2008年01月31日

RE DESIGN 

RE DESIGN―日常の21世紀年末になると、要らなくなった大量の紙ゴミを処分する。授業で使った資料や、数年寝かせておいた10クラス以上の期末テストの答案。最近は個人情報保護法があるので、そのままうっかり捨てられない。うちにはシュレッダーがないので、鉄バサミで細かく切り刻む。すぐに指が痛くなってきて、紙の意外な強靭さと格闘することになる。捨てられる紙が抵抗しているように思える。毎年切り刻む紙ゴミはゴミ袋5袋分にもなる。

銀行やカード会社からの明細書には倍以上量の広告が同封されている。ダイレクトメールやチラシで郵便受けはすぐに一杯になり、それを捨てるためのマンションのゴミ箱も常にあふれかえっている。紙ゴミの多さにうんざりして、DMやチラシを力任せにビリビリ破いてしまった経験は誰にもあるだろう。それは情報過多に対するいらだちでもある。氾濫する情報と自分との関係のなさにいらだつのだ。加えて、要らなくなった紙を再利用しようといくら努力しても、大半は捨てるしかないシステムにもいらだつ。

私たちは膨大な情報のなかから取捨選択しながら生きている。大半の情報は自分にとって無意味であり、捨てるしかない。そうしなければ生きていられない。紙はそういう現代人の日常的な行為の被害者なのだ。

紙ほど私たちの中に複雑な感情を沸き立たせる素材はない。リサイクルの象徴的な素材であるがゆえに、捨てるときには躊躇したり、後ろめたさを感じたりする。つまり紙はそれ自体が強力な批評性を持っている。紙は私たちにつねに問いかける。おまえはそれでいいのかと。そこには反省と思考への入り口がある。

一昔前にペーパーレス社会という言葉が流行り、これから紙を使うことは少なくなるだろうと言われた。コンピュータが従来の複製技術を超えたと言われるのは、情報をモノから独立させて処理できるからだ。モノへの依存から多少は脱却できるはずだった。しかし、相変わらず私たちは紙を手放せない。紙は単に情報を乗せて運ぶメディアであるだけでなく、人間はいつもその軽やかな素材を手に取り、それは人間の日常的な感覚によりそってきた長い歴史がある。とりわけ、日本文化は紙という素材の多様な質感を生活の中にうまく取り入れ、生かしてきた文化である。また子供が最初にモノを自分の手で加工することを覚えるのも紙を通してだろう。

ところで、紹介する本は、紙とデザインの近未来を展望する「リ・デザイン-日常の21世紀」という展覧会に基づいて書かれている。著者は、日本で生まれ世界に広がった独創的な商品コンセプト「無印良品」のアート・ディレクターとしても有名であるが、その著者が仕掛けたのは、建築、プロダクト・グラフィック、照明、インテリア、広告、写真、文筆など、様々なクリエイティブ分野で活躍している人たちに、身近にある物品を新しくデザインし直してもらうというプロジェクトである。日用品が題材になり、デザインそのものが日常に深く関わる技能であるので、素材の大半が紙になることは容易に想像できる。建築家では、ポンピドゥーセンターの分館を設計した坂茂がトイレットペーパーを、また隈研吾はゴキブリホイホイをリ・デザインしている。

先ほど、紙自体が批評性を持つと書いたが、優れたデザインはそれをさらに先鋭化するのだ。著者によると、デザインとアートと違いは、アートが個人の自己表出が動機であるのに対して、デザインの出発点は社会の側にあるという。社会の人々と共有できる問題を発見し、それを解釈していくプロセスにデザインの本質があると。

最近、アートや芸術と言われると、相変わらずな「目的なき合目的性」の主張が逆に胡散臭く感じられてしまうのだが、世界全体を合理的でサステナブルな均衡へと誘導しなければやっていけないことが明らかになってきた今、むしろデザインの果たす役割の重要性が増しているように思われる。デザインは人々にそれを気づかせ、それを支えるような価値観やものの感じ方を引き出すことができるからだ。

それに加え、倫理や道徳を声高に主張することが、成熟した社会を動かすにはあまり効果的ではないということだ。むしろアーキテクチャーをデザインしていくことで、人々がそれをカッコいいと思い、ものの見方を変えてくれることに感動しながら、またそれに誘導されつつも自発的に行動していると実感しながら、社会が変わっていく。

そのような大きなパースペクティブに関わるのはモノのデザインではなく、街のデザインである。例えば、RE-DESIGN によって再生されたヨーロッパの地方都市。そのアーキテクチャーのデザインは若者を惹きつけ、人々の自発的な行動を促し、新たな公共性を構築している。もちろん、ヨーロッパを美化するつもりは全くないが、その成功例から学ぶことは多いだろう。


RE DESIGN―日常の21世紀
RE DESIGN―日常の21世紀
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原 研哉
朝日新聞社 (2000/04)
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2008年01月29日

「マダム・ビザール マリー=ロール・ド・ノアイユのパトロン人生」

MLN001.jpg芸術の陰に芸術家たちの苦闘ありとは申しますが、アトリエで、書斎 で芸術家がじたばたすれば芸術作品が生まれるかというと必ずしもそうではない。絵を描くにも絵具が、キャンバスがいるように、芸術作品の完成にはおカネが必要。美術館で観る事ができる作品の大半は、パトロンが気前よく解いた財布のヒモのおかげでこの世に存在しているのです。 

20世紀を代表する芸術様式、シュールレアリズムの陰にもやはりパトロンの存在がありました。スキャンダラスで挑発的な若い芸術家たちの試みを支えたのは、マルキ・ド・サドの血を引くフランスのマダム、マリー=ロール・ド・ノアイユです。

由緒正しきフランス貴族の母と、裕福なドイツ系銀行家一族の父との間に生まれたマリー=ロールは、生後18ヶ月で父を、7歳にして父方の祖父を失いヨーロッパでも指折りの資産を相続します。家庭教師と修道院付属の学校で教育を受けた、ボードレールを暗唱する青白い文系箱入り娘が社交界へのお披露目後に嫁いだのは、フランス社交界きってのダンディ、ノアイユ子爵でした。
 
結婚当時、・ド・ノアイユ子爵は2つのことに情熱を注いでいました。一つはスポーツ。南仏の別荘にフランス初の全天候型プールを設置。専属のスポーツインストラクターを雇い入れ、男性の招待客の部屋には水着と運動着が用意されていました。(60を超えてお招きを受けたアンドレ・ジイドも、もろ肌脱いで汗まみれでバレーボールに興じたとか。)
 
もう一つは前衛芸術。独身時代にも既にピカソの絵を購入していた子爵は、結婚後積極的に当時の前衛芸術家達の作品を買い求め、活動を援助します。ダリ、マックス・エルンスト、コクトー、マン・レイ(マリー=ロールのポートレイトも手がけました)、ピカビア、モンドリアン、ブランクーシにジャコメッティ。別荘の設計をル・コルビジュエに打診したり、プーランク等作曲家達にも作品を委嘱したりもしました。ジャン・ミシェル・フランクによる、装飾性を徹底的にはぎとったモダンデザインの室内に、遺産相続した古典芸術の至宝と新たに買い求めた前衛芸術が一緒くたに展示された子爵夫妻のパリの邸宅は、前衛芸術家のサロンとなります。
 
洒脱な夫に付き従い、プーランクを”Poupoule”と戯れに呼んでみたりする無邪気で幸せな若奥様、マリー=ロールにやがて転機が訪れます。夫が出資したダリとブニュエルの映画「黄金時代」のスキャンダルです。カソリックを徹底的にからかった、シュールレアリズムを代表する映像作品は法王はもちろん社会の轟々たる非難を浴び、子爵夫妻の名誉と評判は泥にまみれてしまいます。傷心の子爵は別荘で庭いじりに没頭し、社交の場に現れる事はありませんでした。

そして更なる「事件」が彼女を見舞います。夫がインストラクターと同衾しているのを目撃してしまったのです。頼りとしていた夫に裏切られ、世間からも手ひどい仕打ちを受けたマリー=ロール。自分の足で歩き始めることを余儀なくされた彼女は、見事な変貌を遂げます。自らの意志でパトロネスとしての人生を選び取るのです。おカネを出すだけにとどまらず、これと見込んだ芸術家の衣食住全ての面倒を見、時に愛人にしました。指揮者・作曲家でディアギレフともゆかりの深いイゴール・マルケヴィッチとの関係は特に有名で、病に倒れたマルケヴィッチを転地療養させ、自ら看護婦役を買って出たといいます。

また、歯に絹着せぬ物言いで有名だった母方の祖母の血を受け継いだのか(Merdeという言葉を人前で口にしたフランス初の社交界のマダムとして有名)、言動も大胆不敵、過激になってゆきます。シャネルのシンプルなスーツを制服のように身にまとい、きわどい会話を楽しみ(晩餐の席で大人のおもちゃの話を公然と口にしたといいます)、美男にはとことん甘く、女達にはとてつもなく厳しい。これがマリー=ロールのスタイルでした。晩年、ルイ・マル(Louis Malle)と恋人関係にあった話題の女優、ジャンヌ・モローがナポレオン家の末裔と連れ立って歩くのを観て、こんなことをいったそうです。”Elle va de mal en pire”(「彼女はひどくなる一方だね」・・・マル(mal=Malle)と皇帝(empire=en pire)をひっかけたマリー=ロール流の皮肉です)。遠い先祖であるマルキ・ド・サドの事を誇りにし、シュールレアリストの友人達に、『ソドムの120日』を音読させては楽しんだそうです。
 
気に入ったものには節操なくのめり込むひとでもありました。愛人が左翼であれば、「赤い子爵夫人」とあだ名されるほど熱心に左翼の集会に出席する一方、占領下のパリでナチの将校とも関係を持ちました(「彼はオーストリア人なんだから」というのがマリー=ロールの弁明だったそうですが)。世間は世間、私は私、という超然とした貴族的な態度が彼女の魅力であったと身近な人々は語っています。
 
戦後はでっぷりと太り、シャネルをあきらめお腹を隠すために農婦の着るようなスカートに籠というお洒落とは言い難いスタイルに落ち着いたマリー=ロール。服装倒錯趣味のルイ14世みたいと評され、「きれいになるには十数回手術しなくちゃね」と我が身を茶化す一方で、1970年に68歳で生涯を閉じるまで生き方は変えませんでした。最晩年に観た500人の若者からなる軍のパレードに「見て!目の保養が500人も通り過ぎて行くわ!」と歓声をあげたという逸話が残っています。彼女の愛したパリの邸宅はイタリアのクリスタルメーカー、バカラの美術館として一般に公開されています。室内はフィリップ・スタルクによってすっかり改装されてしまったものの、当時の面影をしのぶことができます。



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2008年01月27日

週刊フランス情報 21 - 27 JANVIER

「仏語話さぬTV打ち切れ」と大統領号令、関係者は困惑
Pen (ペン) 2008年 1/1・15号 [雑誌]■「納税者の金を使うのだから、フランス語を話さないテレビのチャンネルには賛成できない」。そんな理由で、サルコジ仏大統領が海外向け英語放送を打ち切る方針を発表し、関係者が困惑している。標的にされたのは2006年末の放送開始からまだ1年のニュース専門テレビ局「フランス24」で、英語、仏語、アラビア語のチャンネルを持つ。シラク前大統領はフランスの声を世界に発信する「仏版CNN」にしたいと力説したが、知名度が上がらず、経営も苦しい。
■サルコジ大統領は8日の年頭演説で、同局を廃止し、海外向け新局「フランス・モンド」を早急に立ち上げると表明。仏語だけで放送し、「英語やアラビア語の字幕を付ける」と語った。しかし、労組側は「それではわずかな外国のエリートしか見ない」と反発。クシュネル外相も「CNNやBBCと競争にならない」と批判した。サルコジ大統領は英語が苦手といわれている。 
(1月21日、時事通信)
フランス、サルコジ大統領の暴言
(1月24日、オーマイニュース)
FRANCE 24

各国の株式市場、乱高下、FRBの緊急利下げも効果薄
■23日の各国主要株式市場は、22日に行われた米連邦準備制度理事会 FRB による0.75%の緊急利下げを受けて、米国市場やアジア市場が急反発するなか、欧州市場が世界経済の減速懸念を背景に再び急落するなど、前日に引き続き乱高下した。
■米国市場も前日に引き続き乱高下を繰り返したが、急反発して取引を終えた。優良株で構成されるダウ工業株30種平均は前日比298ドル98セント(2.5%)高の1万2270ドル17セントで引けた。
■欧州市場は、取引開始こそ反発したものの、欧州中央銀行ECB が利下げに慎重な姿勢を示したことから急落した。英ロンドン株式相場のFTSE 100種総合株価指数は、前日比2.28%安で引けた。パリ市場のCAC40指数は同4.25安、フランクフルト市場のドイツ株式指数(DAX)も同4.88%安で引けた。
★「Au lendemain d'une dégringolade historique, le CAC fait le yo-yo. 歴史的暴落の翌日、株価指数は乱高下」(Yahoo Franceのニュース)。乱高下を「ヨーヨーをする」と表現している。日本の日経平均(Nikkei 225)に当たるフランスの株価指数は CAC 40。日経平均は金曜に600円近く上昇し、世界市場もとりあえず落ち着きを取り戻したかのように見えたが、金曜のダウ平均は再び急落。117ドル下げている。
★テレビで見たフランスの個人投資家 petit porteur もパニック状態。今までヨーロッパの株は好調だったし、ありえないような下落幅だったので、動揺も大きかったのだろう。
★CAC 40 はパリ市場に上場されている銘柄の中から、時価総額や出来高が大きく、代表的業種に属する40銘柄を選出し、指数を算出している。CAC という名称は、かつて証券取引の管理、監督、指導全般を担当していた旧証券取引所公認仲介業者組合 Compagnie des Agents de Change からきている。CAC 40 の代表的な銘柄には、BNPパリバ(金融)、ソシエテ・ジェネラル(金融)、トタル(エネルギー)、ルノー(自動車)、カールフール(小売)、LVMH(ルイ・ヴィトン・グループ)、ロレアル(化粧品)、エール・フランス-KLM(空運)などがある。
★そう言えば、ソシエテ・ジェネラルのトレーダーが不正取引で巨額の損失を出した。損失は49億ユーロ(71億6000万ドル)に上るという。なぜひとりのトレーダーが権限を越えた資金を動かせたのか、企業自体の信用問題になっている。BNPパリバはサブプライ問題で最初に名前が挙がったヨーロッパの銀行だが、今回のソシエテ・ジェネラルの件で合併もあったりしてと思ったが、実際そういう噂があるようだ。詳細は来週。

FRBは大幅利下げ、ECBは利上げ?
■欧州中央銀行ECBは17日、月報を発表し、そのなかでユーロ圏のインフレに対し強い懸念をあらためて示し、物価と賃金の上昇を抑制するため、必要に応じ金利を引き上げる可能性を示唆した。ECBは、長期的なインフレ抑制は「絶対的に不可欠」だとし、インフレによる2次的影響が顕在化することのないよう、ECBは先制的な措置を取る用意があるとしている。
(1月18日、AFP)
★先週のニュースで言ってたが(TF1)、フランスでは、去年の12月で0・4%、去年の12月と比較して2・6%物価が上昇した。ここ16年なかった著しい物価上昇だ。食料品全般では去年の12月で0・9%、1年間で3%上昇した。特に乳製品が最も大きい。石油やガソリンも高騰し、それが家賃に跳ね返っている。物価の上昇はとりわけ低所得者層の家計を圧迫している。昔は物価があがれば、給料も上がったが、今は給料は上がらない。つまり給料を上げようとすれば、企業は国外に出て行ってしまうからだ。これはグローバル化の影響だ。特に低賃金の労働者は国外の安い労働力との競争に常にさらされている。

仏・インド両首脳、民生用原子力協力や軍事提携拡大で合意
■フランスのニコラ・サルコジ大統領は25日、インドを公式訪問し、ニューデリーで同国のマンモハン・シン首相と会談した。両首脳は、民生用原子力協力協定の締結で一致、また武器取引を越えた両国間の軍事連携強化に合意したと明らかにした。
■仏当局によると、両首脳は原子力発電の研究などに関する2国間協定に枠組み合意した。原発はフランスの主要産業であると同時に、年間成長率9%で拡大を続けるインド経済の強化にも欠かせないとみられている。
■会談後の共同会見でシン首相は、両国は「買い手と売り手」の関係を越え、共同研究や開発計画、技術移転、より広範な軍事交流に重点を置いていくと述べた。
■インド政府は同日、戦闘機の改修契約についてダッソーやタレスを含む仏企業連合と独占交渉を開始することを正式に発表した。
■インド空軍は、タレス製の電子機器を搭載したダッソー社のミラージュ2000を51機保有しているが、すべて大規模な改修が必要な状態だ。仏企業連合は、改修契約をめぐりイスラエルと厳しい競争を繰り広げていた。
(1月26日、AFP)
★最近のサルコジ大統領は原発と武器のセールスに忙しい。まさに死の商人だ。インドでの会見で「これがフランスの通商政策 politique commerciale だ」とはっきり言っていた。今回、フランスは核拡散防止条約(NPT)に加盟していないインドとの間で、民生用原子力協定の交渉で妥結。フランスの企業は中国との間でも原発の契約交渉を進めており、フランスにとって新興国は大きな市場となっている。
★サルコジ大統領は先に訪印したブラウン英首相同様、インドの国連安保理常任理事国入りに支持を表明、主要8カ国首脳会議(G8サミット)を拡大してインドなどを加えるべきだと主張。新興国の台頭とそれらに対する主要国の関係の変化によって、国連やサミットにおける日本の地位の相対的な低下は免れないだろう。
(1月26日、毎日新聞)

フランスで国際マンガ祭、開幕
■今年で35回目を迎えるアングレーム国際漫画祭Angouleme International Comics Festival)が24日から27日まで開催される。今年はアルゼンチン人の漫画家Jose Munoz氏が進行役を務めている。
(1月24日、AFP)
http://www.bdangouleme.com/

フランスとイギリスの労働開国事情
■ヨーロッパでは移民に対して選別を厳格にする方向に動いている。去年の9月、イギリスのブラウン首相はイギリス組合会議で「イギリスの仕事をイギリス人に」という演説を行い、喝采を浴びた。イギリスはアイルランドや東欧からの移民労働者の受け入れを制限しなかった数少ない国で、ヨーロッパでは移民への労働市場開放に積極的だった。すでにイギリス政府は05年に「選択的受け入れ」というタイトルの移民政策に関する5ヵ年計画を出している。その計画は国益に沿うような高度技能移民は受け入れるが、低熟練労働者は最小限にとどめるとされている。つまりイギリスに都合の良い移民政策であるが、自由と平等を重んじ、移民にも寛容というイメージの強かったイギリスだが、ブラウン首相の演説はイギリス人の本音を刺激した。
■フランスでは1974年以降、すでに就労を目的とした移民を原則的に受け入れていない。暴動や失業問題でクローズアップされる郊外の移民は2世や3世である。サルコジ大統領自身がハンガリーからの移民の子であるが、移民管理政策に関しては一貫して厳格政策を取っている。サルコジ大統領の移民政策の基本は選択的移民への転換と社会統合の促進である。特に後者に関して、新規移民全員に「受け入れ統合契約」(CAI)が義務化された。これは移民とフランス共和国の間で交わされる契約である。移民はフランス語や市民教育講座に出席することを義務付けられ、それに対して国は就職や生活や教育などに関する情報や支援を保障するというもの。フランスの移民問題は人種差別、失業、貧困、教育、宗教などが絡んだ重層的な問題で、それを解消するにはいかに彼らを社会に統合するかにかかっている。
(週刊エコノミスト1月15日号「労働開国」特集)

Pen (ペン) 2008年 1/1・15号 [雑誌]
■先週紹介するのを忘れた Pen の「パリ美術館特集」。完全保存版。先週号なのでご注文はアマゾンで。卒業旅行のパリ人気は依然高く、その最大の理由はやはり美術館が充実していること。

【動画】ジャンポール・ゴルチエ、08年春夏オートクチュール・コレクションを語る
■1月21日から4日間、フランス・パリ市内で08年春夏パリ・オートクチュールコレクションが開かれた。23日には、ジャンポール・ゴルチエ Jean Paul Gaultier が新作を発表した。今回のテーマは「人魚」。



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2008年01月23日

ナポレオンとワインの意外な関係

mouton1988.jpgドイツのフランクフルト(Frankfurt)は、欧州中央銀行があるようにドイツの商業、金融の中心として有名だが、その歴史は対ゲルマン人(ドイツ人)の古代のローマ軍の駐屯地から始まった。フランク王国メロヴィング朝を開き、498年にはカトリック教に改宗したクローヴィス1世は500年頃アレマン族に戦いを挑み、マイン川の浅瀬を渡り、彼らをその地から追い出した。「フランク族の渡渉点」を意味するフランクフルトという地名は、その戦闘に由来する。

フランクフルトは現在、ドイツ・ヘッセン州最大の都市。ドイツ最大のハブ空港があることから、旅行者にとってはドイツ、あるいはヨーロッパの玄関口となる。 フランクフルトで日本語教師をしていた友人によると、工業都市として日本企業が多く進出し、ドイツの中でも日本人が多く住む町のようだ。「アルプスの少女ハイジ」に出て来る裕福な商人の娘、クララはこの町に住んでいる設定になっている。

ところで、この町の出身の歴史的な有名人と言えば、文豪ゲーテである。さらに挙げるとすれば、ユダヤ人のロートシルト(ロスチャイルド)家だろう。日本でも江戸時代から続く財閥は両替商(当時は西日本、東日本で銀貨、金貨の流通通貨が異なっていた)出身が多いが、フランクフルトでヘッセン選帝侯と結びながら両替商、古銭商によって財を成したのがロスチャイルド家のマイヤー・アムシェル。そして彼の5人の息子がヨーロッパ各地の主要都市に支店を設け、現在のロスチャイルド家の基盤を築くことになる。ユダヤ人はユダヤ教を信仰し、住み着いた国に同化しようとせず、独自の文化や教育を堅持するので欧米では歴史的に反感を買ってきたが、金融や商業の分野では一目置かれる存在だった。

ロンドンに渡った三男のネイサン・ロスチャイルドは、ナポレオンが欧州を蹂躙する混乱期に金融取引で活躍し、各国に戦争の資金を融通した。ネイサンは産業革命の黎明期からマンチェスターの繊維産業に投資を始めていたが、ナポレオンの大陸封鎖令で乱高下する商品相場と、兄弟間のネットワークを利用して商品をさばいた。またナポレオン戦争の戦費調達に奔走するイギリスの背後で、敵のナポレオンの統治下のパリにいた五男ジェームスと手を組む。

ネイサン&ジェームス兄弟が自ら築いたネットワークを通して、ナポレオンがワーテルローの戦いで敗退したことをいち早く知った翌日、債権の取引で一斉に売りを仕掛けた。債券相場はナポレオンの勝利(=ロンドンの債権市場の暴落)、ナポレオンの敗北(=ロンドンの債券市場の高騰)という緊張状態にあり、ネイサン・ロスチャイルドはナポレオン情報に精通していることだけは知られていたので、彼が何か情報を得たに違いないと(つまりナポレオンが勝ったに違いないと)、みんな雪崩をうって売りに向かい、債券は大暴落。その裏でネイサンは紙くずに等しいほどの債券をこっそり買い集めたのだった。

翌日の新聞にはナポレオンの敗北のニュース。一転して債券は大暴騰した。その投機的な取引で巨額の利益を上げ、「ナポレオン戦争の真の勝者はロスチャイルド」と言われるようになる。その1日の情報格差で後の繁栄の礎を築いたのである。ネイサンの機転は債券暴騰につながる情報を得た際にまず売りから仕掛けたことにあるだろう。いきなり買いから始めたとしたら儲けはそれほどでもなかったはずだ。一旦債券を売りたたいて紙くず同然にしてから買い戻す。それによって天文学的な利益を手にしたのであった。

ネイサンがナポレオンの敗北の情報を得たのは伝書鳩によるという伝説もあるが、実際はオランダの新聞をロスチャイルド家の使者が英仏海峡をボートで渡ってネイサンに渡したようだ。今のような債券や株の価格の情報がデジタルネットワークを通してリアルタイムで共有される時代ではなく、情報格差が著しいがゆえに起こりえた歴史的インサイダー事件だ。とはいえ、当時は電信技術の黎明期で、ナポレオンはすでにパリを中心に軍事用としてテレグラフ網を敷いていた。それが産業用に活用されるのは19世紀半ばからである。また、フランス銀行や証券取引所を設立したこともナポレオンの大きな功績として知られている。

ところで、日本が日露戦争を仕掛ける際、膨大な戦費をまかなうため高橋是清が外貨建て国債を発行した。日本の国力に疑問を持つ向きが多い中で、ニューヨークの銀行家でユダヤ人のジェイコブ・シフが支援を申し出た。実はシフのバックにはロンドンのロスチャイルド家がいて、彼は日露戦争の勝利の影の立役者でもあった。ロスチャイルド家はその後、ロシアの油田をちゃっかり押さえたが、ロシア革命が起こり、撤退を余儀なくされている。

ようやくワインの話題に入るが、ボルドーの赤ワイン生産者として、最高の格付けを得ている「5大シャトー」と呼ばれるブドウ畑のうち、シャトー・ムートン・ロートシルトとシャトー・ラフィット・ロートシルトが、名前が表す通り、ロスチャイルド家の所有となっている。

ムートンの方は1853年にイギリスのネイサンの三男ナサニエルが取得。ムートンは1855年にワインの格付けで二級を取得し、同じく1855年に一級の格付けを取得したラフィットの方を1868年にフランスの叔父、ジェームズが買い取った。1855年の格付けではラフィットが1級の評価を得たとき、ムートンは2級に甘んじた。しかし、ナサニエルの曾孫のフィリップの努力により、1973年、異例の格付け見直しによりムートンも1級の地位を獲得する。 その後もフィリップとその一族は、カリフォルニアの「オーパス・ワン」、チリの「アルマヴィーヴァ」などのワインを手がけ、高い評価を得ている。こうしてみると、フランスの最高級ワインの経営に携わっているのは、ナポレオンを利用して儲けたロスチャイルド家の2人の兄弟の子孫であることがわかる。

「シャトー・ムートン」は有名なアーティストが手がけるラベルでも有名で、ボルドーワインの中でもコレクション・アイテムになっている。過去にラベルのデザインを任されたアーティストにはシャガール(1970)、ピカソ(1973)、アンディ・ウォーホル(1975)、キース・ヘリング(1988、写真)などがいる。


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2008年01月21日

週刊フランス情報 14 - 20 JANVIER 後編

サルコジ大統領UAE入り、原子力と軍事協定に調印
■ペルシャ湾岸諸国を歴訪中のフランスのニコラ・サルコジ大統領は15日、最終訪問国となるアラブ首長国連邦の首都アブダビを訪れ、原子力と軍事関連の協定に調印した。
■AFPが入手した情報によれば、今回の協定で UAE に400から500人規模のフランス陸海空軍要員が配備される恒久的な基地の設置が定められた。国営首長国通信はこの協定により軍事協力を通して両国の友好関係はさらに強化されるだろうと伝えた。現時点で協定調印について公式な発表はされていない。
■仏ルモンド紙 Le Monde によれば、湾岸諸国にこうした施設が建設されるのは初めてとなる。軍事協定は、UAEで両国軍が定期的に共同演習を行うことを定めた1995年の協定に沿った内容とみられる。同協定に基づいてフランスの部隊がアブダビ北部の Al-Dhafra 空軍基地に駐留しており、フランスはUAEへの軍用品供給大国となっている。
(1月15日、AFP)

【図解】世界各国の原子力発電の状況
■図は、世界各国で稼働中の原子炉の数と主要国における原子力発電の利用状況を示す。
(1月18日、AFP)

サルコジ大統領の支持率、不支持が初めて上回る
■フランスのサルコジ大統領の不支持率が就任後、初めて支持率を上回った。15日に発表された世論調査によると、大統領を支持するが45%で、不支持が48%だった。支持率は前月比で6ポイント減、この2カ月で10ポイント減少している。
■支持率の急下降の原因に関しては、国民の最も関心のある収入増などの「購買力の上昇」について、8日の年頭記者会見で明確な対応策に言及しなかったほか、大統領選の公約である「もっと働いてもっと稼ごう」などの政策実施の効果が目にみえてあがっておらず、失望感が広がりつつあるためとみられる。
(1月16日、産経新聞)

婚外子の割合、半数超える
■フランスで2006年に生まれた子供のうち、両親が正式な結婚をしていない婚外子の割合が初めて半数を超えたことが分かった。仏国立統計経済研究所が18日までに発表した。正式な結婚にとらわれないフランス人の考えが反映された形だ。
■同研究所によると、婚外子の割合は65年には5.9%に過ぎなかったが、次第に増え続け、06年には50.5%(05年は48.4%)と正式な結婚による子供の数を上回った。07年の結婚件数は26万6500件で前年より約1600件減った。
■フランスでは99年、事実婚や同性愛のカップルに対し、税控除や社会保障などについて、結婚に準じる権利を付与するパクス(連帯市民協約)法が制定され、結婚や家族の考えが大きく変わった。「パクス婚」と呼ばれ、「合意でなくとも片方の意思だけで解消できる」点で結婚より緩やかな形。カトリックの影響で離婚が難しかったことへの反動ともみられる。社会学者のイレーヌ・テリー氏は「家族を形作るのは結婚ではなく子供になりつつある」としている。
■一方、フランスの昨年の合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子供の数)は1.98で、アイルランドの1.90を上回り、欧州連合(EU)で最高となった。EU平均は1.52だった。
■フランスの合計特殊出生率は93年に1.66まで落ち込んだ後、上昇に転じた。3歳児から公立保育園に入れるなど出産・育児への行政支援が手厚く、子供の数に応じた税の優遇措置も上昇に寄与したとされる。初産の平均年齢は29.8歳と、年々上昇している。
(1月19日、毎日新聞)
★政治家のオジさん(およびオジさん化した女性議員)たちは「男が外で働き、女が家庭を守る」という固定観念からいつまでも抜けられないようだ。それは単に自分の価値観を崩したくないという思考停止から来ていて、さらには「子供を産まないのは女性のわがままだ」と言う始末。それは高度成長期においてたまたまうまく機能していたに役割分担に過ぎない。フランスのデータは、男女の役割や関係性を自由にした方が子供ができやすいとことを証明している。体裁にこだわらず、内実を取ったフランスの勝ちと言えるだろう。少子化が進行する状況で、外国人労働者を入れないのならば、女性の労働力がますます重要になってくる。そうなると育児への行政支援を充実させることが求められるが、さらに重要なことは多様な関係性に慣れていくことだ。

落ち目の日本、さらに足を引っぱる官僚
★内閣府が26日発表した2006年度国民経済計算確報によると、日本の1人当たりの国内総生産(名目GDP)は2006年に3万4252ドルとなり、経済協力開発機構(OECD)加盟国中で18位に後退。今の基準で算出を開始した1980年以降最低となった。また、大田弘子経済財政担当相は18日の衆参両院の本会議の演説で、「もはや日本は『経済は一流』と呼ばれる状況ではなくなった」と、国際的な地盤沈下に危機感を表明。
★日経連が今年の元旦に「成長創造、躍動の10年へ」を発表しているが、その内容は10年以内に世界最高の所得水準を実現するためにあらゆる政策手段を結集すべきとする提言だった。どうみても実現不可能な目標だが、これも年々落ちていく日本の国際的な地位を踏まえてのことだった。グーグルの時価総額が去年の10月、日本最大のトヨタの時価総額を抜き、トヨタは2007年の株式時価総額の世界ランキングベスト10から姿を消したというニュースもあった。
★先週の株式市場はアメリカの景気後退懸念で大暴落。ダウ平均は12000ドル割れ目前で、日経平均はまさかの14000円割れ(今日、月曜も暴落中で13000円を目指している)。特に日本の株価の下落が著しい。それはいくつか理由があって、ひとつは日本の株式市場が6割を外国人投資家に依存していて、彼らが何らかの理由 (今回はサブプライムによる損失) で資金を引き上げたときに、暴落を免れないからだ。もちろん日本人が日本株を買って安定株主になればいいのだが、日本では相変わらず株はギャンブルの類とみなされている。
★アメリカは株価の暴落を受けて、ブッシュ大統領が早速減税などの景気対策を決めたが、日本の政治家は株価に言及することはイメージの悪いことだと思っているようだ。今のところ全く手を打つ気はないらしい。「今の株価はファンダメンタルズには関係はない」(町村官房長官)と言うが、株価の下落は企業の体力に影響しないわけがない。
★この政府の無策がジャパン・パッシング(素通り)に繋がっている。外国の資本が日本を素通りして中国やインドに向かうのだ。日本の対内直接投資のGDP比は2・2%と金融的には鎖国状態にある(例えば、金融立国に変貌したイギリスは36・6%に達する)。これは日本企業が外部からの企業買収を頑なに拒否しているからで、去年のスティール・パートナーズによる「ブルドックソース買収劇」、それに対する日本の裁判所の判決がそれを象徴している。このグローバリゼーションのご時勢においても外資は相変わらず「青い目のハゲタカ」なのだ。外資を利用してやろうというしたたかさはないのだろうか。もちろん国内企業の中にも外資とうまく手を組んでいる企業も少なくない。そういう部分で差がついてくるのだろう。
★それに加えて、建築基準法改正、貸金業法改正、金融商品取引法、フィルタリング規制などが、企業の足を引っ張っている。もちろん消費者保護の観点からは重要な法律なのだが、いかにも役人的な四角四面なやり方と手際の悪さが問題になっている。特に建築基準法改正は関連企業の倒産まで引き起こしている(友人の不動産会社の若社長もひどい状況だと言っていた)。それは「官製不況」どころか「役人テロ」とまで言われている。


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2008年01月19日

週刊フランス情報 14 - 20 JANVIER

「フランス映画祭」開催、今年はソフィー・マルソーが団長に!
私の夜はあなたの昼より美しい 〈ヘア解禁版〉■横浜から東京に開催地を移して3年目となる『第3回東京・大阪フランス映画祭2008』が、3月13日(木)から18日(日)にかけて、東京と大阪の二都市で開催されることが決定した。今年の映画祭団長は、2006年のキャロル・ブーケ、2007年のカトリーヌ・ドヌーヴに続き、フランスを代表する大女優の一人、ソフィー・マルソーが務める。自ら出演もする監督作品「La Disparue de Deauville」の映画祭で上映される予定。
■期間中には13本の新作フランス映画作品が上映され、多数の監督やアーティストが来日する。また、映画の上映だけに留まらず、映画関連の学校でのマスタークラスも開催される。
★ソフィー・マルソー(Sophie Marceau、1966年、パリ生まれ)って知ってる?13歳の時に「ラ・ブーム」の主役でデビューし、一躍トップ・アイドルとなった。私は彼女とほぼ同い年で、「ラ・ブーム」のブームは高校生のころだったが、デタラメのフランス語でファンレターを書いた覚えがある。その後、映画に出演するようになるが、すでに「ラ・ブーム」の初々しい印象はなく、いつもスクリーンの中で泣き叫んでいる太めの女優というイメージが私の中で定着している。なぜか DVD のほとんどに「ヘア解禁版」と書かれている。そういう目的で見る人が多いのだろうか。個人的に思い出深いのは「私の夜はあなたの夜より美しい Mes nuits sont plus belles que vos jours」。脳を侵されたコンピュータ言語の研究者の男と、女霊媒師のハタ迷惑な恋愛を描いた精神分析的な作品。最初見たときは、二人の常軌を逸した行動と精神分析的な深読みのせいで圧倒されたものの、数年後に見直してみると、(ラストシーンなんて感動したはずなのに)何だか粗ばかりが目に付いた。

少女映画の傑作群をオールナイト上映
■バウスシアター(武蔵野市吉祥寺本町1、TEL 0422-22-3555)は2月2日、映画「小さな悪の華」の公開を記念して、オールナイト上映「死にゆく少女たちの散歩」を行う。「小さな悪の華」(ジョエル・セリア監督/1970年)は、15歳の少女たちを主人公にしたフランス映画で、思春期の少女の不安定な生と死をテーマにした少女映画の傑作。公開時は反宗教的反道徳的内容によりフランス本国では全面的に上映禁止、イタリアやイギリスには輸出禁止などの措置がとられ、当時公開されたのは日本とアメリカだけだったという。
■バウスシアターは同作品を2週間限定でレイトショー公開(21時〜)。初日に当たる同日、少女映画の傑作群をオールナイト上映する。上映作品は「小さな悪の華」、「ヴァージン・スーサイズ」(ソフィア・コッポラ監督/1999年)、「エコール」(ルシール・アザリロヴィック監督、2004年)の3作品で、上映開始は23時〜。料金は、一般=2,500円、学生=2,300円。公開を記念して、吉祥寺の書店「百年」(吉祥寺本町2、TEL 0422-27-6885)では、幻想文学など関連書籍をセレクトした「小さな秘密の本棚」を展開する。開催期間は1月26日〜2月15日。
(1月18日、吉祥寺経済新聞)

「モンクレール」人気
■ここ2、3年で爆発的人気を誇る、ダウンジャケットの王様ブランドMONCLER モンクレール」。1952年 フランス アルプスグルノーブル郊外の小さな村、Monestier de Clermont モネスチエ・ドゥ・クレールモンに設立されたのが「モンクレール」の始まりで、アルピニスト達の間で愛用され続け、1968年のオリンピックにはフランス・ナショナルチームの公式ウェアにもなった。デザイン性にも大変優れていて、身体のラインが美しく見えるシルエット、シャイニーナイロン素材は今までのただモコモコしているだけのダウンジャケットのイメージを一新。
■日本では去年キムタクがCMで着用したことで人気に火がつき、キムタク着用モデルはオークションでプレミアム価格がつくほどの人気。また最高級のグースの産毛を使用しているため大量生産が不可能なため、他モデルも入手困難なものが多く、8月9月頃から取り扱いショップに予約を入れるファンも多い。入荷と同時に完売してしまうお化けジャケット、人気モデル・カラーは毎年ファンの間で争奪戦となる。
(1月17日、ツカサネット新聞)

【画像】サルコジ大統領の「恋人」がランチアのイメキャラ
■サルコジ仏大統領の恋人として話題のモデル兼シンガーソングライター、カルラ・ブルーニ(カーラ・ブルーニ)がイタリアでランチアの広告に出演している。ブルーニが出演しているのは、ランチアの5ドア小型車『ムーザ』のテレビCMと新聞雑誌広告。
(1月18日、レスポンス)

私生活はタブー?
■「フランスって何でもありだね!」と、これはパリ在住の日本人の間での最近のあいさつである。感嘆符がついているのは、日本ではありえない現象だからだ。例のサルコジ大統領の離婚から3カ月後の3回目の結婚話は在パリの日本人はもとより、階級社会がまだ残るフランスの上から下までが、よるとさわるとこの話でもちきりだ。
■フランスでは私生活は問わずが原則だ。年末の世論調査でも80%以上が、歌手で元モデルのカーラ・ブルーニさんとの結婚話などで「大統領への評価は変わらない」と述べている。仏民法でも1970年7月に制定された第9条で、「各自は私生活を尊重する権利がある」と規定。女優のカトリーヌ・ドヌーブさんやテレビの有名キャスターなどがこの問題で告訴する事件が発生しているが、ほぼ例外なく勝訴する。
■しかし、ちまたのおしゃべりなら、法に抵触することもないわけだ。大統領も出席した先の右派政党・国民運動連合(UMP)の全国評議会でも、フランス通信(AFP)によると、多数の議員が匿名を条件に、特に過去のボーイフレンドの「リストが長く」、6歳の息子の未婚の母でもあるカーラさんとの再婚話には、「落胆した」「大災害だ」「新しい大統領のイメージになじむのは容易ではない」などと述べたという。
(1月16日、産経新聞)

【動画】オリエント・エクスプレスで日常を忘れる旅を
■オリエント・エクスプレスは、豪華さと洗練された贅沢を連想させる。ミステリー作家アガサ・クリスティからグレアム・グリーンまで、オリエント・エクスプレスは多数の小説や映画に登場してきた。今回はパリからベネチアまでの旅を取材した。
(1月18日、AFP)

【動画】マーク・ジェイコブスが語る、ルイ・ヴィトン08/09年秋冬メンズコレクション
■1月17日から4日間、フランス・パリ市内で08/09年秋冬パリ・メンズコレクションが開かれている。17日には、ルイ・ヴィトンが新作を発表した。
(1月18日、AFP)

ルマン松井が決勝弾
■フランス・リーグカップは現地時間16日(以下現地時間)、準々決勝の全4試合が行なわれ、ルマンが松井大輔の決勝弾により強豪のリヨンを下して、ベスト4進出を決めた。ロイター通信が報じている。ルマンのホームで行なわれたこの一戦では、28分に松井がペナルティボックス外からシュートを叩き込んでルマンが先制。強豪リヨンはビハインドを取り返そうと攻勢に出たが、最後まで1点が遠く、ベスト8で姿を消すこととなった
(1月17日、ISM)
松井のゴールシーン


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2008年01月17日

ゾディアック

zodiac_ver2.jpg1969年、ドライブ中のカップルが銃撃され、女性が死亡する事件が起き、警察に「自分がやった」と電話がかかってくる。その後、新聞社に「ゾディアック」と名乗る人物から、犯行の内容を語る手紙と暗号文が次々に届き、同時に新たな殺人事件も発生する。担当の刑事(マーク・ラファロ)、新聞記者(ロバート・ダウニー・Jr.)、そしてその新聞の風刺漫画家(ジェイク・ギレンホール)は、それぞれ事件を追っていく・・この映画は実際にアメリカで起きた未解決の連続殺人事件を扱ったものです。「ブロークバック・マウンテン」の色っぽいジャック役だったジェイク・ギレンホールが、一転して地味で真面目な青年を演じています。


手書きの手紙を多数新聞社に送りつけ、警察や関係者の自宅に電話をかけたり、果てはテレビの身の上相談にまで出演しようとするなど、メディアを大胆に利用した犯行で、目撃者もいれば遺留品も多く残しているのに、犯人への手がかりはなかなかつかめません。それはゾディアックが用意周到で、巧みに人々を翻弄したこともありますが、別の要因として警察の中での連携の悪さ、メディアの報道による混乱も描かれています。


zodiac4.jpgそれぞれの地域の警察が情報をうまくやり取りしなかったことで、犯人に接触する機会を逃してしまったり、ゾディアックからの手紙の内容をテレビで流したために世間がパニックに陥ったり、警察から情報を得られないまま自己判断で犯人像を仕立て上げた新聞記者が今度はゾディアックの標的となってしまったりする状況は現在起こったとしても全くおかしくないわけで、とても40年近く前の事件だとは思えない生々しさが伝わってきました。そして皮肉なことに、解決に一途の光が見えてくるのは、世間が事件を忘れ去ろうとしたころ、依然として関心を持ち続けていた風刺漫画家が、警察と「陰で」連携して独自に調査を進めたときからなのです。


心身ともに疲れ果てて異動を願い出る刑事、ドラッグやアルコールに溺れる新聞記者など、この事件の捜査から脱落していく者たちが出てくるなか、利害関係にとらわれず単なる好奇心からアプローチした風刺漫画家だけが、「生き残り」ます。取り憑かれたように事件のことばかり考えている夫に不安を感じる妻から問いただされて、彼がゾディアックを追う目的を語る場面、そしてついに彼がその目的を果たす場面は、静かながらも高揚感を覚えます。


zodiac3.jpgこの作品を観た人たちの感想をネットで見たところ、「退屈だった」という意見が多くて驚きました。たしかに監督がこれまで撮ってきた「セブン」「ゲーム」「ファイト・クラブ」などと比べれば、派手な展開もなければ、大どんでん返しといったサプライズも見当たらず、そういった内容を求めた人には期待はずれの映画でしょう。しかしながら、余計な小細工や無駄に感情的な部分を省いた正攻法で真摯な撮り方、タイトな物語構成、丁寧に再現された70年代の空気がすばらしく、私には2時間37分の上映時間があっという間に思えました。


ゾディアックが送った手紙には、「自分の映画を作れ」という要求も書かれていました。実際この事件を扱った映画は過去に作られ、またこの事件を題材にしてクリント・イーストウッド主演の「ダーティー・ハリー」も制作されました(この映画の中でも一部が流れます)。今回また映画が制作されてその要求に応える形になったわけですが、ゾディアックそのものよりも、彼を追う人々に焦点を置くことで、犯人の思惑から外れた作りにしてある点に、フィンチャーらしいヒネリが感じられます。


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2008年01月16日

宮下規久朗 『食べる西洋美術史―「最後の晩餐」から読む』

食べる西洋美術史  「最後の晩餐」から読む (光文社新書)この新書を手にとり、最初に思い浮かべたイメージはギュスターヴ・ドレ描く「ガルガンチュワの食事」だった。フランス・ルネサンス期の巨人フランソワ・ラブレーがその知力と想像力を爆発させて創造した『ガルガンチュワ』『パンタグリュエル』という小説に附された19世紀の挿絵のひとつである。

美術館に足を運び、展示室を、回廊をのんびり歩きながら、絵を観てまわっていると、楽しそうに飲み食いする人々に出逢い、腹時計が不意になってしまうような食材を見つけたりする。
 
そう。西欧の絵画にはなんと食事の風景が多いことか。なんと美味しそうな食べ物が画布のうえに並べられていることか。
 
絵画表現の誕生から、アンディ・ウォーホルの有名な「キャンベル・スープ缶」を経て、現代アートそして未来の美術の主要なモチーフとして、「食」は絵の描き手たちを刺激してきたし、これからも刺激しつづけるにちがいない。

とはいえ、なぜ西洋美術には「食」をテーマとした作品がそれほどたくさん描かれてきたのか。そもそも、食事風景というのはあまりにも日常的な光景なので、それが絵の題材になる特別な理由や意味を考えることはないのではないか。少なくとも、ぼくは、宮下規久朗氏のこの本を読むまではあまり気にしてはいなかった。
 
美術の歴史を「食べる」というテーマから照らし出してみせたこの小さな美術展を訪れるなら、とても愉しいひと時を過ごすことができる。すばらしい話術の宮下ガイドの解説を聴きながら、本の扉を閉じたあとは、冷蔵庫のドアを開けて、なにか食べるもの・飲むものを探し、ぼくらもまた『食べる西洋美術史』の饗宴のご相伴にあずかりたいと思うことでしょう。

しかし独り食事をするだけではやはり寂しいかもしれません。『食べる西洋美術史』の副題が示すように、画布のうえに描かれる食事風景、食材はキリスト教(その世俗化、あるいは脱宗教化)というもうひとつの光源からも照らされることで、より一層、食欲をそそるものになっているのですから。「最後の晩餐」、ダ・ヴィンチが描いたキリスト教的主題のなかにすでに、ポップ・アートの巨匠ウォーホルの「最後の晩餐」に至るなにものかが描き込まれていることを本書はぼくたちに教えてくれています。

皆で食べること、それがコミュニケーションの最もすばらしい手段であるならば、事実そのとおりであるのだから、ぼくたちもまた、『食べる西洋美術史』を肴に、皆で飲み、食べ,お喋りをしにいこうではありませんか。


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2008年01月15日

< リヨン風トマトのロースト >

ちょっと季節はずれになってしまいましたが、トマトが美味しい季節に試してみてください。フルーツトマトがお勧めです。

TS350018.jpg* 材料 (トマト5個分)
トマト ・・・・・5個
ソーセージ ・・・・・100g
ピザ用チーズ ・・・・・30g
卵 ・・・・・2個
パン粉 ・・・・・ 大さじ2
イタリアンパセリ(みじん切り)・・・少々
塩・こしょう ・・・少々
小麦粉 ・・・少々

* 作り方
1.トマトはヘタの部分を切り落とす。(ふたになるので、残しておく。)
実の中をスプーンなどでくり抜いて、種の部分を取り除く。安定するように下も少し切り取ったら
逆さにしてキッチンペーパーのうえにしばらく置き、水けを切る。
2.トマトの内側に塩・こしょうをして、小麦粉をふったものの中に皮を取り除いたソーセージを適当な大きさに切り、詰める。
ときほぐした卵、ピザ用チーズ、パン粉、イタリアンパセリを混ぜ合わせて塩・こしょうしたものを流し込んだら、230℃に予熱しておいたオーブンで15分焼く。
3.取っておいたヘタの部分をのせてさらに5分焼く。器に盛り、上からオリーブオイルをふりかけ、イタリアンパセリを散らす。


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2008年01月13日

週刊フランス情報 6 - 13 JANVIER

モーリタニアのテロ犯人、逮捕(速報)
■モーリタニア南部のアレグ近郊でフランス人観光客グループが銃撃され4人が死亡した事件で(この事件のせいで今年のパリダカが中止になった)、容疑者が2人逮捕された。2人は国際テロ組織アルカイダ系組織に近い人間で、犯行の理由として、「フランスがアメリカと同盟関係にあるからだ」と言ったようだ。ひとりは1978年生まれというから、まだ20歳くらいだ。サルコジ大統領が去年のアメリカ訪問でフランスとアメリカの蜜月ぶりを派手にアピールしてきたばかり。イラク戦争に反対し、アメリカと緊張関係にあったシラク大統領の時代では起こりえなかったということか。昨日からフランスのメディアではこの話題でもちきりだが、アメリカとの同盟関係にあるのはフランスだけではない。
(ソースはFRANCE 24)

サルコジ大統領の2008年の年頭あいさつ
Les voeux pour 2008 de Nicolas Sarkozy(from Youtube)
cecilia01.jpg★U2のボノが8日夜、フランス大統領官邸であるエリゼ宮に招かれ、噂のセレブ・カップル、サルコジ大統領&カーラ・ブルーニと、プライヴェートなディナーを楽しんだとか、サルコジ大統領のセシリア前夫人が「薄情」「女好き」などと大統領を批判したとされる暴露本が11日、売り出されたとか(写真は別の本だが今週3冊の暴露本が発売された)、大統領のゴシップ系ニュースが氾濫している。国民戦線のルペン党首が大統領の年頭のインタビューに対して、おまえの彼女の話なんぞどうでもいいんじゃ、とご立腹だった(TF1)。他のテレビのコメンテーターも、どうでもいいことばかりで話題を作って、国民は騙されないぞって怒りをあらわにしていた。

仏大統領の恋人、カーラ・ブルーニのビキニ写真
■フランスのサルコジ大統領がこのほど、結婚を表明したイタリア出身の歌手で元スーパーモデルのカーラ・ブルーニさんのビキニ姿を撮影したベルギー人が8日、写真の収益をベルギーの恵まれない子供の施設に寄付すると述べた。ベルギーのメディアが同日、伝えた。
■写真を撮影したのはベルギーのエミル・ラノワさん。ラノワさんは2人がクリスマス休暇でエジプトのシャルムエルシェイクを訪問した際、大統領が黒の海水パンツ、カーラさんはビキニで海岸に登場したところを撮影。2人と会話も交わしたという。
■ラノワさんはこの写真の版権を地元紙に約1万2000ユーロ(約198万円)で売却した。同紙は掲載後、フランスやオランダのメディアに写真を売却したが、ドイツ、イタリア、スペイン、英国のメディアとも交渉中という。ラノワさんから寄付を受けた施設「幸福な子供」によると、この寄付金で約300人の子供がバカンスに出発できるという。
(1月9日、産経新聞)

卒業旅行人気1位パリ、理由は満足度の高さ
■3月の卒業を控え、卒業旅行の計画をすすめている学生も多いのでは?そんな卒業旅行トップシーズン目前の今、オリコンでは卒業旅行で海外を訪れたことのある20代の方を対象に「卒業旅行で行った満足度の高い海外都市」をテーマに、アンケート調査(複数回答可)を実施。その結果、海外観光旅行の定番、ハワイ(アメリカ)をおさえ、芸術の都として人気の高いパリ(フランス)が女性回答1位、男性回答3位という高い回答率を集め、見事総合1位に輝いた。
■理由をみると、「絵画が好きで、ルーブルなどの美術館や街並みが美しい」(東京都/20代/女性)、「好きなモネの作品をたくさん見ることができたから」(愛媛県/30代/男性)と街並みや充実した美術館など、アートの聖地としての魅力をあげる人が多かった。女性のなかには「1か月間滞在していたけど、飽きなかった」(神奈川県/30代/女性)、「何度訪れてもいい」(東京都/30代/女性)とパリの魅力される女性も多いようだ。
(1月11日、オリコン)

マルチメディア駆使、ルーブルの美術館の新しい鑑賞術
■世界で最も有名な美術館といえばフランスのパリにあるルーヴル美術館。ダビンチの「モナ・リザ」や彫刻「ミロのヴィーナス」を所蔵し、世界中から年間800万人以上が訪れる。 大日本印刷は2006年10月、ルーヴル美術館と提携して、東京・五反田に「ルーヴル−DNPミュージアムラボ」を設置した。ルーヴルの名作の展示しているほか、最新のマルチメディア技術を駆使して従来とは異なる鑑賞方法で楽しめるようになっている。12日には現代アーティストの山口晃さんによるトークショーを開かれ、“山口流”のルーヴルの見方を伝授した…。
(1月13日、フジサンケイ ビジネスアイ)
□LOUVRE-DNP MUSEUM LAB http://www.museumlab.jp/

今年したいことと「モテたい理由」、の巻
モテたい理由 (講談社現代新書 1921)■マガジン9条で連載中の「雨宮処凛がゆく」が面白い。その中で赤坂真理の「モテたい理由」を紹介しているが、最近女性誌にはびこる「モテ」の2文字。なぜ「モテ」でなくてはいけないのか。その欲望を検証し、日本の女性を追いつめる恋愛資本主義を糾弾している。雨宮処凛はフランスのテレビ番組からも取材を受けたそうだ。

フランスの愛煙家ら、今後は喫煙ブースが頼り
■フランスで1日から新たな喫煙禁止令が施行され、バーやレストラン、カフェなどの飲食店内も禁煙の対象となった。2006年2月施行の喫煙禁止令ですでに職場や公共の場での喫煙が禁じられており、今回の法令で公共の場は完全な禁煙スペースとなった。警察や公衆衛生当局は新年1日は愛煙家に猶予を与え、2日から本格的な取り締まりを開始。この日、カジノなどに設けられた喫煙ブースでは、タバコを吸う愛煙者の姿が見られた。
(1月8日、AFP)
★最近は大学もそうですね。みんなガラス張りのブースの中に押し込められ、何かの見世物のようにタバコを吸っている。某女子大には一方はタバコを何十年も吸い続け、一方は全く吸わなかった双子の老姉妹の対比写真があちこち貼られていて、明らかに皺の数と深さが違うのだが、ここまでやるかって(笑)。公共の場の喫煙禁止の法律施行が去年の7月1日から始まった英国と、その時点での欧州のその他の国々の禁煙法施行状況を示した地図はこちら

経済・環境などの面からファッションを再考【動画】
■欧米を中心に、経済面や環境面、道徳面からファッションを考え直し、フェア・トレードや環境程に重点を置いた「エシカル・ファッション」が注目されている。フランス・パリでは、今年第3回目となるエシカル・ファッションショー(Ethical Fashion Show)が開かれた。ショーでは、様々な国から集まったデザイナーが、“エシカル”でありながらスタイリッシュな新作を披露した。開催に際し、イベント創設者のIsabelle Queheがインタビューに応じた。(12月31日、AFP)

パリの人気ラウンジ「ル・バロン」創立者がホテルをプロデュース【動画】
■フランス・パリの人気のラウンジ「ル・バロン(Le Baron)」創立者のひとりとして知られるグラフィティ・アーティストのアンドレ(Andre)たちが今度はホテルをプロデュース。レストランを備えたホテル「アムール(Amour)」をパリの中心地にオープンした。(
(12月28日 AFP)



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2008年01月10日

週刊フランス情報 from NEWSWEEK

パリ市長、ベルトラン・ドラノエの人気急上昇
■ドラノエ氏は、博物館の街として揶揄されてきたパリに活気を取り戻させた人気急上昇のパリ市長だ。自動車への規制を強化し、犬のフン害対策に熱心。パリ・マッチの世論調査ではロワイヤル氏を支持率で大きくリード。08年の社会党党首選挙ではドラノエVSロワイヤルが予想され、さらには12年の大統領候補になるかもしれない。
■ドラノエ氏といえば、98年に同性愛者としてカミングアウトしたあと、01年にパリ市長に出馬し、現職を破って当選を果たした。セーヌ河岸に砂浜を作るパリ・プラージュ。公園や図書館で無線による無料のネットサービス。ベリブというレンタル自転車システムも大人気だ。「派手な人気取り政策ばかり」という批判もあるが、アメリカの格付け会社S&Pも巧みな財政運営を高く評価している。
■ところで、ヨーロッパの多く国々では政治家が同性愛者であることは議論にもならない。信頼でき、法を守る人間ならば、非難する理由はないというのが近代の原則だ。一方、同性愛者への風当たりが強いのがアメリカだ。自由の国とか言いながら、実は信仰と伝統に重きを置く国なのだ。

期待はずれの東京
■東京ではいい映画が撮れない。ジャッキー・チェーンが新作「新宿事件」の撮影を、歌舞伎町で行おうとしたが、許可が全く下りなかった。歌舞伎町の商店街振興組合が撮影に協力しようとしてくれたが、警察は最後まで許可を出さなかった。歌舞伎町のシーンはゲリラ撮影になり、予定していたシーンは全く撮れなかった。「新宿事件」はアクション一辺倒ではない、中国人留学生の苦悩や恋愛が描かれる。そして、何よりも東京の街の面白さを生かした、映画になるはずだった。ジャッキー・チェーンのようなVIPに対してこの扱いならば、世界からそっぽを向かれても仕方がない。
■秋葉原で「WASABI」(ジャン・レノと広末涼子が共演)の撮影をしたフランス人監督、ジェラール・クラブジックも同じことを言っていた。秋葉原で撮影をしたとき、数十メートルおきに許可を取る必要があったという。広い範囲をブロックできないので、すぐに人が集まってきて、ジロジロみたり、指さしたり、カメラを撮ったりする。俳優を車の中に待機させ、一瞬のスキを見計らって撮影するような、ゲリラ的な方法にならざるをえなかったと言っていた。今や東京はサブカルチャーのパラダイスとして世界の若者の注目を浴びているというのに、それをアピールする機会を自ら潰してどうするって話だ。そういえば、石原都知事は東京を映画の街にすると言っていたはずだが、何か対策を打っているのだろうか。
■東京では本来は正当な行為が違法扱いされ、違法なことが平然と行われている。最もわかりやすいのは風俗やギャンブルだ。パチンコやソープランドが非合法な合法としてまかり通っている。これは多くの場合、既得権益の保護に関わっている。そしてどうでもいいことを違法として許可を出さない。
■ところで、最近、「官製不況」という言葉がよく聞かれる。建築基準法改正と貸金業法改正が具体的な例としてわかりやすい。建築基準改正法は住宅建築や設備投資の計画を大幅に狂わせ、外国人投資家には日本政府は住宅市場を押し潰そうとしていると受け止められている。貸金業改正法は中小企業の資金調達手段の制限につながっている。もちろん、これらは消費者保護のために作られた法律なのだが(耐震偽装や多重債務の問題が背景にある)、実体経済へ影響や導入タイミング、そのための方法が検討し尽くされていない。事前に失敗することがわかっていたようなことを平然と実行しているようにしか見えないし、その後の損害を食い止めようという積極的な動きもない。この機に乗じて、既得権益のシステムをさらに強めようという動きもあるようだ。
■つまり、相変わらず先のことの考えない人たちが日本を支配しているということだ。現体制を温存して逃げ切ろうというのが見え見えなところがさらに情けない。日本の次へのステップを阻害する「官製不況」の構図は日本のいろんな分野で目にする。

クール・アラブ
■サイード・タグマウイ(34)。フランスで最もありえない映画スターである。
■パリ郊外のスラムに住むモロッコ系移民家庭の10人兄弟の末っ子。14歳で学校をドロップアウト。スプレー落書きなどワルな行為に明け暮れたあと、ボクサーになり、国内のタイトルマッチに2度挑戦。また「アササン」(暗殺者)というラップグループのメンバーでもあった。
■95年、マチュー・カソヴィッツの「憎しみ」に出演し、世界への足がかりをつかむ。その後、ハリウッドに進出し、大役をこなす。07年11月、アメリカで公開されたマーク・フォスターの「カイト・ランナー」や、08年2月に公開予定の「バンテージ・ポイント」に出演し、コミック作品として知られる「GIジョー」の実写版の出演も決まっている。
■彼は「フランスでは、マイノリティー系の俳優はおバカな脇役で終わり」だとシビアに認識している。フランスにいたときから、ステレオタイプなアラブ人役を蹴りまくってきたのだという。まさに稀に見るバンリューの成功者なわけだが、幼なじみからは「ケーキの上のチェリー」(C’est la cerise sur le gâteau.ということわざがある)をもじって、「ゲットーの上のチェリー」と呼ばれているんだとか。

□「ニューズウィーク日本版2008-1・2/9号」を参照
  http://nwj-web.jp/


cyberbloom

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posted by cyberbloom at 22:29| パリ ????| Comment(0) | TrackBack(0) | 週刊フランス情報

2008年01月06日

『雪沼とその周辺』

雪沼とその周辺 (新潮文庫 ほ 16-2)仏文学者でもある堀江敏幸さんの短編集『雪沼とその周辺』は、最近読んだ現代日本文学作品のなかで最も記憶に残る小説です。


雪沼という架空の町のまわりで、小さなボーリング場やレコード店、中華食堂、書道教室などをひっそりと営む人々の暮らしが、取り立てて大事件が起きるわけでもなく静かに語られます。しかし淡々とした文章にはしばしば過去の回想が織り交ぜられ、実は彼らは決して平穏とはいえない年月を送ってきたことがわかってきます。仕事上の悩み、肉親との離別、身体的なコンプレックスといった問題を抱えながら、彼らはそれでも自分の仕事に真摯に取り組みつつ、現在に至ったのでした。


人生にはいろいろある、という当たり前のことをしみじみと納得させ、かつそれを変に強調することもなく穏やかに描ききる、堀江さんの文章力が冴え渡っています。堀江さんのそれまでの作品は、静かながら蛇行するような長い文章が特徴的で、以前にご紹介したトゥーサンやオステールのそれを連想させるため、日本語でちょっと前衛的な現代フランス文学を読んでいるような気分になりました。それがこの『雪沼』ではかなりシンプルな文章になり、それだけ親しみやすさが増したように思います。


また職業柄、ということもあるのでしょうか、過去の作品のなかには文学的な脱線がしばしばあり、それが時としてマニアックな内容になっていたりするので、少々取っつきにくいところがありましたが、この作品では、そういった面はほとんど見られません。唯一フランスの作家、アラン・フルニエが話題にのぼる一編がありますが、物語の最後の展開に非常に効果的に使われる小道具となっていて、全く嫌みを感じませんでした。


作品に一貫して感じられるのは、登場人物たちに対する堀江さんの穏やかでやさしい視線です。それは特に主人公が周囲の人々に向ける視線に重なり、彼らの交流の描写は、何がどうというわけではないのに、妙にじんとくるものがあります。冒頭の「スタンス・ドット」や「レンガを積む」「ピラニア」などがそのよい例です。もちろんその他の短編もすばらしく、久しぶりに読み進めるのが惜しく思えるような作品に出会えて嬉しい夏でした。



雪沼とその周辺 (新潮文庫 ほ 16-2)
堀江 敏幸
新潮社 (2007/07)
売り上げランキング: 5322
おすすめ度の平均: 4.5
4 みんな一生懸命生きている!
5 人それぞれに
5 「雪沼」に共に住みたい



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posted by cyberbloom at 23:01| パリ | Comment(0) | TrackBack(0) | 書評−フランス小説

2008年01月05日

週刊フランス情報 31 DECEMBRE - 6 JANVIER

「1月6日はエピフィニー」
galette01.jpg■フランスでは1月6日のエピフィニー(イエスの誕生を東方の三博士が祝福した日。公現節。)をお祝いするときに、ガレット・デ・ロワというお菓子を食べます。サクサクとしたパイ生地にアーモンドクリームがたっぷり入った焼き菓子ですが、フェーブと呼ばれる小さな陶器の人形がひとつだけ隠されており、切り分けた中からフェーブが出てきた人は紙製の王冠をかぶって「その日1日王様になれる」という特典?付のお菓子です。友人の話によると、南仏のほうではパイ生地がブリオッシュ生地だったり、中のクリームがオレンジ風味だったりと地方によっても違いのある伝統菓子のようです。昔は乾燥させたそら豆(fève)を隠して入れていたというフェーブですが、とてもたくさん種類があって毎年色々なデザインのものが売られていて、コレクターも多いとか。
(作り方はコチラ)

フランスでエコ奨励金と公害課徴金
■フランス政府は2008年1月1日から、車両の二酸化炭素(CO2)排出量に応じた奨励金・課徴金制度を導入する。これは、走行1kmあたりのC02排出量を基準にランク付けを行なうもの。
■環境改善への特効薬の意味から「エコ・パスティーユ」(環境トローチ)と名づけられた政策の一環だ。CO2排出量の少ない新車を購入するユーザーには、政府による200 - 1000ユーロの購入奨励金が適用される。
■対して、CO2排出量が基準値以上のモデルを購入する場合、200ユーロから最高2600ユーロの課徴金が車両価格に上乗せされる。フランスにおける現行市販車のうち、25 - 30%がこの課徴金の対象となる見込みだ。
■国内3ブランドは小型車中心のため、奨励金対象となる車が多く有利である。たとえばプジョーは、全ラインナップの7割が奨励金対象となる。そのため各社とも、2007年に回復した国内販売に弾みをつけるとして期待している。フィアット系各ブランドや日本車にとっても、追い風になるとみられている。
■いっぽうでSUVや大型高級車を多く据えるメーカーにとって今回の制度は深刻だ。たとえばブガッティ『ヴェイロン』は、課徴金の最高額である2600ユーロが適用される。そのためドイツ自動車工業会からは早くも「国内メーカーの保護貿易主義だ」と反発の声が上がっている。
(12月30日、レスポンス)

「CO2が経済を回す、CO2本位制?」
■二酸化炭素に値段がつき、株のように取引される。京都議定書の約束が始まった。欧州で取引初日となった2日の初値は1トン当たり22・5ユーロ。約3700円。08年12月物から12年12月物まである。ロンドンにある排出権ブローカーのディーリングルームにはネットや電話で千トン単位で注文が入る。1日で数百万トンが売買され、数億ユーロが動く。
暖かな冬は電力消費が抑えられるので排出権の値は下がる。EUが排出規制の強化策を打ち出すと需要増加を見込んで価格が上昇するという具合。
■このブローカーが扱うのはEUが05年1月に始めた取引制度に基づく排出権。EU域内の工場や事業所約1万1千を対象にC02の排出の上限を割り当て、その枠を超えた場合は1トン当たり100ユーロの罰金が08年から科せられる。排出枠より多い会社は罰金を避けるために他から排出権を買い、逆に排出を枠内以下に抑えれれば、余った分を売ることができる。
■市場原理を温室ガスにいかそうという考え方は97年に採択した京都議定書で盛り込まれた。この考えを自域内に持ち込み、世界に先駆けて市場を作ったのがEU。ロンドンなど、EU内各地に取引所がある。ヘッジファンドやオイルマネー。排出権の取引市場には世界の資金が流れ込み、ディーラーやブローカーが金融工学を駆使して運用する。EU市場での価格は当初の3倍に膨れ上がっている。
■地球環境に与える負荷がCO2価格に反映され、金融、企業、政策を動かす。それがまた価格に跳ね返る。経済が環境を軸に回り始めた。金本位制ならぬ、CO2本位制の経済だ。ジャパンマネーの行方も注目されている。約束期間の5年間で日本の排出権需要が10億トンに達する可能性もあるという。
(朝日新聞朝刊、1月3日)

「ブット氏の過去」
■朝日新聞の「私の視点」でタリク・アリという歴史家・作家(パキスタン出身、ロンドン在住)が「ベジナル・ブット氏の暗殺は許し難い。だが、彼女が民主主義の救世主になりえたとはとても思えない」と、暗殺されたブット氏に対するシンパシーが高まる中で、冷静な視点を示している。かつてブット氏が2回目に首相の座に着いたとき、彼女と夫の政治的腐敗は最悪で、パキスタンがアフガニスタンに介入し、タリバーン政権樹立に動いたのは彼女が首相のときだった。ブット氏の意志で19歳の息子がパキスタン人民党を率いるというが、政党の私物化も甚だしい、と手厳しい。パキスタンのエリートは盲目的にアメリカに依存し続けている。冷戦期にはソ連への対抗策からイスラム過激派を支援し、今はそれと戦うアメリカを手伝う。ブット氏が今回帰国したのは、アメリカがどうしても非軍人の政治家を必要としたからだ。彼女の過去を隠蔽して政界に復帰させようとした。しかし、パキスタンの人々は彼女がブッシュ大統領の手駒だと感じ取っていた。パキスタンに過激派は少ないが、大半の人々はイラクやアフガニスタンのアメリカのやり方に反発している。軍政と、それに対抗する腐敗したエリートたちの政党。つまりは貧しい人々には関係のない権力闘争にすぎないというわけだ。これがパキスタンの悲しい現実なのだ。現状から抜け出すには社会改革が急務で、腐敗したエリートが着服した金をちゃんと社会の再建に使わなければならない。貧しい人々が望むのは子供の教育だ。それがあれば過激派に取り込まれることもないだろう。アメリカを初め、国際社会はパキスタンを戦略的、軍事的視点からしか見ていない。それが悲劇を招いていると。
(朝日新聞朝刊、1月3日)

パリダカ、初の中止 モーリタニアの治安悪化で
■5日、ポルトガル・リスボンをスタートする予定だったダカール・ラリー(通称パリダカ)は途中通過するアフリカ北西部のモーリタニアの治安悪化などを理由に、前日の4日になって大会の中止が急遽(きゅうきょ)、決まった。大会主催者が発表した。同ラリーは今回が30回の記念大会の予定だった。大会の全面中止は1979年のパリ