2012年05月24日

灼熱の魂

すさまじい映画だ。

冒頭は何の台詞もない。中東のどこかの国で一人の少年がこちらを見つめてくる。ただそれだけ。並ばされ、髪を次々に刈られる少年たち。こちらを凝視する少年の足首に三つ並んだ点状の刺青。

場面は切り替わって、所はカナダ。フランス語圏。双子の姉弟が突如プールでの事故で不可解な死を遂げた母ナワルの遺言を受け取る。ひどく奇妙な遺言だ。姉には父を、弟には兄を捜せといい、二人が見つかるまでは自分は裸で世間に顔もむけず、うつぶせに墓石もなしで葬ってくれという。遺言が果たされて初めて墓石を置くようにという。

双子がこの遺言を果たすまでが描かれるのだが、いくつかのチャプタ―に話がわかれ、章を追うごとにナワルの辿ってきた言葉に尽くせない凄まじい過去が明らかになっていく。   

そして今まで存在すら知らなかった父と兄の秘密も。冒頭に登場した少年の運命も。



オリジナルのタイトルは incendis (戦火)なのだが、邦題をうまくつけたと思う。まさに灼熱の大地の灼熱の魂。生まれた場所による宗教の違い。ただそれだけから相争い殺しあい、憎しみがまた復讐を呼び、その途切れない連鎖の炎に人は巻かれていく。

許されない愛によって産み落とし、手放さねばならなかった命をいとしいと思えばこそ、宗教は違えども同じ母親と子供が目の前で殺されるのを見、自分の子も又無残に殺されたと絶望した時、信仰も愛の強さだけ憎しみに変わる。

そして手放された子供も又、懸命に母を探していた。ギリシャ悲劇を思わせるあまりにも皮肉な巡りあいに絶望を覚えるが、それでもなお強い母の愛に、かすかな希望を感じるまさに魂の一本。決して楽しい気分にはなりえないが、ずしんと下腹に来る重量感のある作品。演技と思えない演技もまた素晴らしい。

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2012年05月21日

週刊フランス情報 14 - 20 MAI 後編

CINEMA
■Bérénice Bejo, son année extraordinaire(TF1):カンヌ映画祭の開会式のセレモニーのホステス役はアカデミー賞映画 "The Artist" の女優、ベレニス・ベジョ。彼女の魅力を動画で。http://bit.ly/KwGhRg
■伝記映画がたけなわ!ジョブズ、イブ・サンローラン、グレース・ケリーの映画が近々映画化:ジョブズの映画のシナリオは「ソーシャル・ネットワーク」の脚本家が手がけ、グレース・ケリーはオリビエ・ダアン監督。http://bit.ly/KaM24T
■デモに参加するノリでカジュアルに政治に参画する時代の幕開け:三宅洋平[(仮)ALBATRUS]× 杉岡太樹[『沈黙しない春』監督]対談 http://bit.ly/JX6bNw

COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2012年 06月号 [雑誌]ふらんす 2012年 05月号 [雑誌]

ART
■"Kabuki", spectacle du Tokyo Ballet 東京バレエ団パリ・オペラ座公演「ザ・カブキ」が開幕:86年の作品で、モーリス・ベジャールが振付。http://bit.ly/KNu7Uq

MODE
■パリジェンヌ御用達!モードとチャリティを融合させたセレクトショップ「Merci」http://bit.ly/J9BIdg

都市が壊れるとき: 郊外の危機に対応できるのはどのような政治かフランス語会話とっさのひとこと辞典 Nouvelle edition CD (<CD>)

BOOKS
■ジャック・ドンズロ著『都市が壊れるとき』:社会的混合の実現を追求。いまから7年前、フランスでは大規模な「暴動」があった。若者3人が警察の職務質問を受け、逃走。変電所に逃げ込み、2人が死亡。それを契機に3週間、フランスの都市の郊外は燃えた。http://s.nikkei.com/JPlAyt

MUSIC
■<インドネシア>ガガさん公演許可されず 聖職者反発原因か:仏の記事ではコンサートの妨害が予告されていたようだが、彼らの主張はガガの露出度が高いからではなく、同性愛者のアイコンだからとあったが。http://bit.ly/JtPKej
■大音量で敵撃退…五輪警備で英軍が「音響兵器」:テロリストがノイバウテンとかSPKとかマイブラとか暴力温泉芸者とか好きだったら、効果ないな。そういえば浅野忠信と宮崎あおいが出ている『エリエリレマサバクタニ』という大音響ノイズでウイルスを治療するという映画がありました。ノイズは毒にも薬にもなるアンビバレントなもの。http://nifty.jp/KeWHtg

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OTHERS
■仏大統領も食べているパリで一番おいしいパン:5日、パリ・バゲットコンクールが開かれ、市内18区にあるパン屋、セバスチャン・モウヴューが今年度のグランプリに。http://exci.to/K8nzuI
■世界の地下鉄網は「同じ形」:ネットワーク分析で判明:この過程から、人間社会の自己組織化における普遍的原理を見出せる可能性がある。http://bit.ly/KyNWjl
■SNSが子どもに与える多大なる影響、米専門家が指摘:子どもたちが直面する3つの危険:人間関係、注意力と依存、プライバシー。そして「親が携帯を常に手放せないようでは、子どもたちに正しいメッセージは発信できません」。http://bit.ly/JmBPaa



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posted by cyberbloom at 22:24| パリ 雨| Comment(0) | TrackBack(0) | 週刊フランス情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月20日

週刊フランス情報 14 - 20 MAI 前篇

オランド仏大統領、新内閣は半数が女性
■フランスのフランソワ・オランド(Francois Hollande)新大統領は16日、社会党や自身の盟友らを中心に据えた新内閣の顔ぶれを発表した。公約通り仏内閣として初めて男女の閣僚が同数となったが、重要ポストには依然として男性が就いている。
■新首相には15日、ジャンマルク・エロー(Jean-Marc Ayrault)氏が任命されている。1995年以来となる社会党出身大統領となったオランド氏同様に閣僚経験はないが、ベテラン議員として合意形成の手腕には定評がある。
■外相にはローラン・ファビウス(Laurent Fabius)元首相(65)、経済相には大統領選でオランド陣営の選挙対策本部の責任者を務めたピエール・モスコビシ(Pierre Moscovici)氏(54)が起用された。
■エロー首相は記者会見で、新内閣に時間を浪費している暇はなく、休日でも17日に初閣議を招集し経済問題を協議すると語った。17日の閣議でのオランド内閣の初仕事は、選挙公約の大統領以下全閣僚の給与30%カットの提案となる見通しだ。
(5月17日、AFP)
France Japon Eco [Japan] No. 130 2012 (単号)★「男女の閣僚が同数となったが、重要ポストには依然として男性」という記述があるが公約通りパリテ parité を実現したことは歴史的快挙。組閣は男女同数だけでなく、様々なバランスに配慮。「緑の党」からはセシル・デュフロ Cécile Duflot が入閣。環境省には入れずに、仏領の平等と住居を担当する省に。彼女は「原子力発電所の廃止」に妥協しないので、直接かかわる部署から外された形か。
★新内閣に韓国系のフルール・ペルラン Fleur Pellerin さんが、中小企業・革新・デジタル経済担当相として入閣。73年生の女性。生まれてすぐにフランスに養子に出され、韓国語を話せないようだが、アジア系の閣僚がいるのも画期的。また閣僚に40歳以下が7人いる。http://bit.ly/KlbEdj
★ジャン=マルク・エロー Jean-Marc Ayrault 仏新首相はナントの市長だったが、ナントは04年のタイム誌で世界で最も住みやすい都市に選ばれた。仏エコー誌の調査でも3度1位になったことがある。89年に市長 になったエロー氏は80年代後半に造船所が次々と閉鎖された寂れた町を20年かけて文化の町に変えた。日本でもナント発の音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ」が知られる。ナントは文化の町といっても、よくあるように有名美術館などの箱ものを誘致して町おこしをするのではなく、街のシンボルとなった高さ12メートルの巨大な像とか、09年に横浜にもやってきた巨大な機械蜘蛛とか、突飛なアイデアも採用する。http://bit.ly/MnFPqB
★オランド新大統領の就任式。新しいファーストレディのバレリー・トリルベレールさんも注目を浴びる。一方サルコジ氏はカーラ夫人と手をつないでエリゼ宮を去る。就任式でオランド新大統領が、まだふたりの夫人がキスを交わしているのにさっさと中に入ってしまい、保守派の顰蹙を買っていた。またサルコジ&シラクの引き継ぎのときは、サルコジ氏がシラク氏が車に乗るまで見送った、さらに、新大統領就任の挨拶で、オランド大統領が歴代の大統領を褒め称えたが、サルコジ氏に対しては「彼の前途には未来が開けているでしょう」とどうでもいいことを述べたと非難。http://bit.ly/K1sMH3

■反緊縮財政派が選挙で勝利 欧州でこれから何が起こるか: 独仏がユーロの参加国を増やしたのはもっぱら政治的な理由。独仏連合では市場規模が小さすぎユーロがドルに対抗できなかったから。ギリシャについては、イスラム国家への砦として支援する政治的な意図も。ギリシャはトルコと軍事的に向き合い、多額の軍事費を負担。北アフリカからは不法移民が押し寄せており、ギリシャは欧州中に移民が広がるのを防ぐ役割もあった。こうした政治的なユーロ拡大志向がギリシャの悲劇の根本にある。http://bit.ly/J6r0mA
■仏エリートは大学なんて行かない!? 日仏で異なる教育事情:フランス政府の閣僚はENAの同窓会。http://exci.to/JzXMAz
■仏エロー新首相の名前に中東メディア「赤面」、その理由は:日本でもちょっと赤面だが。http://bit.ly/KakM6o

EUROPE
■フランスの雨男とドイツ最強の女が「衝突」? :France 2を見ていたら、パリのシャンゼリゼでの就任パレードは豪雨に見舞われ、オランド大統領はずぶ濡れになって手を振っていた。前途多難を象徴するような。http://bit.ly/JLtfhw
■ギリシャ連立協議は物別れ、再選挙実施へ=大統領報道官 http://bit.ly/J8X3XR
■預金引き出し715億円=ユーロ離脱の不安反映か―ギリシャ:安全資産としてドイツ国債の購入額も急増http://bit.ly/JK5Mxa
■ECBと欧州委、ギリシャがユーロ圏離脱の緊急シナリオ=報道:ドラクマ紙幣を印刷する印刷業者が動き出したというニュースも。http://bit.ly/Lef963

WORLD
■「性別の選択」と「死ぬ権利」を合法化、アルゼンチン:http://bit.ly/JNPeWh


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posted by cyberbloom at 18:14| パリ 霧| Comment(0) | TrackBack(0) | 週刊フランス情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月16日

J’irai dormir chez vous ―フランス版「田舎に泊まろう」

おもしろい動画をみつけました。Antoine de Maximy さんが世界中を旅して、現地の人たちとナマの交流をするという内容のTV番組をアップしたもののようです。

今回紹介したのは「日本滞在バージョン」ですが、youtube で検索するとほかの国のバージョンもたくさんみつかります。

この番組のいいところは「演出がない」というところでしょうか(おそらく、ですが)。そのぶん、余計な先入観を排して世界中に住む人々のディープな姿を垣間見ることができます。

ちょっとした海外旅行の気分が味わえ&フランス語の勉強にもなりますよ。


superlight



superlight さんに教えてもらって、私も見てみました。フランス在住のツィ友情報によると、かなりの人気番組だったようです。

日本編の最後でリポーターのアントワーヌさんが「日本は文化が違いすぎる」とこぼしていますが、みんな英語が話せないだけでなく、コミュニケーションの在り方が違うと言いたいのでしょう。日本とフランスは見た目には文化的共有度が高く見えるにもかかわらず、むしろイランなどのイスラム圏の人たちに対して彼が「わかる、わかる」とうなずいていたのが印象的でした。イスラエル編やイラン編では、緊張感や話題の深まり方がまるで違うし、過酷な日常がひりひりと伝わってくるようです。イランの田舎で外国人が泊めてもらうことは常識的に不可能みたい。だけど日本編の最後に出てくるオバちゃんのサバイバル英語は素晴らしい。


cyberbloom

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posted by cyberbloom at 21:28| パリ 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | フランスの現在 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月14日

週刊フランス情報 7 - 13 MAI

フランス次期大統領「夫人」 事実婚批判を一蹴
■フランスの次期大統領、フランソワ・オランド社会党前第1書記(57)の“ファーストレディー”に注目が集まっている。ジャーナリストのバレリー・トリルベレールさん(47)だ。オランド氏とバレリーさんは、正式な結婚をしていない事実婚カップル。現在のフランス共和政が始まってから、事実婚の女性 が“大統領夫人”となるのは初めてだ。しかし、バレリーさんは「私はあまり(結婚問題を)気にしていない」と語っている。フランス通信(AFP)が8日、 伝えた。
■ニコラ・サルコジ大統領(57)の3度目の結婚相手で歌手のカーラ・ブルーニさん(44)からその座を引き継ぐバレリーさんは、2度の離婚を経験し、子供が3人いる。一方のオランド氏はパートナーだった前回大統領選の社会党候補、セゴレーヌ・ロワイヤルさん(58)との間に子供が4人いる。
■両親が正式な結婚をしていない婚外子が過半数を占める“事実婚大国”フランスでは、次期大統領の事実婚は問題にはなっていない。閣僚経験がないなどの批判を逆手に取り「普通の大統領」をめざすオランド氏だが、フランスでは事実婚も「普通」のうちなのだ。AFPの取材にバレリーさんは「(事実婚の問題は)そこまでの(大きな)ことか私にはわからない。ローマ法王を訪問する際には問題になるかしら?」とかわし、「結婚に関する問題は、私たちの私生活の一部」と批判を切って捨てた。
(5月10日、産経ニュース)
★他メディアは外遊の時にイスラム教国などで問題になるかもしれないと報道。バレリーさんはフランスのイメージを代表する者として必要なことはやるが、私は飾り物(potiche)になるわけではないと発言。カーラ夫人へのあてつけだろうか。”potiche” と言えば、フランソワ・オゾンの映画のタイトルにもなった。ドヌーブ主演で邦題は「しあわせの雨傘」。

France 2:オランド新大統領は、国が資本の半分以上を持つ公的企業の幹部の給与を、同じ企業の最低給与の20倍という上限を設定する。影響は私企業にも及ぶだろうと。現在、アレバの社長は40倍、EDFの社長は65倍。一方、SNCFは10倍で、ドイツの同種の企業の10分の1に過ぎないという企業もある。他の欧州はそこまで厳格に決めていない。これは仏的例外になるだろうと。
France 2:アメリカの映画俳優のウィル・スミスがFrance 2に出ていた。彼は「最も稼ぐハリウッド俳優」のひとりだが、オバマ支持を公言し、彼の導入する30%の富裕層増税は当然受け入れると言った。その直後、キャスターに「フランスの最高税率は75%」ですよと言われ、ありえないだろとマジで驚き、キャスターに君もアメリカに来いよ!と(笑)
■「コンコルド広場行きは47番バスを、バスティーユ広場行きは53番バスを」:仏国内では大統領選の結果を6日午後8時より以前に発表することを法律により規制されている。その結果、同じフランス語圏のベルギーやスイスなどが、流す先行情報を、フランス国民が暗号を使って、Twitter などに投稿した。例えば、「オランダチーズ、52%ディスカウント」「コンコルド広場行きは、47番バスを、バスティーユ広場行きは、53番バスを」など。このように暗号を駆使し、フランス国民は、正式発表前にインターネット上で、情報を交換しあったようだ。http://bit.ly/JeKcPh

JAPAN
■2軒に1軒が単身世帯!東京23区「ひとり暮らしが多い街」:「標準世帯=夫婦と子ども2人の家族で○○円の負担増」という記事をよく目にするが、東京23区で「標準世帯」の割合はわずかに8.5%。夫婦と子ども1人=11%、夫婦2人暮らしは16%。 http://nifty.jp/JdU11X
★もはや日本に標準などない。
■1,000年後の5月5日のこどもの日は来ない:リアルタイムで日本の少子化の状況がわかる「子ども人口時計」を東北大学ホームページに公開。少子化問題の論議や対策が特に時間的な切迫感をもって行われていないことを問題視。子どもの日にちなんで公表。http://nifty.jp/KJjMej

CINEMA
■ジャン=リュック・ゴダール、次回作は3D映画! 製作会社が発表 http://bit.ly/KgN02U ゴダールの久々の新作となるのは映画『アデュー・オ・ランガージュ / Adieu au Langage』
□Jean-Luc Godard Shooting Next Film In 3D :映画情報サイト(The Film Stage の元記事) http://bit.ly/JHVNtv
■ローマン・ポランスキーが次の作品で1894年の「ドレフュス事件」を扱うようだ。当時、フランス陸軍参謀本部勤務の大尉だった、ユダヤ人のドレフュスに対する冤罪事件。エミール・ゾラが"J'accuse"で弁護したことでも知られる。

ART
■「Google アートプロジェクト」が日本でもサーヴィスを開始:すでにパリのオルセー美術館やNYのメトロポリタン美術館など、世界151の美術館が3万点以上の作品を公開。50館ほどの美術館をストリートビューで館内散策できる。http://bit.ly/ISvG31
■Daniel Buren crée un Grand Palais haut en couleurs:カラフルに彩られたグラン・パレ。ダニエル・ビュレンの作品。http://bit.ly/JjcPg4

an・an (アン・アン) 2012年 5/16号 [雑誌]オン・ザ・ロード (河出文庫)

BOOKS
■ケルアックの『路上』の伝説の巻物状のオリジナルのテクスト(36メートル)が5月16日からフランスで初公開:折しもサレス監督の映画版 『路上』がカンヌでパルムドールを競い合う。http://bit.ly/M5zznb

MODE
■男性初!ブラッド・ピットが“シャネル5番”の顔に http://nifty.jp/JTeRjY
■『anan』の最新号はきゃりーぱみゅぱみゅが表紙で、kawaii Japan 特集。ちらっと見たのだが、La Carmina というジャパンファッションブログが人気なんだそうだ。http://bit.ly/JYMPYO

MUSIC
ボーン・ディス・ウェイ (スペシャル・エディション(2CD))■インドネシアのイスラム組織がレディー・ガガのコンサートを妨害すると予告。同性愛のアイコンである彼女のことを悪魔的と断罪。記事のトップには日本で大歓迎されているガガの写真が。PVを見ると、確かにイスラム教の人々にはキツイだろうなと思う。しかし7月のジャカルタのコンサートのチケットは完売。http://bit.ly/II4tfB

OTHERS
■日本のラブホテル文化がついにフランスへ上陸 http://exci.to/JaXYVD
■クリスチャン・マセ駐日フランス大使が都内のフランス大使館で記者会見し、東京日仏学院など日本国内にあるフランスの政府系文化施設を9月1日に統合し、名称を「フランス文化センター」に変更すると発表。http://bit.ly/K8qXdF



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posted by cyberbloom at 22:25| パリ | Comment(0) | TrackBack(0) | ABOUT & PROFILE | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月12日

世界中で美術館人気 フランスとスペインの場合

2011年は、世界中の美術館が記録的な入場者を迎えた。フランス全体で2011年は前年比で5%増加した。個別に見てみよう。

フランスで最も人気のある美術館は、もちろんルーブル美術館。年平均850万の人々を迎える。次いでヴェルサイユ宮殿が600万人で、2010年は村上隆が貢献した。そしてポンピドゥーセンターが360万人、オルセー美術館が290万人、ケ・ブランリー美術館が130万人と続く。アンヴァリッドの軍事博物館、パリ市のカルナヴァレ美術館、ノートルダム大聖堂の地下聖堂やカタコンベも人気がある。

中でもポンピドゥーセンター(写真)の360万人という数字は2000年の改装以降の最高記録である(前年比15%増)。館長が夏に計画的に特別展を催したことが功を奏したと言われている。そのひとつ、去年の夏に訪れたときに偶然やっていた「Paris-Delhi-Bombay 展」は新興国インドを対象にした全く新しいタイプの大規模展だった。ロレーヌ地方もポンピドゥーセンター・メッス分館 Centre Pompidou-Metz (設計は日本人建築家、坂茂)のおかげで良い結果を出した。この美術館は2010年5月にオープンしたばかりだが、去年の9月にオープンから16ヶ月で100万人に到達した。イル・ド・フランスの外では最高の集客だ。

フランスの美術館人気には次のような要因が挙げられるという。

@まずは、近年、文化的な観光が盛んなこと、家族で訪れる人々が多くなったこと、国の政策で美術館の料金が下がったこと。とりわけ常設展の18歳から25歳の料金が無料になったことが大きい。大掛かりな特別展は別として、美術館の料金は映画館やテーマパークの料金よりもはるかに安い。しかし訪れる家族の50%は、子供は無料で、18歳から25歳は2年前から無料になったことを相変わらず知らない。

Aこれまで美術館に足を運ばなかった人たち向けた努力もなされている。地域と連携したり、経済的に困難な人たちや障害者への割引制度を設けたりしている。また地方の町は美術館の料金の決定権を持つが、その多くが入場無料を選択し、1200の美術館で無料入場者が42%に上った。

Bそれと平行して、美術館は新しくアトリエを催したり、戦略的な賭けとしてデジタル機器を開発している。ルーブル美術館のアンリ・ロワレット館長によると、3月から音声ガイドに代わって Nintendo 3DS のコントローラーを導入する予定である。



フランスだけではない。とりわけスペインの美術館の集客力の向上は著しい。経済危機にもかかわらず、マドリッドの3大美術館、プラド美術館、ソフィア王妃美術センター、ティッセン・ボルネミッサ美術館の2011年入場者数が記録を達成。12年もさらなる集客が期待されている。

ティッセン・ボルネミッサ美術館はグレコからピカソまでの多くの絵を所蔵しているが、2011年の入場者数は前年比で30.4%も跳ね上がった。去年の110万人の入場者のうち、半分は外国人だ(主にドイツ、フランス、イギリスから)。1992年の開館以来、なかったことだ。館長は「経済危機の1年を通して入場者が増えたことは、私たちが提供したものの質の良さと、開館時間を長くしたことの反映でしょう。ティッセン・ボルネミッサ美術館はマドリッドの観光アトラクションとして認められたのです」と喜ぶ。

すぐ近くにあるソフィア王妃美術センターはモダンアートの美術館であるが、ピカソの「ゲルニカ」という逸品を擁している。ここは2011年、270万人の訪問者を迎えた。前年比17%増である。館長は「この数字はすべての人々に開かれた美術館の方策に負っています。このモデルがうまく行けば、入場者はさらに増えるでしょう。経済危機はスペインの成長モデルには影響を与えていますが、文化に対する関心には影響していません。」

ゴヤやベラスケスの絵が豊富なプラド美術館は3つの中で最も人気があり、2011年の入場者は290万人、前年よりも6.6%増えた。そのうち59%は外国人で、特にイタリア、アメリカ、フランスからの客が多い。2011年は特別展の「エルミタージュ美術館展」が成功を収め、それは今年の3月まで行われる。ロシアは遠いが、スペインは近いと、イタリア人からも好評だった。7月からはルーブル美術館の協力によって、イタリア・ルネッサンスの画家、ラファエロの晩年の作品を展示する。

アメリカでもメトロポリタン美術館が2011年、560万人の記録を達成。デザイナーのアレクサンダー・マックイーンのワイルドな服とアクセサリーが浮揚させた。一方、近代美術館 Museum of modern art は前年よりも15%減らした。


以下の記事を参照した
Les musées de France font le plein malgré la crise économique
Les musées phares de Madrid défient la crise et font le plein de visiteurs


cyberbloom

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posted by cyberbloom at 07:26| パリ 曇り| Comment(0) | TrackBack(0) | フランスの美術館 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月07日

週刊フランス情報 30 AVRIL - 6 MAI

WORLD
■ルモンド紙でも最も共有された記事の6位に、「日本の原発が全部停止した」ニュースが挙がっている。同時に行われたデモの写真も。http://bit.ly/J5H0qH
■日本の子どもの人口、1665万人=31年連続減、過去最少:総人口に占める子どもの割合は、前年比0.1減の13.0%で、38年連続の低下。主要国と比べても、米国(19.8%)、中国(16.5%)、ドイツ(13.4%)を下回り、最低水準。http://bit.ly/K6zL32
■日本の経済学者、森永卓郎氏が提案したイケメン税がフランスでも紹介:結婚数と出生率を向上させるために、容姿にかかわる税。冗談っぽい話題だが、先進国の抱える深刻な問題を内包。
□FBN記事:「結婚を奨励すべく、イケメン独身に課税を」−「フランスソワール」紙よりhttp://bit.ly/IKpsEx



TECHNOLOGY
■PlanetSolar が世界一周6万キロ、1年半の航海を終えて4日モナコに帰還!:PlanetSolarは、持続可能なエネルギーに希望を与えるための、太陽光エネルギーだけで動く船(双胴ヨット)で世界一周するプロジェクト。スイス人が主催する。太陽光パネルの面積は500平方メートル。(動画↑)
■電子網膜のインプラント手術をうけて、目の見えなかった二人のイギリス人が部分的に、白黒で視覚を取り戻す。1500ピクセルの電子信号が視神経を通して脳に伝達される。http://yhoo.it/JJMR6G
■ワインのアドバイス端末「ソムリエのマックスくん」が人気:フランス 年内には国内のスーパーマーケット35店舗に設置される予定。http://bit.ly/JySsN4

BOOKS
■ジャン=ジャック・ルソー生誕300年を記念して(1712年生)、リヨンの市立図書館で「多面的な知識人としてのルソー」を紹介。ジュネーヴ、シャンベリー、ヴァランスなど、リヨン周辺はルソーにとって重要な場所が多い。日本では『一般意志2.0』が話題になったが。http://bit.ly/J63ppl
■ピーター・メンツェル著『地球のごはん』:マサイ族から中国の「ネトゲ廃人」のご飯まで。食は人を語る。http://bit.ly/ItlaAp

地球のごはん  世界30か国80人の“いただきます!”一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグルTeen Vogue [US] May 2012 (単号)

CINEMA
■20thアニバーサリーフランス映画祭、全作品ラインナップ発表 http://bit.ly/IEma2n
■ニースでゲイ&レズビアン映画祭 in&out :この映画祭は多くの社会的な問題に取り組むひと時でもある。「ジェンダートラブル」もテーマに。http://bit.ly/K2MVxP
■『テルマエ・ロマエ』がイタリアで受けている:映画が公開され、日本で大人気になっているようだが、さらにイタリア全土公開を画策しているようだ。http://goo.gl/MoAgt

MODE
■ファッション誌ヴォーグ、16歳未満モデルを一斉に禁止:今後、編集ページで使うモデルは16歳以上の健全なモデルに限定するとの声明を発表した。世界のファッション界をリードする同誌の美意識の転換といえる動きで、影響が注目される。http://bit.ly/JLyvCE

MUSIC
■Paroles Paroles - Dalida avec Alain Delon :ダリダが亡くなって25年。モンマルトル墓地にファンが集ったようだ。アラン・ドロンがつぶやくこの曲は辛うじて記憶にあるな。パローレ、パローレ、パローレ♪ http://bit.ly/KobF5l
■シャルロット・ゲンズブール、「ステージ・ウイスパー」ツアー前にインタビュー。http://bit.ly/IuS0Mf

ステージ・ウィスパー〜スペシャル・エディション〜(限定盤/2CD+DVD)Les 101 Plus Belles Chansons

OTHERS
■訪日外客数、ほぼ震災前の水準に:やはり中国と韓国からのお客さんが圧倒的に多い。テルマエ・ロマエがイタリアで受けたらしいし、ヨーロッパに日本の温泉ブームとか仕掛けるといいかも。http://bit.ly/KinH1y
■五輪の混雑恐れフランスへ逃げる:英国人回答者の47%が世界中から見物客が大挙して押し寄せる五輪に恐れをなしていることが分かった(笑)。http://bit.ly/JaGY2k
■「ベルサイユのばら」誕生:原作に感銘を受けたフランスの育種業者メイアン社が開発 http://bit.ly/IOa0qv



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2012年05月03日

ADBUSTERS & ANTI-PUB 広告退治と反広告

1月1日の朝日新聞に「ウォール街を占拠せよ」の仕掛け人、カレ・ラースン Kalle Lasn 氏のインタビューが載っていた。彼は「アドバスターズ」という雑誌を発行している。アドバスターズ、つまり広告退治の雑誌だ。

「企業がもうけに走ることは善である。ゆえに商品を売り続けることが目標になる。そのためにテレビや雑誌に広告を出すのが効果的で、広告が浸透すれば消費意欲が高まり、企業は永続できる」というアメリカ流の常識と戦っている。私たちは過剰な消費、過剰な広告に無感覚になっているのだ。具体的な戦術としては、大企業広告のパロディーや環境保護についての意見広告を載せた雑誌を発行している。もちろん商業広告は一切なしだ。

商業広告と戦うために、反広告の広告を打つ。まさに情報戦だ。他にも米小売業界が狂ったように買い物を煽る歳末商戦の週末を選んで、No Buy Day を呼びかけ、デジタルに魂を抜かれないようにデジタル製品に触れない "unplugged" 状態で過ごす週、デジタル解毒ウィーク Digital Detox Week を設定する。消費者が動かされるのは、ちょっと視点を変えるようなユーモアだ。

ラースン氏は自社サイトで最も画期的な広告「ウォール街を占拠せよ=Occupy Wall Street(OWS)。9月17日決行、テント持参のこと」を打った。それは世界に火をつけ、最盛期には世界の1000ヶ所を若者たちが占拠した。彼は「ウォール街占拠」という知恵を出しただけで、占拠デモに参加したり、指導したりしなかった。運動は彼の手を離れ、ひとりで育っていった。しかし OWS は「アドバスターズ」の何よりも効果的な広告になった。毎号9万部発行していたのが、OWS 後12万部に増えたという。

リーマンショックの際に、アメリカ政府は、つぶれると世界の金融経済に大きな影響を及ぼすという理由で、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなどの金融大手に税金を投入した。「大きすぎてつぶせない」という論理がまかり通った。しかし業績が回復すると性懲りもなく自社幹部に何千万ドルという報酬を支払った。一方で失業者は全く減ることがなく、若者は大学を出ても就職先が見つからない。住宅ローンの返済が滞った庶民の自宅は、税金で助けられた銀行が差し押さえてしまう。このゆがみはどこから来ているのか。OWS はそういう問いから始まった。’We are the 99%’ という OWS のスローガンは単なる数の比の問題だけではなく、1%にやりたい放題を許してしまう圧倒的な力の差でもある。

ラースン氏の主張と手法は、2003年の秋、フランスを騒がせた事件を思い起こさせる。
 
ある若者の集団がパリの地下鉄の構内に侵入し、大きな広告のポスターにスプレーで落書きして回った。そう聞くと、ヒップホップの落書きアート、グラフィティを想像してしまうが、それとは全く系統の違う、ある主張を持った組織的な活動だった。
 
襲撃されたのはパリ15区の La Motte-Piquet-Grenelle 駅。その駅には6号線、8号線、10号線のメトロが乗り入れている。この事件では3人の高校生を含む62人が逮捕され、地下鉄の会社に95万ユーロ (1億円)の損害賠償を請求された。そういう結末を迎えることは、彼らもわかっていただろう。しかし、彼らはなぜそのような行動に出たのか。

パリの地下鉄の壁は広告のポスターで覆い尽くされている。乗客たちはそれに慣れていて、誰も気に留めない。もちろん同じような光景がどこの国でも見られる。ヨーロッパの若者のあいだには環境破壊に対して相当な危機感があるようだ。彼らは自然環境だけでなく、都市環境にも破壊がもたらされていると感じている。彼らの確信犯的な行動の裏には「街は企業のものじゃない、私たちのものだ」という強い権利意識がある。



Laissez vos enfants rêver sans la pub!
−子供たちが夢見るのに広告は要らない!

これは広告の上に彼らが書き残したが書き残したスローガンのひとつ。つまりは、子供たちの想像力が広告に蝕まれているということだ。彼らはANTI-PUB と名乗る(広告に反対する運動、pub はpublicité=広告の略)。この2003年秋の事件でフランス中に名を知られるようになった。

企業による広告の垂れ流しと、街の風景の汚染。私たちにとっても決して他人事ではない。広告が批判されるのは、それが公共空間や日常生活を侵略しているからだ。テレビ、ラジオ、ダイレクトメール、電話、新聞、映画、広告パネルを活用し、騒音によって注意をひきつけ、インターネットの世界への進出も著しい。さらに ANTI-PUB は広告が強い政治的なメッセージを発していると考える。すなわち、「消費しろ、汚染しろ、資源の枯渇に参加しろ」というメッセージだ。

広告はそれを見る人々よりも、メディア側に利益をもたらしている。売り手と消費者は広告によって非対称な関係に置かれる。売り手は消費者の行動や欲望や選択の基準に関して、明確で客観的な情報を持つことができる。それに対して、消費者は売り手から受動的に情報=広告を受け取るだけである。それは消費者の利益ではなく、売り手の利益になるように選択されたものである。今や広告には先端の社会科学を応用して練り上げられたテクニックが用いられている。

さらにフランスでは違法ギリギリの方法で世論に訴え、議論を巻き起こそうという戦術を取る運動がいくつか起こっている。彼らは強い社会的、政治的影響力を持つ企業に対抗するには、それくらいの確信犯的な戦術が必要だという信念を持っている。彼らのやり方はときには法に触れ、逮捕を免れえない。しかし、そういう運動がフランスでは一定の支持を受ける。その象徴的な人物がジョゼ・ボヴェだ。彼は1999年8月、建設中のマクドナルドの店舗を解体して逮捕されたが、6週間の刑期を終えて出所してきたとき、多くの市民が彼を英雄として出迎えた。彼は今やヨーロッパ議会の議員である。

ANTI-PUB やジョゼ・ボベの話を学生にすると、「暴力はいけない」とか「法を犯してはいけない」とか理性的な答えが返ってくる。しかし、さらに彼らはこう問いかけるだろう。それでは、私たちが望まないような環境を強制することは暴力や犯罪ではないのか。私たちは今生きているのとは別の人生や環境を選択する権利はないのか。



TROP D'IMAGE TUE L'IMAGINATION
―多すぎるイメージは想像力を殺す
CONSOMMATION=ESCLAVAGE MODERNE
−消費、それは現代の奴隷状態

もちろん、ANTI-PUB の論理につっこみをいれることは可能だ。広告がかきたてる欲望や想像力は、必ずしも広告された商品に向かうわけではない。消費者はいろんな広告の見方を知っているはずだ。広告批評というジャンルもあるくらいで、成熟した消費社会の住人は広告を批判的に再解釈したり、新しい意味を付け加える方法を知っているだろう。広告と消費者の関係は相互的に生じるものであって、広告の作用を一方的なものとして規定できるわけではない。

また、かつての絵画や彫刻に代わって、広告はビジュアル・アートの先鋭的な部分を担っている。私たちの視覚的な楽しみの対象であり、美的経験ですらある。ANTI-PUB のコマンドたちがターゲットにしたパリの地下鉄の巨大ポスターは、個人的に気に入るものが多かった。特に12号線の Assemblée Nationale 駅のプラットホームを通過する機会を楽しみにしていたほどだ。

またウェブの到来によって、企業VS消費者という関係も崩れつつある。ウェブの世界は広告によって成り立っている部分が大きいが、アフィリエートやネットショップによって個人が小さな仮想商店を営むことができる。消費者が売り手に参入する壁は低くなり、逆に消費者が企業に提案したり、商品の企画に影響を及ぼしたりすることもある。最近では企業の広告に煽られて買うのではなく、SNSによる情報の共有を通して買うという変化も見られるようだ(一方で、ステルスマーケティングなど、より巧妙なやらせ的な広告が問題視されている)。

しかし、彼らが問うているのはもっと根源的な問題だ。私たちは「今生きている環境」を変更のできない自明のものと考え、決して問い返したりしない。企業天国にして権利意識の希薄な非民主国家にいては、あまりにも現実味がない問いかけに聞こえるかもしれない。しかしこんな世界に生きていてハッピーなのだろうかと、立ち止まって考えさせられるのも事実だ。日本の公共空間が「広告の無法地帯」と化していることをハタと思い出したりもする。ANTI- PUB のコマンドたちは日本の街の宣伝がらみの喧騒や、電車の無節操なアダルト吊り広告を見たらどんな行動に出るだろうか。

ちょっと風変わりで過激な人たちが、信じて疑わない常識を揺るがすような行動によって一般市民を挑発する。ある意味、健全なものを感じるし、ユーモアも感じる。そこにはロック的な表現や文学的な感性すら見出せるだろう。昔だったら文学や音楽に身を投じたであろう若者は、今は反グローバリゼーションの運動に向かっているとも聞く。

□ADBUSTERS http://www.adbusters.org


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posted by cyberbloom at 09:57| パリ 曇り| Comment(0) | TrackBack(0) | グローバリゼーションを考える | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月30日

週刊フランス情報 23 - 29 AVRIL 後篇

在仏の中国人ピアニスト、シュ・シャオメイ、トッパンホールでコンサート
Goldberg Variations■5月11日(金)にトッパンホールにてシュ・シャオメイ Zhu Xiao-Mei のコンサートが行われる。彼女は2009年の「ラ・フォリー・ジュルネ」で来日しており、今回が2度目の来日公演。「アジアの感性─多彩な才能とその多様な可能性」というテーマの一環である。
■彼女は中国の上海に生まれた。幼少の頃より母からピアノの手ほどきを受け、弱冠8歳で北京のラジオおよびテレビで演奏を披露した。10歳で北京音楽院に入学するも在学中に文化革命が起こり、勉学を中断。5年の間、内モンゴルの労働キャンプでの生活を強いられたが、ひそかにピアノの練習を続けた。その後中国へ戻り、北京音楽院を卒業。1980年にアメリカに渡り、さらにパリ移住した1984年にこの地への定住を決意する。
■以降、シュ・シャオメイは、もはや若手ではなくメディアからの支援にも恵まれなかったものの、その演奏家としてのキャリアを瞬く間に花開かせた。これまで、フランスはもとより、ヨーロッパ、北アフリカ、ロシア、南アメリカ、アジア、オーストラリアなど世界各地を旅し、長年あたためてきたJ.S.バッハの 『ゴルトベルク変奏曲』などの難曲を演奏し絶賛されている。1990年に録音した『ゴルトベルク変奏曲』は仏「ディアパゾン」誌で5つ星に輝き、名盤として愛聴されている。
■2007年10月にフランスのロベール・ラフォン社より、自叙伝『La Rivière et son secret』(ある河とその秘密)を出版。この本は2008年に、フランス語で著された最も優秀な音楽書籍に贈られる「グラン・プリ・デ・ミューズ」(Grand Prix des Muses)を受賞した。現在は演奏活動のかたわら、パリ国立高等音楽院で後進の指導にも励んでいる。
(トッパンホールのサイトより)
★シュ・シャオメイのインタビュー(仏語) http://bit.ly/IwpSy4
★Variations Goldberg de Bach par Zhu Xiao-Mei (動画) http://bit.ly/AtxelW

イギー・ポップ、「英米の音楽狂からの猛攻に一番頑固に反対しているのはフランス文化」
プレリミネール■5月9日に発売される『アプレ』と命名されたこの新作には、セルジュ・ゲンスブールやエディット・ピアフらフランス人歌手のほか、ビートルズ、フランク・シナトラ、オノ・ヨーコらのカバー曲が収録される。
■同新作アルバムについてイギーは「こういう曲を自分で歌いたかったんだ。俺がその曲を聴いた時の感覚を、俺の声を通じて聞く人たちに感じて欲しいん だよ。ほとんどの曲はフランス語なんだ。っていうのもたぶん、英米の音楽狂からの猛攻に一番頑固に反対しているのがフランス文化だと思うからさ」と説明した。そんなイギーは、2009年にもフランスのミシェル・ウエルベックによる小説『ある島の可能性』からヒントを得た英米語アルバム『プレリミネール』を発売している。
(4月25日、マイナビニュース)
★ジャケットは前作の「プレリミネール」。
★Iggy Pop - Les Feuilles Mortes (Live @ France Inter) イギー・ポップの歌う「枯葉」。こんな感じなんだね。http://bit.ly/Jnryrl

ルーブルと深まる縁
■フランスのルーブル美術館の所蔵作品が岩手、宮城、福島の被災3県を巡回する「ルーヴル美術館からのメッセージ 出会い」が27日、トップを切って 盛岡市本宮の県立美術館で始まった。ルーブル作品が県内でまとめて展示されるのは今回初めて。県立美術館にはこの日、県内外の美術愛好家や沿岸被災者ら370人が訪れた。
■巡回展は、東日本大震災の被災地支援の一環として、ルーブル側が昨年7月に提案。県立美術館によると、地方都市での開催はまれで、通常なら準備に4〜5年はかかるが、今回はわずか9か月で実現した。
■「出会い」をテーマに、18世紀フランスの画家フランソワ・ブーシェの油彩画「アムールを抱く三美神」など、絆や対話を主題にした絵画や彫刻、工芸品など23点が展示されている。作品の年代は古代から18世紀、地域も西欧、エジプト、イスラム圏などと幅広い。
(4月28日、読売新聞)

BOOKS
■リヨンの印刷博物館で「飛び出す絵本」展 http://bit.ly/KkybYz
■土曜日、フランスとベルギーで450以上の独立系の書店で14回目の「書店祭り」。世界的にも本の日、著作権の日。お客には一本のパラと一冊の本がプレゼント。電子書籍に押される現状で書店の価値と職業を守ろうと。http://bit.ly/JO7pgx

MUSIC
■京都精華大学が、2013年4月に「ポピュラーカルチャー学部」を開設:学部共通の教員には、細野晴臣、藤原ヒロシ、フランスの俳優でミュージシャンのピエール・バルーらが就任予定、だって。 http://bit.ly/JFweIF
■Pourquoi le Heavy Metal s'inspire de la Grande Guerre:「メタルミュージックはなぜ第一次世界大戦からインスパイアされるか」というフランス語記事。ANZAC Day にちなんで、第一次世界大戦のメタルミュージックへの影響を論じる。塹壕の中の兵士の苦悩と絶望をテーマにしたアイアン・メイデンの "Paschendale" などが挙げられている。第1次大戦の最大の激戦地、ソンムの戦いでは英軍40万、仏軍20万、独軍20万の犠牲者を出したが、戦線は11キロ動いただけ。塹壕戦のあまりの悲惨さが浮き彫りに。その後戦争思想家は人道的な戦争の方法を模索した。http://bit.ly/I5s9eL

OTHERS
■外国語で考えるほうが合理的:第二言語でものを考えると、感情的反応に流されず、慎重に分析して判断を下す傾向が強まるとの実験結果が明らかになった。http://bit.ly/IwXmJE
■K-POP、韓国特有の文化でない…大衆文化の国際化 :「韓流は韓国特有の文化には見えない。 むしろグローバルな文化現象と認識するのが正しい」とフランス人教授。http://bit.ly/K1IKiv


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posted by cyberbloom at 22:16| パリ 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | 週刊フランス情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月29日

週刊フランス情報 23 - 29 AVRIL 前篇

サルコジ氏に疑惑相次ぐ=カダフィ政権から不正資金?−仏大統領選
■フランスのニュースサイト「メディアパート」は28日、サルコジ大統領にリビアの旧カダフィ政権から不正資金が流れていた可能性があると報じた。また、性的暴行事件で失脚した国際通貨基金(IMF)のストロスカーン前専務理事は、事件の背後にサルコジ政権の策略があったと示唆。1週間後の決選投票で再選を目指すサルコジ氏は、相次ぐ疑惑でさらに厳しい立場に追い込まれそうだ。
■メディアパートは、サルコジ氏が初当選した2007年の 大統領選前に、当時のカダフィ政権がサルコジ陣営に5000万ユーロ(約53億円)を提供すると同意したことを示す文書を入手したと報道。文書は同政権高官やサルコジ氏側近の署名入りとされるが、実際に資金提供があったかどうかは明らかでない。
■サルコジ政権は07年12月にリビア最高指導者だったカダフィ大佐(当時)をフランスに迎えるなど、リビアとは比較的良好な関係だったが、政権崩壊に追い込んだ昨年の対リビア軍事作戦では主導的役割を担っ た。サルコジ陣営の報道担当者は、報道は大統領選の対立候補である社会党のオランド前第1書記陣営の差し金だと主張している。
(4月29日、時事通信)
★サルコジへのリビアからの資金援助の証拠となる文書を発表したのは Mediapart という独立系のネットメディア。創設者のひとりはル・モンドの元編集長。2010年のペダンクール事件をすっぱ抜言いたことで一躍有名に。独立系ネットメディアが第2回投票前にこんなネタを出せたのは大きい。

フランス大統領選挙は決選投票へ
■フランス大統領選挙は、日本時間の23日未明に投票が締め切られ、これまでの開票の結果、最大野党「社会党」のオランド候補と現職のサルコジ大統領がそれぞれ1位と2位を占め、来月6日に2人による決選投票が行われることが確実になりました。
■22日に投票が行われたフランス大統領選挙は、日本時間の23日午前3時に投票がすべて締め切られ、開票作業が続いています。フランス内務省によりますと、開票率79%の時点で、最大野党「社会党」のオランド候補の得票率が28%、現職のサルコジ大統領が26.9%、続いて極右の「国民戦線」のルペン候補が19%などとなっています。1回目の投票で当選するために必要な過半数の票を得る候補はいない見通しで、オランド候補とサルコジ大統領の上位2人による決選投票が、来月6日に行われることが確実になりました。
■最新の世論調査では、2人による決選投票の場合、オランド候補がサルコジ大統領への批判票を集めて支持を広げ、10ポイント近く引き離しています。信用不安が続くヨーロッパの国々では去年、政権交代が相次いでおり、フランスでミッテラン大統領以来、17年ぶりに社会党出身の大統領が誕生するのか決選投票が注目されます。
(4月23日、NHK)
□Tous les résultats du premier tour, ville par ville : 市町村レベルでの投票結果 http://bit.ly/IBCcGV
□【スライドショー】フランス大統領選、決戦投票へ(WSJ)http://on.wsj.com/J3Dpq5

サルコジ大統領と決選投票を闘うオランド氏とは? (AFP)



■フランス最古の原発、フッセンハイム原発2号機付近で火事:現地時間4月25日朝8時半頃。ただし電気系統だけで、原子力使用部分ではないとのこと。原子炉は引き続き異常なく稼働している。 http://bit.ly/I1ElgI
■パリの地下鉄の駅を駐車場と勘違い、車が突っ込む:えらいことになってる(写真)。日本も仏も車は危ない。しかし幸運にもけが人も被害もなし。http://bit.ly/I9PQr4
★パリの地下鉄を舞台にした自動車のCM。これもすごい。http://bit.ly/I9Ul53
■フランスの再生可能エネルギーはいま――1万人の雇用が期待される「洋上風力発電」http://nkbp.jp/JkvXLJ
■デンマーク、2050年までに全発電を再生可能エネルギーに: http://goo.gl/hXIMY

JAPON
■製造業:第3の産業革命 製造業のデジタル化は、モノの作り方を一変:例えば、これまでは工場は人件費の安い海外に作っていたが、需要の変化により迅速に対応するために、顧客の近くに拠点を置くことを企業が望むようになった。また政府は「製造業は、金融業やサービス業よりも優れている」という非現実的な信仰にしがみつき、産業構造の転換を遅らせる。http://bit.ly/J6X0FV
■ロイター企業調査:原発停止、事業に不利でも安全確認優先が大勢:大飯原子力発電所の再稼働が問題となる中、コスト上昇につながるとはいえ、原発の早期再稼働よりも安全を重視する企業の姿勢が明らかとなった。http://bit.ly/JyPGZm


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posted by cyberbloom at 19:34| パリ 雨| Comment(0) | TrackBack(0) | 週刊フランス情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする