

cannes08.jpg今年もまたカンヌ映画祭の季節になってきました。5月14日からの開催を前に、先月末プレス向けの発表が行われ、審査員や参加作品の全貌が明らかになってきました。ちなみに今年のポスターはデヴィッド・リンチの撮影した写真を使っているそうで、彼の映画作品と同じく怪しげな空気が漂っています。


今回長編作品のコンペティション部門で審査委員長を務めるのはアメリカの男優ショーン・ペンになりました。「ミスティック・リバー」や「アイ・アム・サム」などでの演技が高く評価されている彼は、映画監督としてもすでに数本を制作し、プロデューサーとしての経験も持っており、豊かな視点からの選考が期待されます。とはいうものの、彼の性格からしてまた今回も硬派で堅実な路線の作品が選ばれそうな予感が今からしています。そのほか俳優ではナタリー・ポートマン、フランスのジャンヌ・バリバール、また監督ではアルフォンソ・キュアロンや、昨年「ペルセポリス」で審査員賞を受賞したマルジャン・サトラピなどが名を連ねています。


sean-penn.jpgシネフォンダシオンおよび短編映画部門では、台湾のホウ・シャオシェン、「ある視点」部門ではドイツのファティ・アキン、カメラ・ドール部門ではフランスのブリュノ・デュモンといった監督たちがそれぞれ審査委員長に選ばれました。


さて、今年のコンペ部門参加作品はカンヌ常連組や個性的な監督が多いようです。ラインナップには、ダルデンヌ兄弟、ヌリ・ビルゲ・ジェイラン、スティーヴン・ソダーバーグ、ヴィム・ヴェンダースといった歴代の受賞者、アルノー・デプレシャンやフィリップ・ガレルらフランスの気鋭、アトム・エゴヤンやウォルター・サレスといった実力派、そして発表する作品が世界の映画祭で高く評価されている中国のジャ・ジャンクーの名前などが見られます。


また今回の「大物」はクリント・イーストウッドでしょう。誘拐されて戻った息子が自分の子供ではないと疑う母親を描いた、アンジェリーナ・ジョリー、ジョン・マルコヴィッチも出演するミステリーだそうで、非常にそそられます。さらに個人的には、チャーリー・カウフマンの初監督作品 Synecdoche, New York が気になります。「マルコヴィッチの穴」や「アダプテーション」など奇想天外な物語を送り出してきたこの脚本家がついに監督デビューを果たし、おまけに出演がフィリップ・シーモア・ホフマンだということですから、とても面白そう! カメラ・ドールの有力候補となることでしょう。


オープニング作品にはブラジルのフェルナンド・メイレレス監督の Blindness が選ばれました。ジュリアン・ムーア、マーク・ラファロ、ダニー・グローヴァー、ガエル・ガルシア・ベルナルといった有名どころに加え、日本の木村佳乃や伊勢谷友介も出演しています。この作品はコンペ部門にもノミネートされていますから、今年のコンペは注目作品が目白押しですね。


このほか日本関係の作品はといえば、「ある視点」部門に黒沢清監督の「東京ソナタ」が選ばれています。またこの部門ではポン・ジュノ、レオス・カラックス、そしてミシェル・ゴンドリーの Tokyo! も選ばれていて、文字通りこの3人の監督が東京を舞台にしたオムニバス映画だそうで、日本でも話題を呼びそうです。


次回のエントリーでは開会式の模様や、参加作品自体についてもっと詳しくお伝えできればと思います。




exquise@extra ordinary #2

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2008年05月05日

週刊フランス情報 28 AVRIL - 5 MAI ミシュランで高尾山人気

ミシュラン本3つ星効果、高尾山大ブームで110万人
michelinjapon01.jpg■高尾山(東京都八王子市)登山が今ブームになっている。都心から1時間程度で到着できる「手軽さ」。それに、ミシュランの旅行ガイドで最高ランクの「3つ星」を獲得したことが大きく影響したとみられ、若いカップル、外国人の観光客の姿も目立つようになった。2007年は年間を通じてお客が増えた、という。高尾山の玄関口となる京王電鉄の「高尾山口駅」の2007年度の利用客数が前年度比約12%増の110万人に達した。07年のゴールデンウィークの利用客も9万6000人に達し、06年の8万8000人から大幅に増えている。
■京王電鉄の広報担当者は「ミシュラン効果があったと思っている」といい、ミシュランの旅行ガイドで、富士山と同じ最高ランクの「3つ星」を獲得したことが大きく影響したとみられる。高尾山のケーブルカーや二人乗り観光リフトを運営する高尾登山鉄道でも「07年は年間を通じて利用客が増えた」と話している。08年のゴールデンウィークはいわゆる「飛び石」の休日が多く、例年に比べて連休が少ないが、07年と同程度の客数が見込まれるという。
■ミシュランは07年4月に日本についての旅行ガイド「MICHELIN Voyger Pratique Japon(ミシュラン・ボワヤージュ・プラティック・ジャポン)」を発売した。高尾山は東京都心からのアクセスの良さや自然の豊かさが評価され、富士山や日光、京都と同じ最高の「3つ星」にランクされた。フランス語で書かれた書籍であるにもかかわらず、「ブーム」に火をつける絶大な効果を発揮した。
(5月2日、J-CAST)
□日本のアマゾンでは買えないみたいだが、アマゾン・フランスでは中身が一部見れる。コチラをクリック。
★高尾山は、標高599mの小さな山だが、1300種の植物、5000種の昆虫、130種の野鳥が暮らす「東京の最後の楽園」と言われている。これらの豊かな種類の生物を育んでいるのは高尾山の豊かな水脈である。その高尾山のお腹に大きな穴が開けられようとしている。国交省が進めている圏央道高尾山トンネル工事だ。トンネルを掘ると高尾山の水脈を破壊してしまうのは必至で、すでに1つの沢を枯らせている。その中で、ツリーハウス作りなど自然と人間の共存を考えながら高尾山の自然を守る環境 NGO「虔十の会」(名称は宮沢賢治の作品に由来)が反対運動を続けている。
★ミシュランは高尾山を「大都市付近にこれほど自然豊かな山が存在していることはパリでは信じがたい」と、三ツ星に認定した。地域住民や生態系を無視したトンネル工事はいかにも国交省がやりそうなことだが、これほど外国からの評価も高い貴重な観光資源を破壊するなんて自殺行為(もちろん観光も常に自然破壊と裏腹だが、自然と人間の関係を考える重要な機会でもある)。いつまで国交省は道路建設という名の日本=自然破壊を続けるつもりなのだろう。日本人はミシュランにのせられやすいようだが、ミシュランの評価が何を意味しているかも一緒に考えた方がよい。
□虔十の会 http://takao-kenju.sakura.ne.jp/

長沙など5都市で反仏デモ=カルフール、依然標的−中国
■新華社電によると、中国湖南省長沙、福建省福州、遼寧省瀋陽、北京、重慶の5都市で1日、仏大手スーパー、カルフールを標的としたデモが発生した。メーデー3連休に入る同日は、以前から携帯電話のメールなどでカルフールに対する不買運動が呼び掛けられていた。各地で先月相次いだ北京五輪の聖火リレー妨害などに抗議する反仏デモは、中仏両国の関係修復の動きを受け、沈静化の傾向も見られたが、高ぶる愛国感情を完全に抑え込むのは難しそうだ。長沙では、大学生ら数百人が「チベット独立反対」「頑張れ!五輪」「愛国」などと書かれた横断幕を掲げ、スローガンを叫んだ。店舗入り口で約200人が来店者に不買を促そうとし、警察が入り口を閉鎖したという。
■一方、北京では大学生の多いエリアの店舗で、2人が「カルフールをボイコットせよ」などと叫ぶ騒ぎが発生。2人は警察に連行されたが、別の若者が横断幕を引き継ぐなど抗議を続け、店舗前には数百人が集まった。
(5月1日、時事通信)

愛国とは何か、中国人の冷静な考察
■最近、マイクロソフトのメッセンジャーを使って、愛国心を表現する動きが始まっている。メッセンジャーで自分の名前の後に、「ハート」と「china」を付け足して愛国を表現するというものだ。統計によると、この動きはすでに200万人以上に広がっており、その数は増え続けているという。この愛国表現は、国際的なチベット独立運動とオリンピック妨害行為に対して生まれたものであり、カルフール不買運動に見られるように、愛国心あふれる人々による行動は過熱している感も否めない。カルフール不買運動は波紋を広げているが、外交部の姜瑜報道官は「不買運動は中国人民の意見と感情が反映された行為であり、その発生には当然原因がある。フランスはなぜこのようなことになったのか深く考え、反省するべきである」と発言した。
■しかし、私は中国人民は法に基づいて、合理的な方法をもってフランスに訴えていくべきだと信じている。確かにフランスは反省するべきであるが、中国人民は反省する必要がないというのか。なぜあれほど多くのフランス人がダライ・ラマを支持しているのか、なぜ3000人もの警察官を動員しても五輪聖火を守ることができなかったのか、なぜ西側の高等教育を受けた人々がダライ・ラマを支持するのかを考えるべきではないだろうか。
■オリンピック関連のPRにおいて、またしても中国は西側メディアに対して無知をさらけ出してしまった。最近の西側メディアに見られる態度は、中国に対する積年の怒りが爆発したものであり、新型肺炎SARS隠蔽問題に代表されるように、中国政府は西側メディアの信頼を得ていない。SARS発生当時、政府は北京での発生はないと発表していた。しかし、結局はごまかしきれなくなり、衛生部の部長に責任を転嫁し、首を切ったのだ。また、中国の怒りの矛先はCNNにも向けられている。確かにCNN発言は許容できるものではないが、過去50年間に中国で発生した「反右派」や「文化大革命」などの大事件に関して、中国政府は謝罪や反省の意を表したことは一切ない。時間が経てば忘れるだろうというやり方は、西側からは強盗や暴徒と同様と見られるのである。中国が民主的で自由公正の国になれば、何もしなくても自然と尊敬を集めることができるだろう。理由もなく我々を目の敵とする人などいないのだから。
(中国情報局、5月1日)

「愛国主義の暴走は愚民化教育のツケ」
■北京五輪の聖火リレーを追って、中国人留学生らが世界各地で誇示した「赤い愛国主義」は、これにくみしなかった米デューク大学1年の中国人女子学生、王千源さん(20)に脅迫、嫌がらせという牙をむき出しにした。中国で高校を終えて渡米するわずか1年前まで、江沢民政権時代に始まる「愛国主義教育」をたたき込まれた王さんが、同世代の留学生らを民族意識の暴走に駆り立てる「愚民化教育」の構図について語った。(続きはタイトルをクリック)
(5月4日、産経新聞)
★いかにも産経が出しそうな記事だが、愛国主義と愚民化教育、人の振り見てわが振り直せとはまさにこのこと。こういうのを出す以上は、ちゃんと自己批判もできているのでしょう。

PTSDに苦しむイラク・アフガニスタン帰還兵
■イラクやアフガニスタンから帰還した米兵の大半が、「見えない傷」とも言うべき精神疾患を訴えている。だが、不名誉な烙印を押されることやキャリアに傷が付くことを恐れて、病院には行っていない。こうした調査結果が30日公表された。調査は、米国精神医学会の委託を受けた世論調査会社ハリスインタラクティブが、イラクまたはアフガニスタンからの帰還兵347人とその配偶者を対象に行った。
■それによると、10人中6人が戦場での「不快な経験」によるストレスを今も引きずっていると答えたが、そのうち精神科に行ったと答えた人はわずか10%だった。なぜ精神科に行かないのかとの問いには、60%が「キャリアに響くから」、53%が「周りにバカにされそうな気がするから」と答えた。また、3分の2が「心の病について家族や友人に話したことはない」と回答。「眠れない」「憂うつ」と答えた人は半数、「何をやっても興味がわかない」と答えた人は3分の1にのぼった。「戦争中、心の病への警告サインには気づかなかった」と答えた人は65%で、「気づいていた」の35%を2倍近く上回った。また、配偶者に対する調査では、約3分の2が、パートナーが戦場に行き1人で家庭を切り盛りすることにストレスを感じていたと答えた。
■NGO「RAND」は4月初め、イラクやアフガニスタンから帰還した米兵160万人のうち、約5人に1人がうつ病またはPTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しんでいるとの報告を出している。
(5月2日、AFP)
★巨大な軍隊を抱える社会のリスクがここにある。人を殺す訓練を受け、それが日常化している現場から平穏な社会に復帰したときのギャップは想像を絶する。そういう心の傷は自分で抱え込むしかなく、ときには平穏な社会に対する攻撃性として現れる。彼らを戦場に送った国は何の責任もとってくれない。帰還兵の社会不適応や犯罪はアメリカの深刻な問題になっている。日本で頻繁に起こる米兵の犯罪もそのバリエーションと言える。

18年ぶりの快挙!伊勢谷と木村佳乃の出演作カンヌでオープニングに!
■5月14日から25日まで開催される第61回カンヌ国際映画祭のオープニング作品が、伊勢谷友介と木村佳乃が出演する映画『ブラインドネス』に決定したことが明らかとなった。日本人が監督、またはキャストとして参加する作品がオープニングに選ばれるのは黒澤明監督の映画『』以来、18年ぶりの快挙となった。
■オープニング作品は、毎年世界中から注目を浴びる話題作が並ぶ映画祭の顔とも呼べるセレモニーで、2007年にはノラ・ジョーンズ初主演で話題となった映画『マイ・ブルーベリー・ナイツ』、2006年には世界的大ヒットを記録した映画『ダ・ヴィンチ・コード』などが上映され話題となった。
■『ブラインドネス』は、ノーベル文学賞作家ジョゼ・サラマーゴの小説「白の闇」を映画『シティ・オブ・ゴッド』のフェルナンド・メイレレス監督が豪華キャストで映像化。突然視覚を失う原因不明の奇病がまん延し、秩序が崩壊した世界を舞台にしたスリラー作品だ。
(5月1日、シネマトゥディ)

グルノーブル、昇格に向け一歩前進=フランス2部
■フランス・リーグ2第35節、グルノーブル対アジャクシオ戦が28日に行われ、グルノーブルが0−0の引き分けに甘んじながらも、リーグ1昇格圏内の3位を死守した。伊藤翔が所属し、日本人の会長を持つクラブ、グルノーブルは、46年ぶりの1部昇格に着実に近づきつつある。
(4月29日、スポーツナビ)



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2008年05月03日

週刊フランス情報 28 AVRIL - 5 MAI GW真っ只中 

ゴールデンウィーク真っ只中
★日本はゴールデンウィーク真っ只中だが、フランスはどうなのかというと、日本と同じように5月は最も休みの多い月だ。それは「メーデー」の5月1日から始まる。その日はほとんどのフランス人が休むが、もし雇用主がその日に働かせるとすれば、2倍の給料を払わなければならない!次の休日の5月8日は「1945年の戦勝記念日」。1日と8日は常に同じ曜日になるわけだが、もしそれが火曜になったら、月曜も休みになって連休になる(こういう休日に挟まれた平日を休みにした連休を pont =橋という)。木曜になった場合も同様に、金曜が休みになり、日曜まで4連休になる。今年はこれに該当するではないか!
★メーデーと戦勝記念日は日が固定されているが、5月にはさらに日が動く2つの休日がある。それは「主の昇天の祭日 Ascension 」「五旬節 Pentecôte 」。前者は常に木曜日で、後者は前者の10日後の日曜日と定められている。また「五旬節」翌日の月曜日も休み。
★もし、5月1日が木曜日で、「主の昇天の祭日」が15日になった場合、月曜日1回、木曜日3回、金曜日3回、土曜日5回、日曜日4回が休みになる。31日のうち15日しか働かなくてもよい計算になる。日本ではゴールデンウィーク=黄金週間だが、フランスでは5月を「黄金月間」と呼ぶにふさわしい。

「蟹工船」再脚光!格差嘆き若者共感、増刷で売り上げ5倍
蟹工船・党生活者 (新潮文庫)■プロレタリア文学を代表する小林多喜二(1903~1933)の「蟹工船(かにこうせん)・党生活者」(新潮文庫)が、今年に入って“古典”としては異例の2万7000部を増刷、例年の5倍の勢いで売れている。過酷な労働の現場を描く昭和初期の名作が、「ワーキングプア」が社会問題となる平成の若者を中心に読まれている。「蟹工船」は世界大恐慌のきっかけとなったニューヨーク株式市場の大暴落「暗黒の木曜日」が起きた1929年(昭和4年)に発表された小説。オホーツク海でカニをとり、缶詰に加工する船を舞台に、非人間的な労働を強いられる人々の暗たんたる生活と闘争をリアルに描いている。
■文庫は1953年に初版が刊行され、今年に入って110万部を突破。丸善丸の内本店など大手書店では「現代の『ワーキングプア』にも重なる過酷な労働環境を描いた名作が平成の『格差社会』に大復活!!」などと書かれた店頭広告を立て、平積みしている。
(5月2日、読売新聞)
★「蟹工船」ブームの火付け役はどうやら雨宮処凛らしい。「プレカリアート運動のジャンヌ・ダルク」と呼ばれる現在最も注目を集める人物のひとりだ。「マガジン9条」の連載で「プレカリアートとプロレタリア文学」という記事を書いている。「蟹工船」の時代と今の若者の置かれた現状がリアルに結び付けられている。最近、小説的な言葉の力がなくなっているように見えるが(少なくともスノッブな文学的身振りは全く力がなくなった)、こういう現実において強力な共感の媒体となりうることを再認識させられる。
□「プレカリアートとプロレタリア文学」(雨宮処凛)

若者の海外旅行離れ「深刻」、「お金ないから」に「休み取れない」
■海外旅行に出かける若者の数が激減している。海外旅行が昔ほど特別でなくなっていることのほかに、「お金がない」「休みが取れない」といった事情もある。危機感を抱いた旅行業界では、日本旅行業協会が海外旅行のキャンペーンに乗り出しているが、「若者の経済事情からすれば、そもそも旅行業界で
何とかできる問題なのか」といった声もある。
■法務省の出入国管理統計によると、2007年の海外旅行者(出国者数)は前年比1.4%減の1730万人。03年以来、4年ぶりに減少に転じた。しかし、旅行業界でもっと深刻に受け止めているのが若者の「海外旅行離れ」。同統計によると、20〜29歳の海外旅行者数は1996年の463万人から、2006年には298万人にまで減少。10年間で35%近い「激減」で、若者の「海外離れ」が深刻になっているのである。しかし、1996年を境に20代若者の海外旅行者が減少し続けているのは事実で、「正規雇用者より年収が低い非正規雇用者が1990年後半から増加したことと関係が深いと考えられる」(同社)といった指摘もある。(…)
■「彼らにとって海外旅行が魅力的でなくなってきているというのは原因のひとつとして考えられます。あとは、景気や雇用の問題ですね。非正規雇用の若者が増えてきているという事情もあり、お金がない、休みが取れない、となってくると当然余暇に使うお金が少なくなってくるのでしょう」と説明するのは、日本旅行業協会の広報担当者だ。しかし、若者の「海外旅行離れ」の背景に雇用や経済的事情があるとなると、「旅行業界でどうにかできる問題なのかといった面もある」(同担当者)のも確かなようだ。
(4月30日、J-CAST)
★「かわいい子には旅をさせよ」という言葉があるように、若い人ほど海外経験を積んでもらいたいと思うが、大学などでは交換留学制度が充実してきて、多くの学生が利用しているようだ。最近フランスのテレビで知ったのだが、海外の有機農業を手伝いながら言葉を学ぶという世界的なネットワークもあるようで(テレビで見たのは、アメリカの若者たちがフランスの有機ワインの収穫を手伝っていた)、あまりお金をかけないでできる海外体験は探せばいろいろあるようだ。お金をかけない分、快適さは減るかもしれないが、逆にそういう経験=苦労はお金を出してもなかなか買えないのではないだろうか。

【動画】08年春夏トレンド:ナチュラル&エスニック(en français)
08年春夏の注目ワードは自然を感じさせるナチュラルでエスニックなスタイル。各メゾンがエキゾチックなアイテムうを発表している。軽やかなチュニックドレスやアニマル柄、鮮やかな羽根やビーズ刺繍。都会のジャングルをエレガントに回遊する女性のためのワードローブだ。
(4月23日、AFP)

なぜハイヒールは生まれ、女性の靴となったのか?
■なぜ女性はハイヒールを履くのだろう? 確かにカツーンカツーンとヒールで地面を鳴らしながら歩く女性はカッコいい。しかし、あんな安定性の悪い靴を履いて平気なのかとも思う。ためしにハイヒールを履いて歩いてみたところ、指は痛いし筋肉痛になるし、まともに歩けたものではない。こうまでして女性を魅了するハイヒールとはなんなのだ。そもそもどうして生まれたのか?
■紀元前400年代のアテネにおいて、すでに背を高くみせるための靴としてハイヒールは存在していた。その後、ながらく歴史の表舞台から姿を消すが、16世紀のフランスでハイヒールは復活する。西洋史に詳しい作家の桐生操さんはこう語る。「時の王妃カトリーヌ・ド・メディシスは背が低く、アンリ2世に嫁ぐ際にハイヒールを持参しました。これがセンセーションを巻き起こし、貴族階級のステイタスシンボルになったんです。17世紀に入ると、ハイヒールの別の側面がクローズアップされてきます。当時のヨーロッパは下水がなく、道路は糞尿とゴミでまみれていました(★この状況は18世紀に書かれたメルシエの「十八世紀パリ生活誌―タブロー・ド・パリ」に詳しい)。ハイヒールは汚物で服の裾を汚さないための必需品でもあったんですね(笑)」う〜む。衝撃の事実である。ハイヒールにそんな用途があったとは。なお、17世紀はルイ14世が愛用したこともあり、男もハイヒールを履いていたとか。だが、のんきにシャレこんでいたべルサイユ文化の終焉とともに、ハイヒールは女性の靴となった。「ハイヒールを履くと、胸がはってお腹もひっこみ、ヒップもつき出ます。つま先をのばした状態が、性的オルガスムスのポーズを連想させるので、セクシーだと感じるのだという説もあります(笑)。ハイヒールが女性を象徴する靴になったのも、無理からぬことかもしれませんね」(同)
■そういえばハイヒールを履いた時、お尻がプリプリして官能的な気分になった気もする(笑)。たとえ歩きにくくとも、飽くなき美の追求のために、今日も女性はハイヒールを履くのである。
(4月29日、R25編集部)

今週のipod
"Sexy Boy"
Franz Ferdinand
in Walk Away(2005)
Walk AwayシングルのB面に収録されたこの曲は、フランスの2人組 Air がめずらしくフランス語で歌っている曲のカヴァーである。テクノ系のこの曲をハードなロックに置き換える発想が新鮮で、かつアレックスの低い声が英語なまりのフランス語で「ジェ・ルギャルデ」だの「ケルケ・ショーズ」だのとささやくとき、その発音の間違え自体も含めてひどくセクシーに聴こえる。フランツはセルジュ・ゲンズブールのトリビュート・アルバムでも "Sorry Angel" をカヴァーしているし、フランスの曲がよく似合うバンドだ。(exquise)
★原曲の Air の Sexy Boy は、パリのアニエス・べーで買い物をしたときに、ソノシート(懐かしい響き!)をもらった。コラボか何かをしてたのだろう。Air の名を知ったのはそのときが初めてで、どんな音なのか聴きたくてたまらなかったが、プレーヤーがなく再生できなかった。しかたなく、ソノシートは部屋の壁に飾って、CDを別途購入した。
Sexy Boy / Air(from Youtube)
Sexy Boy / Air(貴重なライブ映像)
Moon Safari / Air(album)




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2008年05月02日

ビオトープ(2) メディアとビオトープ

ホームビオトープ入門―生きものをわが家に招く以前、フランスで行われた「蝶の国勢調査」の記事を書いたときに、ビオトープについて少し触れた。恥ずかしながらそのとき初めてビオトープという言葉を知った。それから、子供の通う保育園にビオトープがすでに存在すること、近くの公園の濁った池のようなものがビオトープであること(ビオトープについて解説するパネルがあった)に気がついた。今や多くの日本の小学校や中学校にビオトープがあり、若い世代はそれなりのエコ教育を受けているようだ。

私は田舎育ちなので小さい頃はまだ自然が残っていた。「となりのトトロ」的な里山の風景は辛うじて記憶の片隅にある(トトロはむしろ大人の方がリアルに楽しめるのだ)。それがどんどん破壊され、何か対策を講じなければという危機感からドイツ生まれのビオトープという概念が導入されたようだ。その破壊は加速度的で、数世代の時間が流れたにすぎない。自然の征服=破壊が近代の産物ならばビオトープは近代の修正ということだが、日本にとってはどちらも輸入品だ。

ビオトープは「生物の生息に適した小さな場所」という理解で良いと思うが、maimai さんが書いてくれたように、本来ビオトープという概念は池や水辺に限定されない。しかし、日本ではとりあえず池から始まる。それは日本では多くの家が庭に池を作っていたという習慣も影響しているかもしれない。それなら昔から日本にもあったとわかりやすい。それぞれの国に適したビオトープがあるということだが、それぞれの国の人がビオトープを理解し、受け入れやすいモデルもあると言えるのだろう。ビオトープは日本では里山保全運動とも深く結びついているが、里山はスタジオ・ジブリもよく利用するノスタルジックな風景で、これも日本人にはわかりやすいイメージだ。里山は生活空間であると同時に、生物の棲息圏でもある複合的な空間だったのだ。

トンボは2キロくらいしか飛べないが、2キロメートル以内に複数のビオトープがあれば、トンボが行き交い、産卵もできる。地域の中の点が結ばれることで生態系が交わり、循環する。個々の生態系は小さいが、それをつなげて面にしていく。つまり点をネットワークとして地域環境を面として覆っていく戦略なのである。ビオトープのある公園の周りでは、住宅地のど真ん中にもかかわらず、夏には珍しいトンボや蝶をよく見かけた。

ビオトープ活動の特徴は、日常的な身近さにある。観光目的で行くような大自然も、世界遺産に指定されるような場所もフィールドにならない。また、流行のガーデニングやアクアグリーンのように、身近ではあるが、品種改良された植物を化学肥料や農薬を使って管理するような都合の良い自然も対象にならない。自分の日常生活の場所で、お金をかけず、身近にあるありあわせのものを工夫して造るのだ。

ビオトープ好きのメディア学者、水越伸氏によると、ビオトープは特定の大きな目標を持つ自然保護運動とは違って、普通に暮らす空間に、昔からいたような虫や動物が帰って来ればいいという、一種の「あきらめ」から出発しているという。大きな運動を一挙に進めるのではなく、個々が小さな活動から始め、それぞれの点を結んでいけばいいという発想だ。重要なのは、誰もが無理なく参加できる敷居の低さ、そして、すべて上から設計&デザインしてしまうのではなく、個人に自発性や工夫を求めるところにある。ここが重要なポイントだ。

水越氏はビオトープとメディア空間を重ね合わせ、メディア・ビオトープという考え方を打ち出している。水越氏は、小さなメディアの活動がネットワーク化されることでウェブ状のメディア・ビオトープを形成する動きに注目している。それは一方通行で、中央集権的なマスメディアとは全く違った、個人の日常に根ざしたメディアのあり方だ。そう言われると、ブログもまた一種のビオトープ状のメディアではないかと思えてくる。このブログも手作りの文化の雑居ビルみたいなものだ。リンクやTBによって情報が行き交い、コメントによって様々な意見=生物が棲み着く。グリュイエルチーズのように多孔的で、どこからも自由に出入りできて、出ていくときには自分が組み変わっているような空間だ(なかなかうまくはいかないが、一応、こういうのが目標)。


メディア・ビオトープ<br />―メディアの生態系をデザインする
水越 伸
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2008年05月01日

ビオトープ(1) ビオトープ発祥の地、ドイツの場合

環境先進国ドイツの今―緑とトラムの街カールスルーエからビオトープとは、ギリシャ語の「Bios(生命)」と「Topos(場所、空間)」を組み合わせた造語で、100年以上も前にドイツで生まれた言葉である。つまりは「生き物の棲むところ」で、地域の自然環境に適した動植物が特定の生態系を持つ空間である。具体的には、学校の庭に造られた池、化学肥料・農薬を用いないエコロジー農業の畑、街路樹の並木道、教会の老木、壁面緑化などが挙げられる。

ビオトープ発祥の地、ドイツにおける取り組みを見てみよう。ビオトープは、もともとドイツの「黒い森」が酸性雨で被害を受けたときに、自分たちで森を再生する試みとして市民のあいだから生まれたが、ドイツのビオトープ作りはすでに法律(ドイツ連邦自然保護法)によって義務付けられている。ドイツでは、かつての冷戦の象徴で、ドイツを東西に分け隔ていたベルリンの壁が、緑の帯として最大のビオトープネットワークになっている。それは1989年ベルリンの壁崩壊に至るまで、東西ドイツを分け隔ててきた、長さ1400qの境界線沿いの幅50〜200mの帯状の地域である。人々が壁に近づくことができなかったため、ここには手つかずの自然が自由に、豊かに繁殖することができた。そのため、多様な生息空間(ビオトープ)が帯状に連なり、付近に散在するビオトープをつなぐ回廊の役割を果たしている。

ベルリンの壁崩壊後すぐに、自然保護団体は「緑の帯プロジェクト」を発足し、「緑の帯」の重要性を訴え、自ら保護に乗り出した。1996年に施行された「壁地域法」によって緑の帯地帯を東ドイツ政府に没収される前の元の地主が買い戻せることが決まると、環境・自然保護団体は、環境省、財務省に働きかけて、保護すべき重要な地域は各州と保護団体が購入優先権を持つという合意を取り付けた。プロジェクトチームは、土地購入のために、一口65ユーロの「グリーン株」を売り出し、寄付金集めキャンペーンを開始。これまでに総額30万ユーロの寄付金が集まり、緑の帯のうち140ヘクタールが購入され、保護されているが、一方では全区間の15%では重要なビオトープが失われ、65%は民間に売り出されている。

日本でもいくつかの取り組みがある。ひとつは企業が行っている例として、キリンビールの神戸工場がある。そこは池と草地からなるビオトープがあり、ビールの製造過程の最後のすすぎなどに使った比較的きれいな水(中水)を再利用しているが、絶滅危惧種のカワバタモロコ(体長3〜6pのコイ科の魚)が大繁殖していると地元新聞に取り上げられた。

自治体の例として、豊岡市には、コウノトリの棲む環境全体を保護するというビオトープ運動がある。コウノトリは現在コウノトリ保護センターで飼育されているが、将来的には野生復帰を目指している。教育委員会が先頭に立ち、市民に環境保護を呼び掛け、コウノトリの住める環境づくりを行っている。農薬を使わない「あいがも農法」を取り入れる農家も出てきており、この運動が住民の理解を得られ始めている。

ドイツと日本の比較してみると、ドイツでは市民からの働きかけが強いこと、広範囲で、保護対象を限定しないこと、法律の整備が充実していることが挙げられる。日本では学校や企業や地方自治体が中心で、小規模なものが多く、自然再生推進法が2003年から施行されているが、義務化はされていない。もっと環境省が切り込むべき分野であろう。

また日本では、ビオトープという言葉が誤用されることが多い。日本でも「ビオトープ」と言えば、池や流水を作り、そこに生物を住まわせるものとの認識が広がり始めたが、本来のビオトープの概念には、池とか水辺などといった意味は含まれない。また、学校においても、他の地方の水草を持ち込んだり、外来種を導入したりと、本来の意味とかけ離れたものが見られる。難しい概念ではあるが、まずはビオトープの意味を正確に把握することが必要である。またビオトープ保護活動と称して、ホタルやトンボ、ツバメ、メダカ、アユなど、特定の象徴種を守ろうとする生物保護が見られるが、ビオトープは本来、その種が生息する環境、生息空間全てを保護する必要があると考える。

ドイツの「緑の帯」の自然が、かなりの程度まで救われたのは、市民による政治家への働きかけ、そして自ら資金を支払ってまでも自然を守ろうとする熱意によるものであった。やはり環境に対する市民の意識が日本に比べて高いことは見習うべきことだろう。とはいえ、ビオトープはその国の気候・土壌・社会・歴史・伝統の中で育てられるものなので、それぞれの国にはその国に適したビオトープがある。ドイツの事例をそのまま日本に適用することはできない。ただし、どの国でも言えることは、ビオトープの視点を持つことで、住み慣れた街の自然を再発見できる。そしてビオトープを作り、守っていくことで、昆虫や野鳥などを呼び戻し、貴重な生態系を後世に残していくこともできるのだ。



maimai

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